08«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»10

Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

泥滝

子:「この滝、赤い泥壁に懸かってるように見えるんだけど……」
妻:「泥壁はないでしょ。もしそうなら、すぐ崩れちゃうから」
娘:「岩が、赤泥で染まっただけじゃ?」
兄:「つまりは泥滝ってか!」

池尻不動滝_その2
池尻不動滝(落差7m)・全景】  (新潟県十日町市池尻)

現場でみても、映像で見ても、泥っぽく見える池尻不動滝

本来は、もう少し黒っぽい滝のハズなのですが、
わたくしが観瀑した時、滝は、まさに赤泥色に染まっていました。

俺:「きっと、土砂の流出があったんだろう」
子:「まさかの土石流」
俺:「いやいや。田んぼの用水路みたいな川だったし、ソレはないと思うよ」
娘:「なら、どゆこと?」

恐らくは、滝の右岸側にある小山から流出した土砂が、
滝を洗ったものと思われます。

俺:「それが証拠に…」
子:「うん」
俺:「落差7mって聞いてたけど、実際は5mもなかったからね」
子:「そうか! 滝壺が、その土砂で埋まってしまったワケだ」
俺:「その通り」

滝が赤泥なのは、その時の名残に違いありません。

池尻不動滝_その1
【池尻不動滝・アップ】

兄:「今年の夏は、不順な天候が続いたし」
子:「池尻不動滝も、その犠牲になったか……」

国道沿いの滝ですし、
駐車場こそ無いものの、
滝見場にあたる国道脇のスペースは、綺麗に草刈りしてあったので、
観瀑に来る人は結構いると思われます。

妻:「だけど、少なくともわたしは、現地に行きたいとは思わないわ」
娘:「お父さんのビデオで充分だよね」
俺:「そうなのよ。だからまあ、なんとも不思議な滝だったわ」

ハイッと手を挙げる次男君。

子:「そういうことで、池尻不動滝を一言でまとめみよう!」
兄:「泥滝!」
娘:「泥滝!」
子:「泥滝!」


間。


子どもたち:「「「だよね~!」」」
妻:「……」

あれですね、
「里山で土砂に埋もれつつある泥滝」って感じで。




人気ブログランキングへ
↑こちらをクリック!
tb: 0 |  cm: 0
go page top

ロックオン!

ある日のこと。

夜遅くに、仕事を終えて家に帰ってくると、
娘がわたくしを待っていました。

娘:「お父さん、お帰り~」
俺:「あれ? えらい遅くまで起きてるな」
娘:「うふふふ~」

え……
なんや不気味なんですが。

今井不動滝前工事_その1
【今井不動滝・滝壺前工事】

妻:「食事は?」
俺:「外で済ませてきたよ。ちゃんとメールしただろ?」
娘:「じゃあ、大丈夫だね!」

スッと、わたくしの前に差し出されるソフト・ドリンク。

俺:「ジンジャーエール?」
娘:「はい、どうぞ」

うおお、モンブランケーキじゃん!

娘:「これも、あたしが作ったの」

こちらは、ショートケーキ!

娘:「これもね」

なんと、チーズケーキまで!

俺:「どうしたんだこれは? 明日は台風なのか!」
娘:「うふふふ~」

いや、
だから気味が悪いって。

娘:「え~、だからね、その~」
俺:「…食べていいのか?」
妻:「どうぞ」
娘:「え~とね…」
俺:「いただきま~す!」
娘:「これ、今年の夏の自由研究の成果なの」


ブフォッ!


今井不動滝前工事_その2
【今井不動滝前・沢を遡行する重機】

俺:「滝はどうしたの!」
妻:「あなたの今夏の予定がハッキリしていなかったので、変えたのよ」
娘:「テーマは、『お父さん好みのケーキを焼こう』だから!」
俺:「……」


間。


俺:「君も協力したの?」
妻:「うふふふ~」

この母娘らは……

妻:「で、ご感想は?」
俺:「うむ。とても美味しいです」
娘:「でしょでしょ~」

照れ照れする娘。

娘:「お父さんにロックオン!」




人気ブログランキングへ
やられました……
↑こちらをクリック!
tb: 0 |  cm: 0
go page top

イフの話

以前、次男君と「新潟県内の巨瀑」について語り合ったことがあります。

たいていの巨瀑は、わたくし如きでは到底訪瀑不可能な、秘境の彼方にあるのですが、
その中で唯一の例外と言ってよいのが、「ヨシオ滝」でした。

俺:「そういうワケで、行ってくる」
娘:「お父さん、頑張ってね!」
俺:「まかせろ」
子:「最高傑作の写真と映像を頼む!」
俺:「フ。当然」

ヨシオ滝_その1
ヨシオ滝(落差100m)・概観】  (新潟県糸魚川市小滝 『小滝川』

車止めのゲートを超えて、延々と林道を歩くこと、約2時間。
遂にたどり着いた「ヨシオ滝」は、
しかし、想像していたのと、ちょっと違っていました。

妻:「複雑な流れの滝ね」
兄:「変化に富んでると言えばいいのか?」
俺:「小滝川本流の浸食速度についていけない支流が、そのまま取り残され感じだからな」
娘:「急な沢なんだけど、急過ぎて、滝になってるワケだ」
子:「まさにソレ!」

ヨシオ滝_その2
【ヨシオ滝・最上部アップ】

子:「やっぱり、最上段の直瀑がスゲーな!」
兄:「ここがクライマックスだろ。後はイラネ」
娘:「そんなことない……こともない……ことも」
子:「どっちなんだよ」
妻:「こう、もうちょっと全景が見えるといいのにね」
兄:「ああ、木がジャマだわ~」

まあ、晩秋の落葉後に来てもよかったのですがね。
でも、きっと水量が減ってると思うよ?

子:「だな」
娘:「だね」

ヨシオ滝_その3
【ヨシオ滝・最下段部アップ】

俺:「そういうワケで、最高の写真と映像にはならなかったわ。すまない」

こう、
終ぞ、満足できるモノが撮れませんでした。

子:「滝姿自体、映えないタイプの複合瀑布だからねえ。仕方ないじゃん」
兄:「落差が100mもあれば、たいがいその間に、いろいろドラマがあるしな」
娘:「そうだよね。急流になったり、釜になったり、S字になったり、滑ったり」
兄:「だろ?」

確かに、華厳の滝みたく、「100mを素直に直瀑」ってのは、稀少な存在なのでしょう。

子:「だよねえ」
妻:「もし、ヨシオ滝が、100mの直瀑だったら?」


間。


娘:「間違いなく、日本三名瀑入り!」
兄:「百選の滝に選ばれただろ」
俺:「大人気の観光地になってるかな」
子:「でもさ……」

なんだよ?

子:「イフの話って、虚しいよね」




人気ブログランキングへ
↑こちらをクリック!
tb: 1 |  cm: 0
go page top

俺:「うむ、まさしくだな」

今井糸滝_その1
今井糸滝(落差50m)・概観】  (新潟県糸魚川市大谷内 『虫川渓谷』

今井キャンプ場のテント・サイトから見上げて、虫川右岸の側壁に懸かっているのが、
この「今井糸滝」
今井不動滝から100mほど下流です。

こう、各地の滝を訪問していると、よく出会う滝名があります。
わたくしの体感ですが、とくに「不動」の滝名は、全国で見かけます。
日本の名字で多いと言われている、いわゆる「佐藤さん」「鈴木さん」に当たるでしょうか。

他にも「大滝」とか「白糸」とかは、割と多いのではないかと思われます。

子:「うん、糸滝ってのは、白糸の滝の変化形だよね」
妻:「そうかもね」
娘:「そう言えば、天滝渓谷にも糸滝ってあったね」
子:「よく覚えてんじゃん」
妻:「あと、絹糸の滝とか白滝とかも、白糸の滝の変化形かしら」
娘:「あるある!」

キーワードは、「糸」「白」ってとこでしょうか。

今井糸滝_その2
【今井糸滝・上部アップ】

俺:「実際に滝を見上げてみると、この上部の斜瀑が、糸滝のハイライトなんだよな」
娘:「へえ」
子:「なんで?」

こればっかりは、説明のしようがありません。
「実際に、現地に行って見てみろよ」としか。

妻:「そういうの、映像では、なかなか伝わらないのよね」

今井糸滝_その3
【今井糸滝・下部アップ】

俺:「あえて言葉にしてみるとだな…」
子供たち:「うん」
俺:「糸滝の上部って、遠望だと、凄く続きが気になるんだ」
娘:「続き???」
俺:「そ。木々に隠れて見えない滝の下部がどうなっているのか、無性に知りたくなるんだよ」
子:「ナルホド」
俺:「ところが、実際に、滝下部に近づいてみると、期待したほど、何かがあるワケじゃないんだな」
子供たち:「フム」
俺:「のような流身は、遠景では美しく、近景ではショボくなる」
子供たち:「う~む」
俺:「そうして知るワケだ。『おお、糸滝って、上部こそがハイライトだった!』ってね」


間。


妻:「よく分かったような、分からないような……」




人気ブログランキングへ
↑こちらをクリック!
tb: 0 |  cm: 0
go page top

まさか

俺:「ま、まさか工事中とは!」

遠路はるばる訪瀑してみれば、
なんと、ハイシーズンに備えて、滝壺を工事中ではないですか!

俺:「ぐあ。完全に虚を衝かれた……」

今井不動滝_その1
今井不動滝(落差66m)・概観】  (新潟県糸魚川市大谷内 『虫川渓谷』

娘:「この茶色に濁った滝壺が、なんとも切ないね」
俺:「ああ……」
子:「なんの為の工事だったんだろ」

わたくしの見たところ、大型のショベルカーで滝壺を浚渫し、
その土砂の一部で、滝壺前の観瀑広場を拡張。
残りの土砂は、200m程下流の草地に移動させているようです。

妻:「土砂の移動って、どうやって?」

これが沢幅いっぱいの、巨大なキャタピラーを付けたダンプが、
滝壺と下流の草地の間を行ったり来たり。

俺:「これがまた、ガーガードガンドガンと凄い音を立てるんだよ」

今井不動滝_その2
【今井不動滝・最上段部アップ】

わたくしがすっかり諦めの境地でポヤ~ッと滝を見上げていたら、
工事を担当している主任さんと思しき方が声をかけて来られました。

主:「今日は観光でこられたんですか?」
俺:「あ、ええ。まあ、そうですが」
主:「地元の方ですか?」
俺:「いや、県外から来ました」

そしたら!

主:「おーい、今から10分休憩するぞ!」

主任さんの掛け声と共に、
滝壺から外側へ移動し、ピタッと止まる重機たち。

主:「折角だから、記念写真を撮ってください」
俺:「へ?」
主:「10分間ですけどね」

なんと、重機のエンジンまで止めて、
わたくし一人のために、撮影時間を作って下さったのです。
まさかの事態に、わたくし、大感激!

俺:「あ、ありがとうございます!」

今井不動滝_その3
【今井不動滝・上部概観】

娘:「へえ~、いい人!」
兄:「おやじ、ラッキーだったな!」
子:「そうか、やっぱりだねえ」

何がよ?

子:「滝好きに悪人なしってね!」

……。




人気ブログランキングへ
↑こちらをクリック!
tb: 0 |  cm: 0
go page top

プロフィール

インフォメーション

カレンダー

カテゴリ

今月の人気記事

リンク

RSSリンクの表示