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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

ありがとう

【アーカイブ 「福島県の滝」 その3】

俺:「そしてオレは、つま先立ちのように、ゆっくりと後じさりを始めた…」
子&娘:「…うん…」
俺:「…ところが、岩やら木の根やらで、上手くステップが踏めない…」
子&娘:「そ…それで?」
俺:「そう、その時クマが…」

バタンッ!

子&娘:「ギャーッ!!!」

妻:「みんな、お茶が…」
子&娘:(ハアハア)
妻:「…入ったんだけど…何してるの?」

なんてタイミング! 子供たち、本気でビビったようで、返事すらしません。

俺:「あ、いま、俺の武勇伝をお披露目中です」
子&娘:(ハアハア)
妻:「…あんまり子供たちをイジメないでよね」

いや、あのな。

わたくしからすれば、計ったようにここで部屋に入ってくるあなたの方が、よっぽどイジメに見えるんですケド。

閑話休題。

クマ遭遇場所からなんとか退避したわたくしは、初めはユックリと、しかし段々と速足で、
結局、40分かかる登山道を、20分弱で渋沢温泉小屋まで駆け降ってしまったのでした。
小屋が見えたとたん、恐怖心の虜になっていた自分が、フシュ~ッと一気に弛緩してゆくのが分かります。

思えば、本気でトレイルランニングしたの、これが2度目ですな。

ほうほうのていで温泉小屋に到着した時には、せっかく乾かしたトレッキングシューズが、さらなるグチョグチョの泥だらけに。
汗をタップリと吸い込んだシャツはズッシリと重たい。

最大の問題は、500mの標高差を駆け下ったツケが回って両ヒザがすっかり壊れ、気がつけば、一歩踏み出すごとに、激痛が走るようになってしまったことでした。

冷静になってみると、我ながらアホです。

温泉小屋で休ませてもらおうかとも思ったのですが、
なんだか宿泊客を迎える準備で忙しいらしく、とても居づらい空気。

仕方なく、這うようにして50分。
渋沢大滝の手前にある、よく陽のあたる平たい岩まで辿り着くと、そこで大休止を取ることにしたのでした。

渋沢大滝_その2
渋沢大滝(落差50m)・全景】  (福島県南会津郡桧枝岐村星登 『渋沢』

ああ、至福!
なんという美瀑!
ヒザさえ痛まなければ、天国としては完璧でしょう。

さらに、渋沢大滝の下流右岸には、落差80mにも及ぶ絹糸の滝が掛かっています。

ただ、当時はすっかり夏草に覆われていて、せいぜいが30m程度の、しょぼいシャワー滝にしか見えませんでした。
もっと元気だったら、壮観な全景を見渡せる場所を探したのでしょうが…。

ヒザが痛くて痛くて、泣く泣く岩上から撮れる写真でガマン。

子:「あちゃ~。お父さん、運命の女神の前髪をつかみ損ねちゃったんだね~」
俺:「うるせえな。とてもじゃないけどムリだったんだよ」
子:「あああ~♪ 幻と消えた80m滝♪♪」

絹糸の滝(尾瀬)_その1
絹糸の滝(落差80m)・下部】

そしてついに、この日最大にして、最後の核心部がやってきます。
それは…

「シボ沢ノ滝分岐」から「天神田代」までの、標高差500mの地獄の登り返し。


脚が思うように動かないので、休み休み行きたい。
が、しかし!
ちょっとでも立ち止まると、たちまち巨大なアブが服の上からでも容赦なく喰いついてきて、
それを許してくれないのです。

俺:(もう勘弁して。ホント、今日中に家まで戻れるんか、オレ…)

気持ちが萎えて、どんどん悲観的になってゆくのが分かります。
ですから、いきなり目の前が開けて、天神田代のベンチが視界に飛び込んできたときは、

身心脱落(しんじんとつらく) by 道元禅師

真剣に、頭の中が真っ白になりました。

ベンチに腰掛けて時計を確認すると、
この1時間10分の地獄コースを、このボロボロのヒザで、わずか45分で登り切っているじゃないですか。

いやあああ!
いくらなんでも、やりすぎだ!

娘:「それって、どれくらい凄いことなの?」
俺:「そうだなあ。君がプールで1時間泳いでから、2時間マラソンして、さらに3時間荷物運びをするようなもんかな」
娘:「ふ~ん」


しばしの沈黙。


子:「ぼく、三条の滝、行かなくていいや」(笑)
娘:「わたしも」(笑)

子:「お父さん、三条の滝に行ってきてくれて、どうもありがとう



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