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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

蛇谷の主

子:「ぼく、『姥ヶ滝』って、もっと滑滝っぽい感じだと思ってた」


姥ヶ滝(落差111m)・全景】  (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

そもそも「姥ヶ滝」というのは、その滝姿が、老婆が髪を振り乱したように見えるところから、付いた名だそうですが…

子:「だって、どう見たって、老女が白髪を振り乱すレベルを超えてるよ!」

老女って…

兄:「これは、ズバリ白竜だな!」
子:「いや、昇竜だろ!」
娘:「暴れ竜だよ!」

そう!
法面のあちこちを瀑水が跳ね跳んでいる様は、まさに竜の如く!

妻:「つまり、凄いってことね」


【姥ヶ滝・上段部アップ】

「姥ヶ滝」の対岸正面には、混浴の露天風呂「親谷の湯」があります。

しかし、ゴウゴウと滝の飛沫が温泉まで飛んでくるので、
その日は、ゆっくりお湯につかっていられるような状況ではありませんでした。

瀑音しかしない、人気の無い滝前で、
ズブ濡れになりながら、ひたすら「姥ヶ滝」をカメラに収めるわたくし。

妻:「温泉に入れなかったなんて、残念だったわね」
娘:「お父さんしかいなかったんだから、入っちゃえばよかったのに」

妻と娘は、大の温泉好き。

俺:「いやしかし、カッパを脱いだが最後、全てがびしょ濡れになるんだぞ?」
妻:「まあ、そうでしょうけど」
俺:「その後ずっと濡れ濡れってのは、風邪をひくだけだろ」
娘:「そこで敢えて入るからこそ、思い出になるじゃん」
俺:「全力でお断りします」
娘:「ショボ~」
俺:「それに、いつ誰が来るかも分からないところで、裸族になるのは、抵抗があるぞ」
娘:「そうか…。それは問題だ…」

最近、お嬢さんらしく、恥じらうようになった娘。

娘:「だからって、水着で温泉入るなんて、ありえないもん」
俺:「そうだけど、しかし、俺様の肉体美を、敢えて世間様にお見せする必要だってないもん」
娘:「に、肉体美?」

沈黙。

子供たち:「「「オエェェェ」」」

まったくもって失礼な奴らです。


【姥ヶ滝・遠景】

妻:「つくづく不思議な形をした滝ね」
子:「滝って、水流が多いほどスゴくなるけど、特に、この『姥ヶ滝』は別格だと思うんだ」
兄:「まあ、百選に選ばれたってのも分かるわ」
娘:「だね!」

子:「『姥ヶ滝』こそ、蛇谷の主!




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ドラえもん

小親谷(こやたに)出会いに懸かる「小親谷の滝」が、
まるで称名滝の如く、両門になっている瞬間に、立ち会うことができました。

子:「これ、凄いね~」

小親谷の滝_その1
小親谷の滝(目測落差10m)&無名滝(目測落差40m)・全景】  (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

小親谷の左岸(右側)に流れ落ちる枝滝、ザッと見て、落差40m位はあるんじゃないでしょうか。
二つの滝が滝壺でドウドウと出会う姿は、まさに一大スペクタクル。

しかし、これだけの魅力と迫力がありながら、次男君の滝本には、「小親谷の滝」は載っていませんでした。
ネットで検索しても、本滝である「小親谷の滝」自体、チョロチョロした水流の写真ばかり。それが、通常の「小親谷の滝」の姿のようです。
ましてや、左岸枝滝の写真なんて、ほぼ皆無。

俺:「う~む。百年に一度というのも、あがなち大げさではなかったのかも知れんな…」

娘:「ねね、とっておきの宝物を発見したみたいだね」
子:「百年に一度。それを人はロマンと言う」
妻:「あなたたち滝好きの熱い思いが、天に届いたんじゃない?」
兄:「お母さんだって滝好きなクセに、『あなたたち』はないっしょ~」


【小親谷の滝・本滝アップ】

兄:「だけどさ、写真の滝の水が白く飛んじゃってるのがドンマイだな。お父さん、また、PLフィルターを忘れたとか?」
俺:「んなワケだいだろう。肉眼だと、もっと白かったぞ」
子:「水量が多いから、余計に白く見えるんだよ」

最初は、滑滝の上をゆっくりと流れ落ちてゆく瀑水。
それが最後に、ドドドッと巨岩の手前に「突き刺さる」様は、なんか、竜頭の滝を彷彿とさせます。

妻:「滝壺をふさぐようなこの大岩が、また、独特だわね」
娘:「あたしは、この岩、無い方がいいと思うな」


【小親谷・遠景】

子:「小親谷奥の左上に、チラッと観えているのは、何て滝?」
俺:「位置からすると、小親谷左俣大滝…か…な…?」
娘:「お父さんが、自信無さげだ」

そうなのです。
もう少し詳しい山岳地図とか、あればいいのですが…

子:「沢登りしたら、分かるんじゃないかな」
俺:「はあ? こんな濁流登れんわ。アッと言う間に名前が変わっちまうぞ、土左衛門ってな」

首をかしげる娘。

娘:「…ドラえもん?」
みんな:「違う!」

「土左衛門」という言葉を知らないお嬢様でした。




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新旧対決

子:「でさ、古からの名前である『五重の滝』と、新しい名前である『かもしか滝』、どちらが相応しいと思う?」

夕食の時間が近づき、家族がテレビ前に集合してきました。
しかし、観ている内容はテレビ電波ではなく、当然の如く、わたくしの撮ってきた滝映像

何というか、我が子たち、健全なんだかそうでないんだか…。

兄:「それだけじゃ、よく分かんないぞ。もう少し、名前のイワレとか詳しく教えろよ」
子:「そうだな~」


かもしか滝(落差40m)・上段部アップ】 (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

子:「例えば、滝の最上段の、この岩の色」
娘&兄:「うん」
子:「えも云われぬグリーン色をしているじゃん」

画面に見入る兄妹。

娘:「…かな」
兄:「…微妙じゃね?」
子:「大雨後の濁流で、滝の水は土砂の茶色に染まってるのに、この岩はグリーンに観えている。ここがポイントなんだよ」

確かに、緑っぽく観えるかも。
次男君に言われて、わたくし、初めて気が付きました。

子:「ここで、キミたちに、超能力を発揮してもらおうか」
娘:「うわ、ウザ」

子:「普段のこの滝には、透き通るような清水が流れ落ちている。その時、このような不思議な色をした岩があると、滝水は、どのように観えるだろう?」
兄:「なるほど、そうか!」
子:「そう、いくつも色彩が重なって観えるんだ」
娘:「だから、『五重の滝』なのか~!」
子:「ピンポ~ン!」

おいおい、ホントかよ…


【かもしか滝・全景】

兄:「まあ、『かもしか滝』という名は、見ての通りだろうし」
娘:「何段にもなって、飛んで跳ねてるから」
子:「だね」

それ、違うから。
付近のかもしかの個体密度が日本一だから「かもしか滝」なんです。


【かもしか滝・看板】

娘:「でもさ、『かもしか滝』って、観光用の名前なんでしょ?」
子:「それは……どうなの? お父さん」

そこでわたくしに振りますか。

俺:「そんなこと知らんわい。ただ、滝前の看板には、ハッキリ『かもしか滝』とありました」
子供たち:「うん」
俺:「これが正式名だろ」

沈黙。

兄:「いや、だからそれじゃ、話がループして戻るだけだし!」
俺:「なら、結論はひとつ」
子供たち:「うん」
俺:「おまえらの直感で、好きな名で呼べば?」

沈黙。

子:「五重の滝」
娘:「五重の滝」
兄:「五重の滝」

沈黙。

兄:「やっぱ、『五重』だろ」
娘:「『五重』の方が、虹っぽくて明るい」
子:「フハハハハハ『五重』
俺:「…」

誇らしげに胸を張る次男君。

子:「勝った」




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残念

子:「岩底の滝(かまそこのたき)って、落差30mになってるよね?」
俺:「おう。間違いなく30mだな」

次男君の滝本をチェックしながら答えるわたくし。

子:「くっそ~。こういうところが、残念なんだよ

…って、何がですか?

子:「岩底の滝と、すぐ上の連瀑帯、明らかにつながってるじゃん」
俺:「そうかなあ?」


岩底の滝(落差30m)・遠景】 (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

子:「これ、一つの滝として見たら、軽~く落差50mを超えるだろうに。なんで、わざわざ小さく考えるんだろう。もったいなさ過ぎだよ」
俺:「ええ? 樹木に隠れてよく見えないし、一緒にするのは無理がないか?」

じっと見つめ合う次男君とわたくし。

子:「…はあ~、ここにも小市民がいたし」

ちょっと待て。

俺:「おい。お前、それ、意味分かってるんか?」
子:「もちろんだよ」
俺:「言ってみ?」
子:「ふ。小市民ってのはね、せせこましくて、一生ウダツの上がらない残念野郎…」

急に言い澱む次男君。

子:「…えっと。お父さんは、残念野郎じゃないデス…」
俺:「あ、そう」
子:「シンク・ビッグ! シンク・グレート!」
俺:「あ、そう」
子:「さ、さあ、大きく生きてみようぜ!」

…。


【岩底の滝・アップ】

俺:「滝って、落差が全てでもないと思うけどな。見ろよ」

岩底の滝
の、この凄まじい水量。叩き突けるような瀑水。

俺:「確かに、落差はないし、小さいかも知れん。だけど、蛇谷の名のある滝の中では、最大の轟瀑の一つじゃないか?」
子:「水量が一番多そうだし」
俺:「そうそう。で…」

思わず腕組みするわたくし。

俺:「誰が残念野郎だって?」
子:「え? や、それはだから、小さくても、何かスゴイところがあれば、もはや残念じゃありません。うん、残念じゃない」
俺:「ほう」
子:「それが、今日の学びデス」

つまり…

俺:「それだと、『父は残念ではない。しかし小さい』。そう、言っていることになるんだが…」
子:「は?」

子:「いや、お父さんは、岩底の滝じゃないよ?」




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愛だ!

子:「ボク、この滝名が知りたいんだけど、お父さん分かる?」
俺:「いや、分からん」


三味線の滝上流側の無名滝(目測落差60m)・概観】 (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

三味線の滝すぐ上流側にある沢に、堂々たる姿で懸かっている、この60m滝
登山系書籍や同人系の会報など、色々と資料をひっくり返してみましたが、しかし、終ぞ沢名すら分からず。

俺:「もしかしたら、普段は水が流れてなくて、雪解けや大雨後にのみ現れるヤツかも」
子:「やっぱそうなのか。こんなに迫力あるのに、もったいないな~」


小親谷下流側の無名滝(目測落差70m)・主部】

大雨後の蛇谷には、沢の出会いに、必ずと言っていいほどが懸かっているのですが、
それはきっと、蛇谷本流の浸食の凄まじさを物語っていて、
浸食が本流に追いつかないショボ沢であればある程、高所から滝をかけているイメージ。

その中で、特に存在感のある巨瀑だけが、固有名を戴いているという感じでしょうか。
そして名のある滝は、どれもこれもが百選滝レベルの秀瀑揃い。

一部で自然破壊の象徴として悪名高い白山スーパー林道ではありますが、
しかし、わたくしのような素人の滝好きには、ここ蛇谷は、林道がなければ決してお目にかかることのできないであろう美瀑・秀瀑・巨瀑宝庫


親谷上流側のスラブ無名滝(目測落差80m)・主部】

子:「お父さん、前に、神様の神秘を知りたいと願うのは、人間の本能だって、教えてくれたよね」

そう言えば、そんなこともありましたな。懐かしい…

子:「だから、白山スーパー林道は、蛇谷の神秘に迫りたいボクらに、ピッタシじゃん?」
俺:「そうだな」
子:「だから」
俺:「おう」
子:「白山スーパー林道を造った、昔の人の勇気と熱意に、ボクは感謝を捧げようと思う」

は?

子:「こんな険しい渓谷を、林道拓いて、みんなに観てもらおうなんて、蛇谷を愛していないとできないよ」
俺:「あ、いや、そりゃ、そうかも知れんが」
子:「愛だ!」 (変なポーズ)

あの、え~と…

子:「蛇谷渓谷へのを感じるんだ」
俺:「…」

子:「ありがとう。そして、ありがとう」



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そのセリフが言いたかっただけなんじゃ…
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百年に一度

大雨後の白山スーパー林道

男:「こりゃあ凄い。この時期、アカチの滝がこんなになるなんて、今まで見たことないわ」

わたくしが路上から三味線の滝を撮影していると、石川ナンバーの車が目の前で停まり、関西弁の男性の方が降りてきて、喋りかけるともなく話し出しました。

白山市に住んでおられるその方は、仕事上、岐阜・白川方面によく通われているそうで、急いでいる時に、たまに白山スーパー林道を利用されるそうなのです。

男:「ああ、アカチってのは、この滝の元々の名な?」


三味線の滝(落差50m)・全景】  (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

男:「ホンマ凄いわ。いつもなら、しょぼい水流が三本に分かれるんやけどな…」

そう言えば、次男君の愛読書でも、キレイに三分流している写真が載っていたような…。

俺:「今日は、特別だということですか?」
男:「せや。百年に一度のラッキー・デーやで!」

百年に一度って、大げさな…

アカチの滝_その2
【三味線の滝・アップ】

子:「アカチっていうのはね、『赤石』って書くんだよ」

いつもの如く、ビデオ映像を観ながら、次男君のご解説。

娘:「へえ。滝の岩が赤いから?」
子:「そう」

ビデオ映像からも、蛇谷渓谷を流れ下る濁流の音と、そこに注ぎ込む三味線の滝のスケール感が、充分に伝わってきます。

妻:「でも、この姿は百年に一度で、普段はもっと穏やかな訳でしょう?」
俺:「そういうことになるな」

通常の姿がわからないわたくしたちにとって、逆にそれは、次男君の愛読書などを参考にしながら、イメージを膨らますしか術がありません。

妻:「この映像を観てしまった後で、いつもの姿の滝を観瀑すると、がっかりしちゃうのかしら」
俺:「そう考えると、百年に一度ってのも、善し悪しかなあ」
子:「そうじゃないよ!」

いきなり立ち上がる次男君。

子:「どんな形であれ、奇跡の瞬間に立ち会えることが、凄いに決まってるだろ!」

妻&俺:「!」



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それはそうだ…
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濁と清

俺:「これはアタリだあああ!!」

道の対岸に掛かる滝を見ながら、誰もいない路上で、ひとり雄叫びを上げるわたくし。


シリタカ滝(落差100m)・下二段】  (石川県白山市中宮 『白山スーパー林道』

大雨のため、白山スーパー林道は通行止めの可能性も充分にあったのですが、敢えてリスクを負って、突っ込んで来た甲斐がありました。

もう、凄い水量で、「シリタカ滝」の迫力が半端ない!

谷の屈曲部の先に隠れている、見えない奥の滝の飛沫まで、モウモウと上がっているのが見えているじゃないですか!

そしてまた、蛇谷自体のスケールが、半端ありません。

大雨後の蛇谷には、あちこちに滝がかかり、まさに滝だらけ
それは、わたくしたちのささやかな滝見の経験則からすると、「これ、絶対名前が付いているだろ」というレベルの滝が、どれこもこれも、ただの無名滝でしかないのです。

俺:「ここでは、圧倒的な存在感がなければ、固有名をもらえないのか!」


【シリタカ滝・最下段落口アップ】

子:「う~ん、迫力はあるけれど…」

と、映像を見ていた次男君。

子:「…水が濁ってて、奇麗じゃない」
俺:「そりゃ、仕方ないわ」

滝の「水量や迫力」「水の濁り」は、いわば、正比例の関係にあります。

俺:「迫力の濁流滝を選ぶか、清流のショボ滝を選ぶか。それこそ、究極の選択だろ」
子:「そうなんだよな~」

腕を組んで考え込む次男君。

子:「…眺めるなら、迫力滝。飛沫を浴びるなら、清流滝かな」
俺:「じゃ、決まり」
子:「だね」

子:「シリタカ滝は、迫力滝でオッケー」



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