う~ん
2013/04/06 Sat. 00:01:00 edit
【秘瀑探検 その5】
乗鞍岳の南麓には、幾つもの魅力的な大瀑が懸かっています。
しかし、そのどれもが、渓谷を遡行しなければならなかったり、踏跡も定かではない尾根を歩かなければならなかったりで、結構な秘瀑ばかり。
子:「だけどこの滝は、お父さんだったら行けると思うんだ!」
いったいどこから手に入れてきたのか、名古屋ACC(名古屋アルパインクライミングサークル)の遡行記録のコピーを持ってきて、わたくしを口説きにかかる次男君。
彼が指しているのは、「阿多野郷川東谷大滝」。
乗鞍山系の滝としては、最大級の落差を誇っている大瀑布です。
子:「ほら、見て。阿多野郷川東谷の右岸側に、堰堤工事用の道が付いているじゃん?」
俺:「おお、確かに」
子:「これを使ってアプローチできるから、負担も少ないと思うんだけど…」
俺:「フム。その可能性はあるな」
子:「でしょ!」
俺:「それで、その資料は、何年前の遡行記録なの?」
そう。
沢は、毎年毎年変化するので、あまり資料が古いと、使い物にならないことがあるのです。
子:「…」
俺:「なぜ、急に黙る」
おま、2002年て…

【阿多野郷川東谷大滝(落差100m)・右岸側上部概観】 (岐阜県高山市高根町野麦 『阿多野郷川東谷』)
俺:「ああ、晩秋の匂いがする…」
そして!
なんだかんだとその気にさせられ、結局、阿多野郷川東谷大滝にやって来たわたくし。
早速、沢用ザックを下ろすと、ポカリスエットのペットボトルを取り出して、喉を潤します。
林道から入渓して、ゆっくり遡行すること約2時間。
途中、大した難所はなく、敢えて言うなら、堰堤越えが核心部でしょうか。
俺:「さすがに、水量は少ないか…」
晩秋は、滝の水量が一番少なくなる時期。
いささか迫力には欠けますが、
しかし!
この秋の息吹が肌から染み込んでくる感覚は、ひさびさでしょう。
俺:「ウ~ム、天国じゃ」

【阿多野郷川東谷大滝・最上段部アップ】
ところで、次男君が提案してくれた堰堤工事用の作業道は、案の定、深い熊笹にしっかり覆われていました。
激しい藪漕ぎで、一寸先は闇状態です。
しかも、あちこちで見かける、新しくはないが古くもない熊の糞。
熊との遭遇は、こんな深い熊笹の中での出会い頭が、最も危険。
俺:(遡行スピードは上がらんし、熊危険度MAXだし、このルートはダメだわ)
しかたがないので、作業道をいったん戻ると、東谷にかかる林道の橋のたもとで、左岸側から入渓し直したのでした。
俺:(むう。30分のロス)

【阿多野郷川東谷大滝・右岸側概観】
さて、この阿多野郷川東谷大滝は、中段部で、右岸側と左岸側の二つに水流が分かれます。
そして、下段部で再び合流するのですが、水量の多寡から見ると、左岸側が本流、というか本命でしょう。
俺:「右岸側の撮影はこれでよし。ではでは、いよいよ左岸側に取り掛かるか!」
と、その時でした。
ドロロロロ…
俺:「遠雷?」
慌てて下流側を振り返ると、真っ黒な雲の塊が、結構なスピードで迫って来てる!
俺:「うわあ! 撤収!!」
なんで晩秋に雷雲なのか理解に苦しみますが、しかし、雷はヤバイ!
撮影を中断すると、川を駆け下るようにして、我がベンツへと向かいます。
俺:(膝の古傷よ、なんとか持ってくれ!)
車に着くころにはポツポツと雨が降り出し、一通り着替え終わった辺りで、一気に土砂降りに。
雷はそれほど激しく鳴ってはいませんでしたが、膝がガクガクになってしまったため、とっとと帰宅することにしたのでした。
子:「そっか…」
俺:「ま、30分のロスが響いてしまったワケ」
子:「う~ん」
俺:「ダナの滝もパスしたわ」
子:「う~ん」
沈黙。
俺:「何か言えよ」
子:「う~ん」

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乗鞍岳の南麓には、幾つもの魅力的な大瀑が懸かっています。
しかし、そのどれもが、渓谷を遡行しなければならなかったり、踏跡も定かではない尾根を歩かなければならなかったりで、結構な秘瀑ばかり。
子:「だけどこの滝は、お父さんだったら行けると思うんだ!」
いったいどこから手に入れてきたのか、名古屋ACC(名古屋アルパインクライミングサークル)の遡行記録のコピーを持ってきて、わたくしを口説きにかかる次男君。
彼が指しているのは、「阿多野郷川東谷大滝」。
乗鞍山系の滝としては、最大級の落差を誇っている大瀑布です。
子:「ほら、見て。阿多野郷川東谷の右岸側に、堰堤工事用の道が付いているじゃん?」
俺:「おお、確かに」
子:「これを使ってアプローチできるから、負担も少ないと思うんだけど…」
俺:「フム。その可能性はあるな」
子:「でしょ!」
俺:「それで、その資料は、何年前の遡行記録なの?」
そう。
沢は、毎年毎年変化するので、あまり資料が古いと、使い物にならないことがあるのです。
子:「…」
俺:「なぜ、急に黙る」
おま、2002年て…

【阿多野郷川東谷大滝(落差100m)・右岸側上部概観】 (岐阜県高山市高根町野麦 『阿多野郷川東谷』)
俺:「ああ、晩秋の匂いがする…」
そして!
なんだかんだとその気にさせられ、結局、阿多野郷川東谷大滝にやって来たわたくし。
早速、沢用ザックを下ろすと、ポカリスエットのペットボトルを取り出して、喉を潤します。
林道から入渓して、ゆっくり遡行すること約2時間。
途中、大した難所はなく、敢えて言うなら、堰堤越えが核心部でしょうか。
俺:「さすがに、水量は少ないか…」
晩秋は、滝の水量が一番少なくなる時期。
いささか迫力には欠けますが、
しかし!
この秋の息吹が肌から染み込んでくる感覚は、ひさびさでしょう。
俺:「ウ~ム、天国じゃ」

【阿多野郷川東谷大滝・最上段部アップ】
ところで、次男君が提案してくれた堰堤工事用の作業道は、案の定、深い熊笹にしっかり覆われていました。
激しい藪漕ぎで、一寸先は闇状態です。
しかも、あちこちで見かける、新しくはないが古くもない熊の糞。
熊との遭遇は、こんな深い熊笹の中での出会い頭が、最も危険。
俺:(遡行スピードは上がらんし、熊危険度MAXだし、このルートはダメだわ)
しかたがないので、作業道をいったん戻ると、東谷にかかる林道の橋のたもとで、左岸側から入渓し直したのでした。
俺:(むう。30分のロス)

【阿多野郷川東谷大滝・右岸側概観】
さて、この阿多野郷川東谷大滝は、中段部で、右岸側と左岸側の二つに水流が分かれます。
そして、下段部で再び合流するのですが、水量の多寡から見ると、左岸側が本流、というか本命でしょう。
俺:「右岸側の撮影はこれでよし。ではでは、いよいよ左岸側に取り掛かるか!」
と、その時でした。
ドロロロロ…
俺:「遠雷?」
慌てて下流側を振り返ると、真っ黒な雲の塊が、結構なスピードで迫って来てる!
俺:「うわあ! 撤収!!」
なんで晩秋に雷雲なのか理解に苦しみますが、しかし、雷はヤバイ!
撮影を中断すると、川を駆け下るようにして、我がベンツへと向かいます。
俺:(膝の古傷よ、なんとか持ってくれ!)
車に着くころにはポツポツと雨が降り出し、一通り着替え終わった辺りで、一気に土砂降りに。
雷はそれほど激しく鳴ってはいませんでしたが、膝がガクガクになってしまったため、とっとと帰宅することにしたのでした。
子:「そっか…」
俺:「ま、30分のロスが響いてしまったワケ」
子:「う~ん」
俺:「ダナの滝もパスしたわ」
子:「う~ん」
沈黙。
俺:「何か言えよ」
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