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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

強烈

20年ほど前、妻とまだ恋人時代だった頃に、那智の大滝・別宮飛瀧神社を訪れたことがあります。
今回は、久々の再訪だったのですが…

俺:「…雰囲気が、なんか荒れてるな…」
妻:「…寂れたのかしら…」
俺:「いやしかし、まがりなりも、日本の歴史を支えて来た神道の聖地だぞ?」

あまりの印象の違いに、夫婦そろってビックリ。
特に、お土産物店街が、精彩を欠いているように見えて仕方がありません。

俺:「俺らが歳を取ったのだろうか…」


那智の滝(落差133m)・全景】  (和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山)

客:「いや、そうじゃねえな。自分らが言う通り、ここは弄られ過ぎたわ」
俺:「はい?」

どう見ても、行きずりの観光客としか思えないおじさんが、突然、わたくしたちに話しかけてきました。

客:「去年の今頃は、シナの連中が、列なして観光に来おったで」
俺:「はあ…」
客:「けど、尖閣諸島の一件以降、パタッと止んだわ」
俺:「はあ…」
客:「あとに残されたのは、見ての通り、すっかり傷んじまった霊場よ」

あの、そんなこと言われても、わたくし霊感なんかありませんし。
だいたい、傷むって…なに?

客:「わからんかな。シナは、この日本を侵略に来てるのよ」
俺:「はあ?」

おじさん、いきなり話がブッ飛び過ぎだろ!


【那智の滝・中段の飛沫】(次男君撮影)

その妖しげなおじさん曰く…

明治維新以降、植民地化などの苦渋を舐めさせられた中国人・朝鮮人たちは、もっぱらそれを第二次大戦時の日本の所為にし、日本を恨むことによって、自国民のアイデンティティを維持してきたのだそうです。

客:「反日教育ってヤツな」

その恨みは半端なく、中国に到っては、2050年までに日本を侵略・滅亡させ、植民地化する計画まで立てているのだとか。

客:「ウソだと思うなら、『東海省』と『日本自治区』で検索してみな」
俺:「はあ…」
客:「その様子じゃ、シナの李鵬が、『日本は消えて無くなる』と言ったのも知らんやろ」

知るわけないです。
…っていうか、話についていけない…

客:「今、日本の神社なんかが、次々と外国人に乗っ取られてる。日本神道を崩しに来ているワケだ。シナの連中が、那智に大挙して来てたのも、その一環だわな」
俺:「はあ…」
客:「ちなみに、こんなこと、マスゴミは報道せんからな。報道テロってやつよ」

なんと言うか、返す言葉のないわたくし…

客:「お、そろそろ帰るわ。じゃあ兄ちゃん、またな」


【那智の滝・落口】

妻:「うわあ、強烈だったわね、今の人」
俺:「関西人って、みんな、あんな風なのか?」
妻:「そんなことはないと思うけど…」

滝前で、妻とボソボソと話しているところへ、次男君。

子:「ねえ。なんだったの、あのおじさん」
俺:「関西人」
子:「ふーん」

次男君、今の答えでは納得できないって顔。

子:「どんな話をしたの?」
俺:「侵略の話」
子:「ふーん」

腕を組んで、大きく頷く次男君。

子:「よくわからん」



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速報!

俺:「おまえ、どうしたんだ! 凄すぎるぞ!」

思わず、驚嘆の声を上げるわたくし。
なんとまあ、まだ、夏休みも始まっていないというのに、次男君、今年の夏の自由研究を仕上げてきたのです。
あと、滝の写真を貼るだけになっている!

いやはや、これは…。

俺:「…って、ちょっと待て。おまえ、今年の夏は、これらの滝に行けってことか?」
子:「ピンポ~ン」
俺:「ピンポンじゃねえだろ!」

あははは! なんてこと。

この夏は、東北方面の巨瀑巡りを考えていたのですが、
次男君の自由研究を見ると、なんと紀伊半島の滝ばかり。

俺:「なんじゃこの想定の斜め上を行くラインナップは!!」


宝龍滝(落差105m)・遠望】  (和歌山県新宮市熊野川町瀧本)

本日は夏休みの初日。

そうなのです。
早速、来てしまいました!

わたくしって、子供に甘いなあ。

なんと申しますか、昨晩のうちに家を出て、真っ暗な極細の山道をハラハラしながら通り抜け、朝一番で和歌山県にある「宝龍滝」に到着。

俺:「お~い、おまえら、着いたぞ」
子:「う~ん…」

家族みんなを揺すって起こそうとしますが…。
だめだ。
全員死んだように寝ているぜ。

仕方がないので車を道路わきに止め、次男君だけ叩き起こして、観瀑に向かいます。
向かったのです。
向かったのですが…

子:「お父さん、ここ、通行止めになってる!」
俺:「ガーン」

立派な宝龍滝の看板とは裏腹に、観瀑所の入口道には、「関係者以外立ち入り禁止」のゲートが。

俺:「…まあいいや、行っちゃえ」
子:「…」

完全に自己責任ということで、入らせていただきました。

まあ、土石流の爪痕が残っていたりと、山は随分荒れていますが、
歩くには問題ないんじゃなイカ?
あくまでも「完全に自己責任」ということではありますが…。

子:「あのゲートは、車で入るなって意味だったんだよ」

そうだな…そういう事にしておこう…。


【宝龍滝・一の滝(落差51m)】

昔は、「一の滝」の横に鉄ハシゴがあって、奥の「二の滝」滝壺まで行けたようなのですが…
転落事故でもあったのでしょうか。
今では、すっかり取り払われています。

子:「あの、崩れたような木道が、昔の名残なんだね」

残念ながら、今日は「一の滝」の滝壺を覗き込む所まで。


【宝龍滝・正面から】

子:「ふう」
俺:「満足したか?」
子:「おう!」

現地、「宝龍滝」より、速報でした!



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新・滝の条件


濃い緑。
梅雨も明けて、本格的な夏の到来を、肌で感じさせてくれる樹木の息吹。

妻:「あれは何だったけ? ほら、人をリラックスさせてくれる成分…」

人をリラックスさせる?

俺:「…それ、森ならフィトンチッドだし、滝ならマイナスイオンだろ?」
妻:「そうそう。それそれ!」

権現沢に掛かる橋の上から、上流の小滝を眺めながら、深呼吸する妻。

妻:「ここは、その両方に満ち満ちている感じね」


権現沢(沢にかかる橋の袂から)  (長野県須坂市米子 『権現沢』

冬になると、数えきれないほどの氷柱が掛かるとあって、雨後の米子大瀑布には、いくつもの「水の滴れ」というか「落差のあるショボ滝」というか…こう、表現に困るのですが…が、そこかしこで発見できます。

妻:「あそこもきっと、大雨になると、滝になるんじゃないかしら」
俺:「そうだろうな」
妻:「きっとタマらないわね」
俺:「何がよ?」
妻:「あなたみたいな滝好きには」

ちょっと待て。あなただって、滝好きでしょうが!

妻:「てへ」

あ、娘のクセが染ってる…


米子大瀑布・黒滝(落差90m)・全景】  (長野県須坂市米子 『米子川』

俺:「う~む。何と言っても、米子大瀑布・衛星滝群のハイライトは黒滝だろう」
妻:「あの滝が…」
俺:「なにか異論でも?」

妻が思案げな様子。

妻:「う~ん。彼に聞いたら、どんな風に答えるかしらね」

彼? ああ、次男君のことね。

俺:「全力で肯定すると思うよ。やつは落差至上主義だからな」
妻:「へえ。どれくらいあるの?」
俺:「公式データでは、90m」

沈黙。

俺:「なにか問題でも?」
妻:「やっぱり微妙なんじゃない? 『なんだ、100mないのか』って幻聴が聞こえたわ…」
俺:「そうかなあ。米子大瀑布群で、最大の落差を誇っているんだぜ?」
妻:「あれで?」
俺:「そう、あれで」

沈黙。

俺:「実は、お前自身が、微妙って思ってるだけなんじゃないの?」

何か閃いた様子の妻。

妻:「そうか。いま、謎が解けたわ!」
俺:「何が?」
妻:「つまりね、いま一つ感じられないの」
俺:「…だから、何がよ?」
妻:「マイナスイオン

…確かに。水量が少ないしなあ…。

妻:「きっと、わたしにとっての滝の条件なのね」
俺:「マイナスイオンが?」
妻:「そう。あと、フィトンチッド。この二つが揃ってこそ、滝って感じ」

なるほど…。
まあでも、何となく、その発想自体、次男君に似ている気がします。
やっぱり母子なんだなあ…と。

妻:「あ、でも、険しい滝は禁止です



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例外

滝を見つめたまま、ずっと立っている妻。

俺:「無理やりだけど、連れて来てよかった…」

先般、米子大瀑布を訪問した際には、悪天候に阻まれ、観瀑所まで行きつけなかったのですが、
今回は見事な晴天に恵まれました。

米子大瀑布_全景
米子大瀑布・概観】(携帯にて妻撮影)  (長野県須坂市亀倉 『米子川』

米子大瀑布の観瀑所は、非常によく整備されていて、
いわゆる登山道を抜けてくると、突然、視界が開け、林道とでもいうのでしょうか、車の轍が残っている砂利道に飛び出ます。

左側に米子大瀑布見つつ、右側には、造成したての土手。
それはしっかりと土留めが施されていて、あたかもどこぞの公共運動場のよう。
樹木が切り払われているので、眼前には、不動滝権現滝が一望できる一大スペクタクル

俺:「おおお…大瀑布の名に相応しい…」


【米子大瀑布・不動滝(落差85m)・全景】

土手を右手に坂を登り詰めると、頂上には、東屋のある芝生広場
ここの高麗芝、結構、手間がかかっているのが、
芝の深さや密生具合、雑草の少なさからも、容易に想像が付きます。

わたくしたちが到着した時には、幼児を連れた若い夫婦がビニール・シートを広げて、滝見ピクニックを楽しんでおられました。

この、軽登山とハイキングの中間をゆくような、絶妙の距離と、手間を掛けた観瀑広場

確かに、観瀑広場は、森林を切り裂いて造られてはいるのですが、
しかし、「できるだけ景観を保ちつつ、同時に、幅広い方々にこの滝を観てもらいたい」という、市町村側の意気込み、というか、熱意がアリアリと伝わってきて、わたくし的には、この点にも感動。

俺:「むう…チワワを連れて来たくなるのも、分からんではない…」

米子権現滝_その2
【米子大瀑布・権現滝(落差75m)・全景】

そして、黙ったまま、相変わらず滝を見つめている妻…

俺:「あの…もしかして、涙ぐんでおられる?」
妻:「ないわよ」
俺:「失礼しました」

日差しは強いですが、心地よい風です。

俺:「雨天もいいけど、こういうダイナミックな滝って、やっぱり青空が似合うと思わない?」
妻:「うん」
俺:「再訪だけどな」

目を細めるている妻の横顔。

妻:「…つまり、掟破りってことね」
俺:「ま、一回くらい【滝協定】、破ったっていいか」
妻:「そういう意味じゃなくて、滝そのものが凄すぎるって言ったの」
俺:「…失礼しました…」

フッと笑顔を向ける妻。
ドキッとするわたくし。

妻:「また、来たいね」
俺:「それだと、滝協定を、再び破ってしまうよ?」

妻:「何事も、例外はあるのデス」



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あれ?

子:「あの仏像、阿弥陀如来かな?」
俺:「たぶん、そうだろ」

長良川の源流部にかかる「阿弥陀ヶ滝」は、
高名なお坊さんが修行をしていたところに、阿弥陀如来が現れたことから、この名がついた、
信仰の滝です。
ちょうど滝裏の右岸側に、ちょこんと小さな石仏が鎮座していらして、
次男君が指しているのは、その仏様のこと。

さらに、滝裏奥の窪みには、無数の石像が見えています。

子:「なんか、濃ゆい滝だね…」


阿弥陀ヶ滝(落差60m)・全景】 (岐阜県郡上市白鳥町前谷)

兄:「おまえ、もうちょっと自然に笑ってよ」
娘:「え~、ムリ」
妻:「あなたたち、何やってんの?」
娘:「あたしのグラビア撮影だよ!」

はいぃ? グラビアぁ?

俺:「なんじゃそりゃ」

なんでも、長兄君、養老の滝で弟妹がパシャパシャ写真を撮っているのを眺めているうちに、自分もやってみたくなったんだとか。

だからって、妹を撮るか?

俺:「う~む」

最近、ふとした表情が、恋人時代の妻を彷彿とさせる娘。
確かに、この瞬間はたまらない。

俺:「ふむ。撮るわな」

彼も、その「美しさ」に気がついたのでしょうか。

兄:「あ、やべ! 電池が無くなってきた」
俺:「…って、おまえら、何枚撮ってるんだよ!」

阿弥陀ヶ滝_その2
【阿弥陀ヶ滝・右岸側から】

子:「お父さん、今日はこの滝で終わり?」
俺:「ああ、そうだな」
子:「あ~、よかった」
俺:「なんで?」
子:「だってもう、カメラの電池もメモリーも、残量がないんだ」

ああ…

兄:「いいんじゃね? 既に、俺の最高傑作が入ってるワケだし」
妻:「その根拠のない自信は、どこから来るのかしら」
兄:「まあ、俺って天才だし、芸術的センスもばっちりだし」
娘:「わたしもキレイだし!」

一瞬の沈黙。

娘:「…お父さん、なぜ、そこで黙るのカナ?」
俺:「あ、いやいや。我が娘ながら、美人なことよと、心の中で思ってたの! みなまで言わせんな、恥ずかしい」
娘:「え、それ、ホント?」
俺:「本当だとも。なんなら、形にして証明してやるぞ?」
娘:「あ、チュウはいらないから!」

くそう、先を読まれたか……

子:「うん。これぞ、神仏の力」

はいぃ? なんだって?

子:「つまりね、この濃ゆい空間だからこそ、全てが美しく見えるんだ」
娘:「ちょっとそれ、どういうイミ?」
子:「そう! ここは、特別なパワー・スポットなんだよ」

う~む。
確かに、パワー・スポットではあるだろう。
だが、しかし…

俺:「今の言い方だと、おまえの妹がキレイなのは、この滝前だけだ、って聞こえるが?」
子:「…あれ?」

気付いていなかったか…

子:「…あれ?」



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滝の苦しみ

娘:「絶対に乗る」
子:「いや、歩く」
娘:「乗る!」
子:「歩く!」

「養老の滝」に向かう遊歩道でのこと。
途中からリフトに乗れるらしく、ラクしたいという娘と、自然を満喫したいという次男君の意見がぶつかりました。

妻:「じゃあ、わたしも歩きたいから、彼と一緒に行くわ」
兄:「俺も歩くわ」
娘:「え~??」

上目使いでわたくしを見つめる娘。
か、かわいい!

俺:「わかりました。俺がリフト、連れて行ってやるよ」
娘:「うわ~やった~!」

二手に分かれ、娘とわたくしは、文明の利器を享受。
次男君たちは、自然の息吹を楽しむことにしました。

で、早速、娘と二人でリフトの駅に向かったのですが…

俺:「なんだ、この急登は?」

まず、駅が、遊歩道からかなり上の方にあって、階段を上がるのがとてもキツイ。
この険しさに、「リフトの存在意義」が見出せないわたくし。
ハッキリ言って拷問です。

しかも!

娘:「お父さん、早く! お兄ちゃんたちに負けちゃう!」

次男君と張り合いたいらしい娘が、突然、急かし出します。

てめえ、リフトで「ラクしたい」んじゃなかったのか?

俺:「こんなに走ったら、しんどいだけだろ。何のためのリフトだよ」
娘:「いいから! ほら、早く!」

リフトからの眺望を楽しんだのもつかの間、
降りた途端、またまた娘に手を引っ張られるようにして、走り出します。

俺:「お、お、おまえ、こんなの意味ないぞ!」
娘:「うるさい、走れ!」

うわ! 命令された!


養老の滝(落差30m)・全景】 (岐阜県養老郡養老町高林)

娘:「やったー! 勝ったー!!」

次男君たちより3分ほど早く着き、滝前で勝ち鬨の声を挙げるお嬢さん。
そして、息も絶え絶えのわたくし。

なんだか、すっかり他の観光客の皆様の視線を集めているようです。
恥ずかしい…。

子:「うわ、もう着いてやがる…」
娘:「へっへ~ん! 勝ったもんね」

最後に急な坂を歩かなくて済む、というだけで、距離的には、かえって大回りなリフト・コース。
わたくし、こっそり次男君に語りかけます。

俺:「…実は、走りまくったんだけど、コレ、内緒な」
娘:「とおっ!!」

グワッ!!

兄:「おまえ、お父さんを蹴るなよ!」
娘:「だって、バラすんだもん」


【養老の滝】 (次男君撮影)

妻:「で、リフトの方、どうだったのかしら?」
俺:「乗る意味なんて、なかったような…」

妻:「ふふ。やっぱりね…」
俺:「なんだ?」

妻:「いえいえ。御苦労さまでした」


【養老の滝】 (娘撮影)

俺:「で、そっちは自然を満喫できたのか?」
子:「微妙」

俺:「はは。やっぱり…」
子:「わかるの?」
妻:「これだけ観光客がいるからね」
兄:「何だか俺、江戸か明治のテーマパークで、散策してる気分だった」

確かに、遊歩道沿いには、たくさんの古めかしいお土産物屋さんが並んでるしな…。

妻:「結局、リフトに乗るのも、歩くのも、両方いまいち」

妻が珍しく「ヤレヤレ」ってなゼスチャー。

子:「これはきっと、苦しみだ」
俺:「苦しみ?」
子:「うん。養老の滝は、観光滝の宿命を背負って、苦しんでいるんだよ」



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