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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

スペクタクル

万古渓谷キャニオンニング最大の難所は、
金森淵から万古不動滝までの間と言ってよいと思います。

まずは、金森淵を過ぎた最初の急流域を、
踏み跡を辿って左岸から巻くのですが…

俺:「げげ。崖が崩れてる」

踏み跡がスパッと途切れると、15m程の崖。
崩れたのは随分と昔のことのようなのですが、
砂崖っぽいので、現在もポロポロと細かく崩落し続けているようです。

それでも途中までは、昔張られたロープが生き残っているので、
それを使ってトラバースできます。
しかし、最後の5mだけは、どう見てもズリ落ちるしかない。

俺:「ついに懸垂下降が来たか」

わたくし、この時、
自分の「キャニオンニング」の判断が正しかったことを痛感しました。
もし遡行だったら、自分の技量では、この大した手がかりもない砂崖を、
安全に登り切ることは難しかったと思われます。

俺:「ふう……」

そうして一旦川床に降りると、すぐに次の急流域。
ここは対岸に渡って、右岸からの高巻き。

俺:「なんちゅう凄惨なゴルジュ

側壁が高くせり上がって陽が当たりにくいので、薄ら寒い印象があります。
岩も黒めなので余計に重苦しく、
あの明るい金森淵のすぐ下流とは思えない世界。

俺:「天国から、いきなり変わり過ぎだろ…」

かつての名残の残骸ロープを見つけると、
そのロープを目印に、溝っぽい巻き道をゆっくり登っていきます。
こちら側は基本的に岩場なので、先程の砂崖よりは支点が取り易いです。

それでも、気をつけないと、アッと言うまに滑落しますな。

再び川床に戻ると、いよいよ万古不動滝の落口。
簡易高度計で、しっかり落口の標高を測ります。

俺:「やっぱり、さっきの天国滝は、不動滝とは別口やったか」

そして最後は、もう一度左岸からの高巻き。
これがシビアな土崖で、巻き道が崩壊気味のため、
メチャメチャ怖い!

俺:「な、なんとか無事やった……」

万古不動滝の高巻きを終えた時、
わたくし、思わず河原にヘタリ込んでしまいました。

万古不動滝_その1
万古不動滝(落差18m)・概観】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

俺:「いやあ、怖かったぜ……」

万古不動滝を前に、座り込んで休憩すること約20分。
ようやく心身共に回復してきたので、
そろそろカメラを設置して、撮影を始めようと思っていたところでした。

誰:「よう、こんにちは」
連:「こんにちは」
俺:「へ?あ、こんにちは」

急に現れた、釣竿を持った男性二人組みのパーティー。

聞けば、今朝、下流の二軒屋キャンプ場を出発し、
途中で釣竿を出しながら、万古不動滝まで遡行してこられたとのこと。

誰:「上流から降りてきたんかな?」
俺:「はい、そうです」
誰:「実は俺らも、昨日、唐沢の滝から下降したんだが…」
俺:「はい」
誰:「地図上の不動滝…というか、まあ、小滝を見て引き返したんだ」
俺:「ああ、なるほど」
誰:「こっちが、本物の不動滝でいいんだよな?」
俺:「ええ、間違いないと思います」

なんと!

ここにも、わたくしと同じく、
国土地理院の地形図に惑わされた方がおられました!

誰:「でさ、これ、落差30mもあるかあ?」
俺:「いや、ないと思いますが」
誰:「詐欺だよなあ」
連:「あっても、せいぜい20mってところだろう」

あれれ?
お二人の話の前提が「滝の落差は30m」なのですが、
だけど、そんな事前情報、あったっけ……。

誰:「この上は、例の小滝になるんだろう?」
俺:「あ、そうですね」
誰:「行ってみるか?」
連:「そんだけの価値があるかだな」

わたくしが見たところ、このお二人組み、荷物をどこかにデポして、
釣具だけで、ここまで登ってこられたものと思われます。

俺:(ロープの類も無しに、あのゴルジュは…)

二人して不動滝の巻き道を見上げながら、
あーだこーだと検討しておられたので、

俺:「ロープも使いましたし、自分としてはおススメしませんよ?」


間。


誰:「そうか」
連:「じゃ、止めとこうや」

万古不動滝_その2
【万古不動滝・落口アップ】

万古不動滝が鮮烈なのは、
なんと言っても、岩に隠れた部分にある独特のヒョングリ。

俺:「水流が複雑や」

まず、落口で水流が少しクロスした感じになって、
岩に隠れて見えない上段部の滝壺に向かって落ちていきます。

この滝壺に落ちる寸前、
レードルのように浸食された部分で、瀑水がドドッと横へ吐き出されます。
こう、滝前に立つと、わたくしが少し見上げるくらいのところを、
怒涛の瀑水が、いきなり真横に飛んで行くのです。

そして上段滝壺の側壁で跳ね返った瀑水が、
最後に、大迫力の下段部となって飛び出してくる。
文字通り大自然のスペクタクル!

俺:「これが、万古不動滝渓谷白眉の大瀑とされる理由かあ」

で、肝心の落差なのですが、
「しかし」と言うべきか、「やはり」と言うべきか。
わたくしの目測と簡易高度計とでは、大きく食い違っていました。

わたくしの目測落差 8m
簡易高度計での落差 18m


俺:「う~む。どう見ても10m以上あるようには見えんのだがなあ」

でも、先程の二人組みパーティーの方々も「落差は20m程度」みたいなことを仰っておられましたし。

ましてや大自然の前では、人間の感覚って、得てして狂うモノですし、
大渓谷のど真ん中という特殊な環境なので、
それはやはり、計器の方が正確なのでしょう…

俺:「…けど、凄い違和感が残るなあ」

万古不動滝_その3
【万古不動滝・下部ヒョングリ】

妻:「滝姿が傑出してるし、落差なんて大した問題じゃないわ」
俺:「え~?そうかあ?」
娘:「でもでも、万古大滝って言われる程じゃないのは分かる」
俺:「ま、実際、支流の唐沢の滝より低いもんな」
子:「そりゃ万古渓谷大滝認定されるなら、落差40mは要るだろ」

う~む、なるほど。
その感じ、なんとなく分かる気がするぞ。

兄:「ああもう、こまけぇこたぁいいんだよ!!」
子:「はあ?落差こそ滝の命だろ?」
兄:「落差だけが滝の本質じゃねえし」
俺:「フム。他に何があるんだい?」
兄:「これ!」

バシッとビデオ映像を指差す長男君。

兄:「スペクタクルだね!!」




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う~む、なるほど……

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万古渓谷沢歩きガイドマップ
(泰阜村ホームページより)
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