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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

予兆

俺:「お、おかしい……」

そういうワケで(※ 前回エントリー参照)
今になってみれば笑い話なのですが、
その時のわたくしは、迷いに迷いました。

俺:「地形図上では、ココが万古不動滝のハズなんだが……」

地図とコンパスを取り出すと、
ひたすら周りの地形との照合を試みます。

俺:「どう考えたって、万古不動滝が落差3mの小滝なワケねえーっ!」

金森淵_その1
金森淵(落差5m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

俺:「…しかも、高度計までおかしい」

そうなのです。
見た目3mの落差なのに、
簡易高度計だと、5mになってしまう不思議。

俺:「……」

ここから先、万古渓谷は、
猿間洞沢との出会いから万古不動滝までが、
キャニオンニング序盤の核心となるハズです。

俺:「ここまで事前情報がアテにならねえって、どうするんだよ」

ブルルルッと体を震わすわたくし。
もちろん武者震いですが。

俺:「ここからは、もう、一筋縄ではダメだと思わなきゃいかんな」

とにかく、
気を引き締めて、慎重に行くしかありません。

俺:「よし。まずは大休止じゃ!」

金森淵_その2
【金森淵・主部アップ】

娘:「へえ。お父さん、ここでお昼を食べたんだ」
俺:「ちょっと早めの食事だったけどね。日当たり加減はバッチリだったね」

もちろん妻お手製のおにぎり。

妻:「場所によって、岩が黄金色に見えるわ」
俺:「だろう。気持ちの良いスポットだった」

水流に磨きこまれた岩肌が、
光の具合によっては、金属光沢のよう。

兄:「で、ここで何分遊んだの?」
俺:「いや、遊んでねーし」

むしろ、お昼寝タイム?

子:「で、何分いたの?」
俺:「む。60分くらいはいたかなあ」
子:「ほらやっぱり」
俺:「いや、あのな……」

しかし!

この後に続く序盤の核心部と
この天国的なお昼休憩との落差が、
あまりにも激し過ぎた!




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古老に聴く

ところで、万古渓谷には、幾つか所在の不確かな滝があります。
その一つが「金森淵」と呼ばれている滝です。

わたくし、万古渓谷をキャニオンニングした後、
飯田市の千代支所(千代自治振興センター)にお邪魔させて頂きました。
そこで、万古渓谷にお詳しい地元の古老をご紹介頂いたのです。

嬢:「すぐ来られると思いますから、もう少しお待ち下さいね」
俺:「ありがとうございます」
老:「こんちは~」

そしたらなんと、お家のお仕事を中断され、手にいっぱいの封筒資料を抱えて、
早速、支所に駆けつけて下さったのでした。

金森淵_その3
金森淵(落差5m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

その昔、万古渓谷が整備されるにあたり、
何度か遡行調査が行われます。

その都度、遡行図が起こされているのですが、
現在、金森淵の位置が食い違っている二種類の図が存在しています。

これが、金森淵の位置が不正確になっている第一の理由だそうです。

万古渓谷_その2
【万古渓谷・地図 その1】

こちらが、渓谷入口の看板地図の元になっていると思われる遡行図。

ちなみに!

こちらの遡行図と
国土地理院の地形図とでは、
万古不動滝の位置が違っています。

正確なのは遡行図の方。
地形図では、
本当の不動滝の一つ上流の滝を、〈誤って〉万古不動滝としています。

これが、金森淵の位置が不正確になっている第二の理由だそうです。

老:「なんでそんなことになってるのか、俺にもよくわからんのだが…」
俺:「ええ」
老:「不動滝のすぐ上が金森淵だ」
俺:「おお、そうでしたか!」
老:「間違いない」

つまり、国土地理院地図に記されている万古不動滝は、
本当は金森淵だったワケです。

上の遡行図で言うと、
不動滝の上流にある無記名の滝が、本当の金森淵ということになります。

万古渓谷_その1
【万古渓谷・地図 その2】

そしてこちらが、正確な金森淵の位置関係を記している遡行図。

老:「そうか。あんた、独りで不動滝までスイスイ行ってきちゃったか」
俺:「そんな大したことないですから」
老:「俺よりスゴイじゃないか」

いやいや、そんなに持ち上げられると
なんだか据わりが悪くて仕方がありません。

老:「じゃあ、せっかくだから、特別にとっておきをお伝えしよう」
俺:「何でしょう?」
老:「万古渓谷には、あと二つ、秘境の滝がある
俺:「え?」
老:「猿間洞沢(えんまぼらさわ)カブロの滝と…」
俺:「おお!」
老:「榎ノ窪沢(えのくぼさわ)コウボウの滝だな」
俺:「ふおお!!」

なんというサプライズ!
わたくし、もう、感激しまくり!

その後も三十分以上に亘って、
それぞれの滝への詳細なアプローチ方法等ご教示頂きます。

俺:(あああ、情報量が膨大過ぎて覚え切れねえ!)

録画しておけば良かったです……。




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ありがとうございました!
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最後のオマケ

犬返しの下流に、左岸から流入する顕著な枝沢があります。
その名も『猿間洞沢(えんまぼらさわ)

妻:「変わった名前」
兄:「この『猿(さる)っつう字が、また予想の斜め上だな」
娘:「だよね。普通は閻魔サマを連想するじゃんね」

万古渓谷には、国土地理院地図に滝マークの入っている滝が、
全部で3つあります。

子:「つまりその3つが、万古渓谷を代表する滝ということでいいのか」
俺:「まあ、そうかな」

1つ目が唐沢の滝
もう1つが万古不動滝

俺:「で、最後が、ここ猿間洞沢にかかる第一の滝なのだ」

第一の滝_その1
第一の滝(落差14m)・全景】(長野県飯田市千代 『猿間洞沢』

子:「ほほう」
妻:「これは悪くはないわね」
兄:「フム、その心は?」
妻:「そうね、唐沢の滝の方が貫禄あるけれど…」
娘:「うん」
妻:「美瀑としての佇まいは、これで充分じゃない?」
娘:「なるほど」
俺:「そもそも地形図上は、唐沢の滝と同等の巨瀑マーク

そうなのです。
地図上だと、見方によっては、この第一の滝こそ、万古渓谷最大の滝っぽく見えたりします。

俺:「ちなみに落差は、簡易高度計で14mと出たんだがな…」
子:「まあ、明らかに唐沢の滝より低いし」
俺:「…実物は10m未満に見えたりする」
子:「なんで?」

今回、手元の簡易高度計にて、
滝の落口と滝壺でそれぞれの高度を測り、
その差を「滝の落差」とする手法を取りました。

俺:「すると、全般に、見た目より高い数字が出てくるんだよ」
子:「ああ……」
兄:「でも、それは計器の方が正しいんじゃね?」
俺:「やっぱりそう思う?」
子:「う~む」

第一の滝_その2
【第一の滝・下段】

ところで、この第一の滝の映像は、ネットで検索してもほぼ出てきません。

娘:「どうして?」

万古渓谷は、普通、下流の二軒屋キャンプ場から、
日帰りで遡行されることが多いようです。

俺:「すると、猿間洞沢に辿り着くのは、かなりの体力と時間を使い果たした後だろう」
娘:「うん」
俺:「枝沢に入ってまで滝を見る余裕がなくなるんじゃないか?」
娘:「ああ、そゆこと」

さらには、第一の滝のかなり上流に、カブロの滝という幻の滝まであるらしい。

子:「ほほう。まだまだ秘瀑があると」
俺:「ま、今回は第一の滝までということで」

第一の滝_その3
【第一の滝・下段滝壺ヒョングリ】

子:「この滝壺がヒョングリって、超・珍しいわ」
妻:「こういうの、初めて見るわね」
兄:「初見で『へ?』ってなるよな」
娘:「あれだよね」

娘:「最後のオマケって感じ!」




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極上コース

唐沢の滝から下ること50分余り。
最初の「難所」である「犬返し」にやって参りました。

犬返し_その1
犬返し(落差2m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

娘:「え、これが難所?」
子:「落差ないし、ただの急流なんですけど」
俺:「ウヒヒヒ」

まあ、一般的に言えば「難所」なんでしょうが、
キャニオンニング的には「ウォーター・スライダー・スポット」ですな。

兄:「何だと?」
俺:「そう、ズバリ滑り台!」
娘:「なにそれ、超面白そうじゃん!」
俺:「おう。水量が少なかったお陰で、メチャメチャ楽しかったで」
子:「オヤジ、遊び倒してきたのかい!」
俺:「あったり前!」
娘:「う、うらやましい~」

お陰様で滝壺も穏やかで巻き込み水流も無い、
安心して遊べる、飛び切り上質なアドベンチャー・スポットでした!

俺:「ここだけで30分遊んだな~」
妻:「こういうの見ると、キャニオンニングしたくなるわね」
兄:「だが、大概、こういうところに辿り着くまでが険しいんだろ」
娘:「お母さん、険しいの苦手でしょ」
俺:「う~ん、それが、そうでもないんだよ」

唐沢の滝から犬返しまでなら、
妻に越えられないような難所はありません。

子:「ほう」
俺:「寧ろ、お母さんにも自信を持っておススメできる、極上のウォーター・ウォーキング・コースでしょう」
みんな:「「へえ~」」

犬返し_その2
【犬返し・遠景】

わたくし、沢登りの格好をしていたので、犬返しでは積極的に水と戯れました。
ただ通常なら、釣師さんとかは、ここでは右岸を巻くと思われます。

俺:「犬返しの淵には、大きな岩魚っぽい魚が結構いたんだ」
娘:「へえ」
子:「落差の割には淵が大きいしね」
俺:「そうなのよ」

こう、わたくしが淵に入ってゆくと、
魚たちが、一斉にロケットのようになって下流の浅瀬を爆泳してゆく。

俺:「あのキラキラ光る水面がもうね」
娘:「うわ~」
子:「聞くからに楽園って感じだ」
兄:「映像でも水の透明度が高いし」

ホント、地元の方が自慢されるだけのことはあります。

妻:「これは、真夏に行ってみたい」
子供たち:「「おう!」」




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滝屋なのか

ここのところ、わたくしを魅了してやまない南信州
その懐奥深くに、
秘境「万古渓谷(まんごけいこく)があります。

わたくし、この夏、この万古渓谷滝群を訪問することを決意。

その際、下流の二軒屋キャンプ場から遡行するか、
それとも、上流の「唐沢の滝」からキャニオンニングするか、
非常に迷いました。

俺:「行き詰まった時、登攀よりは懸垂下降の方が、自分の力量に適うかなあ」

ウンウン悩んだ末、
「唐沢の滝」を出発して「魚止の滝」までキャニオンニングした後、
馬小屋沢の出会いまで戻って、そのまま馬小屋沢を遡行。
最後は林道を経由して「唐沢の滝」に戻る計画を立てます。

俺:「初めての沢泊だからな」

ツェルト等のギアをしっかり準備し、
一泊二日のゆったりプランで臨むことにしました。

唐沢の滝_その1
唐沢の滝(落差25m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

俺:「う~ん、いい朝だ」

起点となる「唐沢の滝」駐車スペースに車をとめると、
わたくし、ハーネスやヘルメットを身に付け、ロープ等の準備を始めます。
辺りには野鳥の囀りが響き渡り、これからのキャニオンニングへのワクワク感が高まるばかり。

俺:「まずは、唐沢の滝からや」

橋の袂から看板に従って遊歩道を下ってゆくと、
程なくして「唐沢の滝」前に到着。

釣:「おや、こんにちは」
俺:「こんにちは」

するとそこに、家族連れの三人の方が
滝壺目掛けて釣竿を振っておられました。

唐沢の滝_その2
【唐沢の滝・落口アップ】

釣:「こりゃまた、どえらい重装備ですね。沢屋さんですか?」

わたくしの格好を見て、ちょっと驚いた様子の釣師のご主人さん。

俺:「あ、いえ。どちらかと言うと滝見が目的です」
釣:「じゃあ、カメラマンさん?」
俺:「いいえ。敢えて言えば、滝屋ですかね」
釣:「こりゃ珍しいね」
俺:「それはどうも。釣りの方はいかがですか」
釣:「ハハ。今日は水量が少ないからか、あまり良くないわ」

万古渓谷は、渓谷全体にわたって岩魚などが釣れるのだそうです。

俺:「ほほう。魚止の滝より上流にも、魚がいるんですか」
釣:「そう。むしろ、上流の方がいいかもね」

ここ万古渓谷は、かつて観光地として整備されたことがあって、
爾来、割と人の手が入り続けているのだそう。

釣:「その当時に、渓谷全体に魚が放流されたんじゃないかな」

よく見ると、
「唐沢の滝」滝壺にも、小ぶりながら沢山の魚を発見することができます。

俺:「ホントですね。こんなところにまで魚が」

唐沢の滝_その3
【唐沢の滝・滝壺】

娘:「へえ、魚かあ」
子:「釣りねえ。あんまり興味ないわ」
俺:「俺はやらないけどな」

だけど、沢登り関連の本には、
必ず「釣りと焼き魚」が、必須項目として載っていますな。

娘:「その場で食べちゃうワケ?」
俺:「普通はそうらしい」
娘:「新鮮そう」

一応、食べるコトには反応する娘。

子:「そんなことより、滝の息吹を感じようゼ」
妻:「そうね、結構キレイな滝だったのね」
俺:「うむ。万古渓谷のハイライトであるぞ」

「唐沢の滝」は、特にビデオ映像が映えますな。

娘:「でも、そうか。沢には、沢屋だけじゃなくて、釣師とかもいるワケだ」
妻:「沢によっては、きっと釣師の方が多いわよ?」
兄:「あるだろうなあ」
子:「ま、僕らは滝屋だけどな」

う~む。
滝屋…なのか?




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