緊緩の中道
2014/01/25 Sat. 00:05:00 edit
再び、中禅寺湖に向かって車を進めます。
娘:「うわ~、あっという間に雪が減った…」
子:「ちょっと山を下っただけなのにな」
そう。
ドライブレコーダーの映像でも、
湯滝では、雪による閉じ込めの恐怖を感じさせる積雪深だったのが、
竜頭の滝まで降りて来ると、
道路のアスファルトが、しっかりと剥き出しになっているのが分かります。
妻:「このくらいだと安心」
兄:「昔、裏見の滝に行った時くらいだろ」
子:「僕らでも行けるね」

【竜頭の滝(落差42m)・最下段部】 (栃木県日光市中宮祠 『地獄川』)
娘:「でも、やっぱり竜頭の滝は、雪景色より、紅葉の季節がいいと思うの」
兄:「うわ出たー!もみじ娘」
そうなのです。
うちのお嬢さんは、大の紅葉好き。
子:「うぷぷ。それ、桃尻娘って聞こえるし」
娘:「はあ?だれが桃尻よ!」
妻:「だ・か・ら、空耳でしょう?」
子:「これは、若葉姿も見てみたいねえ」
兄:「確かに、それは美しかろうぜ」
俺:「残念ですが、それは、我が家の滝協定・第四条に抵触します」
娘:「は?テイショク…?」
【滝協定・全四箇条】
第一条、父のお仕事の都合上、父が行ける範囲の滝で妥協します。
第二条、父が単独で出掛ける時は、証拠の写真(ビデオ)を撮ってきてください。
第三条、キレイな写真は、みんなで選んで、引き伸ばして家中に飾りましょう。
第四条、下見であろうと、一度行った滝は、再訪しませんよ?
子:「あれえ?こんなんだったっけ…」
兄:「最後の四条が怪し過ぎぃ!」
娘:「それも疑問形だし」
妻:「それは、既に破戒されてるからでしょう?」
娘:「は、ハカイ…」
兄:「それ、なんて島崎藤村だよ?」

【竜頭の滝・最下段部左岸側】
そして、画面が切り替わると…
子:「おお…」
娘:「ふわ…」
兄:「ふむ…」
ふいに訪れる沈黙。
娘:「いいね」
兄:「いいね~」
妻:「いいわね」
子:「だねえ。この左岸滝、冬らしくて」
兄:「まさに、真冬の静謐という言葉こそ相応しかろう」
娘:「…でも、紅葉には負けるけど?」
子:「いいからお前は、もみじから離れろよ!」
むむむ。
何だか知りませんが、この竜頭の滝、みなさんから好評のようです。
湯滝ほど冬冬していないので、わたくしとしては、イマイチなんですけど。
子:「いやいや、お父さん。あれだよ」
俺:「なんだよ」
子:「湯滝は、過ぎたるは及ばざるが如しってね」
お、上手いことを言う!
危険を冒してまで、冬景色にこだわるな、ってか?
子:「そ!」
娘:「じゃあ、竜頭の滝は?」
子:「緊緩の中道!」
……。
はい?
子:「つまり、琴は、弦を締め過ぎてもダメだし、緩め過ぎてもダメなんだ」
娘:「はあ…」
兄:「はあ…」
妻:「はあ…」
子:「程よく締められてこそ、いい音が出るんだよ」

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冬のリスク
2014/01/18 Sat. 00:04:00 edit
だんだんと積雪が増してきます。
俺:「げげげ。これ、大丈夫なんやろか…」
最近、新型になった我がベンツは、一応、冬用タイヤを履いてはいます。それも4WDで。
なので、大抵のことはなんとかなるハズですが…。
俺:「雪道の走行経験が少ないことが、最大の不安要素か…」

【湯滝(落差50m)・全景】 (栃木県日光市湯元 『湯川』)
雪勢は衰えることなく、その後も、積雪は増え続けます。
途中、動けなくなったFF車がJAFのお世話になっていたり、
車底を、あからさまに雪がサクサクと擦るようになったりと、
否が応でも、緊張感が高まってゆく。
そして湯滝の駐車場に着く頃には、雪の深さは、なんと30cmを超えていました。
俺:「お陰さまで、あのバカ高い駐車場が、フリーでとめられたんだけどね」
湯滝の映像を見ながら呟くわたくし。
兄:「いやいやそいうい問題じゃないだろ、これ」
娘:「そう!お父さん、そいういう危ないことは止めて?」
俺:「ちゃんと無事に帰って来ただろうが」
子:「そうじゃないよ!」
急に口調を強める次男君。
子:「こういうのを見ると、おやじって、普段からこんな無茶してるんじゃないかって、みんな心配するんだよ!」
妻:「……」
う…。
むう。確かに、そうなんだけど…。
そうなんだけど!
う~む。
子どもたちの指摘には一理も二理もあって、苦しいわたくしの立場。

【湯滝・上部アップ】
俺:「しかし、リスクを冒さなければ、冬季の滝は撮影できないぞ?」
もともと、オリジナル・カレンダー作成用に、冬場の滝写真が欲しいというところから始まった話です。
そこを突いてみるわたくし。
俺:「冬の美しさを写すためには、それなりの代償が要る」
娘:「それは…そうかも知れない…」
いや、どう考えてもそうでしょ。
俺:「だって見ろ、この映像美」
次々とテレビに映し出される、雪景色の湯滝。
滝音だけが響き渡る静寂。
俺:「それだけの対価を払っているからな」
子:「そう、至福の冬空間なんだよなあ」
兄:「確かに荘厳ではある」
娘:「キレイなんだけどね…」
妻:「……」
ふと、妻と視線が合います。
俺:「なんだい?」
妻:「別に、あなたがリスクを冒すくらいなら、冬の写真なんていらないわ」
沈黙。

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豊秋津洲
2014/01/15 Wed. 00:03:00 edit
これまでも、【このままであれば】ということで、いくつか小ネタを取り上げてきました。
そのうち、国防方面については着実に手が打たれおり、当初小ネタを取り上げた時とは違って、随分と良い方向へ変わっています。
ただ、経済方面については、さほど状況が変わっておらず、今後が危惧されます。
【壱】
順調そうに見える「アベノミクス」だが、【このままであれば】、「消費税増税」が一つのターニング・ポイントとなって、日本経済は、いよいよ不況へと転落する可能性が高まってきた。
「このままであれば」 2013.01.02.エントリー
【参】
谷垣前総裁時代に合意してしまった「消費税・増税」。
予定通り8%へ増税が実施されれば、2014年4月より、日本経済はほぼメルト・ダウンする。試算では、3社に1社しか生き残れない熾烈なデス・ゲーム。
増税の度に不況を起こし、結局において税収を減らし続けている某省。経済沈没の責任追求は、政治屋(自民大敗)やマスゴミ(倒産)だけでなく、官僚自身(解体・リストラ)にまで及ぶことに。
【肆】
原発停止の穴を埋めるべく、現在、燃料輸入に百億円/日が使われている。しかも、円安でどんどん買取単価が上がっている。これでは日本の電力インフラが持つはずもなく、近い将来、電力料金は今の2倍以上にならざるを得ない。
マスゴミにおもねって原発を止めている間は、経済成長分が、すべて電気料金で食い潰されるという構図。
アベノミクスはインフレ指向なので、基本的には、経済を活性化させる力を持っている。
しかしこれは、原発を再稼働させ、消費税増税を止めなければ成り立たない話。

【乗鞍岳(3026m)遠望】 (岐阜県高山市丹生川町岩井谷 『剣ヶ峰』)
【弐】
アベノミクスが危うい最大の理由は、財務省(≒麻生)ライン。ここの経済政策が、社会主義的発想に基づいているため。
安倍政権も、発足当初は、減税等、自由主義的な考え方だったが、次第に、財務省ラインに“乗っ取られて”しまった。この弊害が、このままであれば、いよいよ発動するということ。
彼らの考え方は、国家主導による財政再建ありき、増税ありきであり、その本質は、計画経済と同じである。
しかしながら、景気そのものが良くならない限り、税収は増えない。そしてこの考え方は、結局、自由主義的な発想からしかしか生まれない。
【参】
同時に、中国共産党、韓国、北朝鮮の動きに要注意。
中共では、習近平と李克強の内部抗争が激化。地方行政の崩壊、人民解放軍反乱の兆し、局地戦争の危機など、国家瓦解へのカウント・ダウンが始まっている。
韓国では、中国寄りの戦略では国家が滅びることが、全韓国民に明らかとなりつつあり、今後、日本への「擦り寄り」が始まる。
北朝鮮では、中共の混乱を突いて、東アジアでのイニシアティブを奪おうとする野望が顕在化する。
どうか、この日本豊秋津洲が、様々な内憂外患を排し、世界の繁栄の発信基地となることを、心より願うものです。

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冬の厳しさ
2014/01/11 Sat. 00:02:00 edit
そうなのです。
以前に華厳の滝を訪れたときに観瀑したテラスへ行こうとしたら、
子猿を引き連れた、五匹ほどの猿の群れに遭遇してしまったのです。

【日光の猿(群れのボス)】
妻:「また、随分と凄んでるわね」
娘:「怖い…」
映像越しに、
すぐ近くで、駐車場の整備員さんが、ゴミ箱の清掃をしている音が聞こえています。
なのに、いっこうに怯む様子のない猿たち。
あの~、そこをどいてくれないと、
わたくし、観瀑テラスに行けないんですけど。
子:「こいつら、ゴミのおこぼれに与ろうとしてるんだ」
兄:「で、ボスが、群れを護るために盾になってんじゃね?」
この猿たち、
観瀑テラスへ続く階段の欄干上に、ずーっと陣取ったまま。
テコでも動く気配がありません。
俺:「あっはっは。ボス猿と戦って勝てる気がしないし」
娘:「あたり前」
泣く泣く高い料金を支払って、エレベーターで下り、
下の有料観瀑テラスで華厳の滝を見ることにしたのでした。
俺:「お陰さまで、昼飯代が消えたわ!」

【涅槃の滝(落差20m)・鳥瞰】 (栃木県日光市中宮祠 『華厳渓谷』)
この「涅槃の滝」、
前回の訪瀑では見ることのできなかった滝です。
俺:「下の観瀑テラスで、上から覗き込むしか、方法がないからな」
子:「それでも、初観瀑なんだから、これはこれで良かったじゃん」
娘:「でも、上からじゃ、迫力に欠けるね」
子:「しゃーないって。滝前なんてムリ。昔は、遊歩道があって、行けたらしいんだけど」
娘:「へえ。今は?」
子:「頻繁な落石のせいで、通行止めだって」
「涅槃の滝」は、華厳の滝の170mほど下流にあって、前衛滝の様相を呈しています。
滝の周りは、ガッツリと柱状節理の岩壁に囲まれていて、
冬の厳しい天候のもと、その荒々しさが一層際立っている…。
妻:「日光の冬の厳しさって、生半可じゃないでしょ?」
俺:「そうね」
兄:「猿にすりゃ、人里の方が、餌を確保しやすいってか」
厳しいとは言っても、わたくしが行った時期は、まだ冬の初め。
厳冬期になったら、
それこそ、わたくしでは、近づけないのではないでしょうか。
俺:「ブリザードなんかになったら、余裕で遭難する自信があるわ」
娘:「はあ?地元に暮らしてる人はなに?」
俺:「吹雪は怖いぞ。勘弁してくれ」
子:「じゃ、お前が行けばいいだろ」
娘:「ふん。のぞむところ!」
兄:「猿に会いたくて、仕方がないよ~ってか?」
娘:「なにそれ?」
兄:「照れるなよ。仲間だろ」
ドスッ!
娘:「あっ!」
子:「あ…」
兄:「あ…」
妻:「あ…」
な、な、な……
娘:「ごご、ご、ごめんなさい!」
わたくしのお腹にめり込む
娘のこぶし。
俺:「なんで……俺が……」

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娘、カラテを習い始めました…
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自分で作ってみようか?
2014/01/04 Sat. 00:01:00 edit
子:「なんで、そんなことを聞く?」
娘:「だって、ほら、廊下に華厳の滝の写真がないからさ」
我が家では、わたくしの撮影してきた滝の写真が、廊下にズラーっと飾ってあります。
どれもこれも、家族会議で承認された、厳選された傑作ばかり。
娘:「うん、確かに傑作もあるかも知れないけど…」
あるかも知れない…って、
どう見ても、傑作だろ!
お嬢さん、何気に失礼なことを言ってますな。
娘:「やっぱり、華厳の滝って、日本の三大瀑布じゃん」
俺:「むかし撮ったんだけど、家族会議で却下されました」
間。
娘:「じゃん…」

【華厳の滝(落差98m)・全景】 (栃木県日光市中宮祠 『華厳渓谷』)
実は、先般のこと!
わたくし、新年の滝カレンダーを買おうと思って、ネットやら書店やらを探しまくっておりました。
ところが、
本年は滝カレンダーがまったく出ていなくて、
店:「滝のカレンダーですか。見かけませんね」
俺:「ホントですか。参ったなあ」
店:「敢えて挙げれば、コレですけど」
俺:「え~と、葛飾北斎・諸国瀧巡り・全八図………」
わたくしが求めていたものとは違う……

【華厳の滝・全景】 (明智平より遠望)
子:「それなら、お父さん。自分でカレンダー、作ったらいいんだよ」
そこへ、次男君から絶妙なアドバイス!
俺:「それだ!」
子:「僕なら、1月はコレにするし、2月ならコレかな…」
廊下の傑作写真を指さしながら、早速、候補を挙げていく次男君。
子:「あ、でも、これだと、冬の写真が少ない」
俺:「うむ」
子:「お父さん、撮りにいったら?」
俺:「う~む」
冬の滝姿を撮影するとなると、
自動的に、候補が、近場の観光滝に限られてきますな。
娘:「でもでも、せっかくカレンダーにするんだから、メジャーな滝じゃなきゃね!」

【華厳の滝・遠景】
というワケで、
冬の装いを始めた華厳渓谷を訪れてみたのでした。
俺:「おのれ、リベンジ!」
ところが!
そこに、わたくしを阻むものが!

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謹賀新年
2014/01/01 Wed. 00:00:00 edit
旧年中は、拙ブログにご訪問下さり、まことにありがとうございました。
本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【日光富士(男体山)】 (栃木県日光市中宮祠)
Waterfalls in Japan

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