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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

哲学の道


子:「ボク、将来、滝屋になろうかなあ」
俺:「はい?」

本日の最終目的地、石空(いしうとろ)渓谷を歩きだした時のこと。
次男君、藪から棒に何を言い出すのかと思ったら…

子:「お父さん、どう思う?」

結構な真剣モードで聞いてくるではありませんか。迂闊には、はぐらかせない感じです。

俺:「そうだな。俺だったら、だけに一生を捧げることはしないと思うな」

ここは、あえて、ストレートの剛速球を投げ返してみる…

子:「へえ、なんで?」
俺:「神様の神秘をもっと知りたいと思うのは、人間の本能だろう?」
子:「そうなの?」
俺:「心の神秘を探るのが、宗教家や思想家だな。で、この世の神秘を探るのが、滝屋や沢屋を始めとする探検家たちだろう」

歩みを止める次男君。


【魚止の滝、初見の滝・遠景】
  (山梨県北杜市武川町黒澤 『石空渓谷』

俺:「この世の人生は、人のお役に立ってこそナンボだと、俺は思ってる」
子:「うん」
俺:「君は、俺に、一流の滝屋や沢屋になれるような才能があると思う?」
子:「…」
俺:「そんなんで、人々を感動させる探検家になれるだろうか?」
子:「ムリ!」

息子よ…
そこは、すこしためらってから否定してほしい…

俺:「俺の強みは、探検家では生かされないと思う。だから、滝屋や沢屋にはならない。そういうことじゃないかな」


魚止の滝(一の滝)(落差5m)・遊歩道から】


う~む。次男君、考え込んでしまって、さっきから魚止の滝前で立ち止ったまま、ちっとも動きません。

きっと、病床で、色々考えるコトがあったんだろうなあ。
でも、こんなとこで立ち止ったまんまだと、とっても寒いんですけど。

俺:「とりあえず、先に進もうや」
子:「…うん」


初見の滝(二の滝)(落差16m)・全景】


黙ったまま、歩きだす次男君。

おお! 石空渓谷が、「哲学の道」と化している!





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言葉もなく


子:「うわ…」
俺:「これは…」

家を出る前、いちおう下調べして、
板敷渓谷に、どんな滝があるのか」くらいはチェックしてきたのですが…


板敷大滝(落差33m)・全景】
  (山梨県甲府市上帯那町 『板敷渓谷』

真っ黒い岩肌をえぐるように、ズドーンと落ちる瀑水

「見たことのない滝」
が、そこにはありました。

茫然と立ち尽くすわたくしたち。


【板敷大滝・上段・アップ】


子:「…真っ黒い滝だ」
俺:「ああ。気圧されるな」
子:「…スゴイ滝だ」
俺:「ああ。黒っぽいな」

いまいち弾まない会話。

しばらくすると、高ぶる気持ちも落ち着いてきました。
あったかいお茶でも飲もうかと、ザックを下ろすと…

子:「お父さん、コレ…」

なんと、滝見場のテラスに、ガムやらアメやらタバコやらの包装紙が、ポロポロ落ちているじゃないですか。

ありゃりゃ。

子:「拾って帰ろう」
俺:「そうだな」

黙々とクズをひろう次男君。
滝好き
がこんな真似はしないでしょうから、この板敷渓谷、結構メジャーで、観光ルートに組み込まれたりしているのかも知れません。

ひととおり、汚れを掃ったところで、お茶タイム。


【板敷大滝・遠景】


本当に、不思議な空間です。
そんなに美しいワケではないのに、離れがたい感じ。

俺:「そろそろ帰ろうか」
子:「…うん」

別の季節にも来てみたい滝でした。




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うれしい誤算


俺:「昇仙峡ハイクの代わりに、この近くの滝に行くってのは、どう?」
子:「賛成!」

わたくしの提案に、逡巡することなく飛びつく次男君。
割とすぐそばに板敷渓谷があって、滝見ができるとのことなので、寄ってみることにしました。

最初のトンネル手前左の駐車スペースに車を止め、車道の真ん中をゆっくり歩き始めます。
次男君、なんかヨロヨロしていますが、殆ど車も来ないし、大丈夫でしょう。

二番目のトンネル手前右側に渓谷入口のカンバンがあるので、そこから降ってゆくのですが…

子:「すげー!」

いきなりがある!


白髭滝(落差8m)・全景】
  (山梨県甲府市上帯那町 『板敷渓谷』

落ち口の岩の具合なのでしょうか。
滝水が落下する直前に水泡が混じり、滝全体が、ことさら白くなって見えるようです。

子:「ナルホド、白ヒゲ」

次男君、カメラ持って、すっかり撮影に夢中です。
岩と橋の隙間から、のぞき込んで…って!

俺:「そこから出ちゃイカン!」
子:「なんで?」
俺:「落ちるぞ!」
子:「うわっ! あぶな~」

渓谷道に入ると、黒っぽい岩のためか、なんか圧倒される感じがあります。
道にも、木橋あり、アルミ階段あり、クサリ場ありで、結構スリリング。

子:「キタキター!」

次男君、歩くとフラフラするクセに、クサリ場やら階段やらの急所では、基本に忠実に「三点支持」で、足を使って登っていくので、かえって安心して見ていられます。

こりゃ、お助け紐やらハーネスやら、いらなかったなあ。

わたくしにとっては、うれしい誤算
そして、余分になった重たい荷物


親子滝(落差6m)・全景】


この親子滝を越えると、いよいよ、クライマックスの大滝です。




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さようなら


次男君の足ならしに、まずは、お手軽な百選滝がいいだろうな。

ということで、やってきました。あこがれの昇仙峡
いつもの、日の出とともに滝前に立つパターンです。

ところが…
駐車場からに続く道がよくわからない。

看板の通りなら、この店と店の間に突っ込んでいくのですが…

俺:「これ、ぜんぶ土産物屋さんか?」
子:「何か買わないと、見れないの?」
俺:「こんな早朝、どこも開いていないぞ?」

恐る恐る、歩みを進めるわたくしたち。

と、その時、

「ガオーッ!」


右手の崖から、何かが激しく吠えたててくる!

子:「い、い、い、だ!」

真黒な猟犬
たちが、群れをなして、崖上からこちらを威嚇しているのです。
これ、いったい何匹いるのでしょうか。
わたくしたち、ビビりまくり。

あ、でも、よくみると柵のようなものがあって、そこから先は、こちらに来れないようです。

しかし、ホッとしたのもつかの間。

「ガオガオガオガオ!」


路上を、一匹の黒い猟犬が、わたくしたちめがけて突進してくるではありませんか!
背中のザックから、慌ててカメラ用一脚を引き抜き、身構えようとします。
しかし、間に合わない!

子:「う、う、う、わあああ!」

恐怖に駆られて駆け出す次男君。追いかける黒犬。
しかし、病み上がりで、うまく走れるワケがない。
あっという間に転んで、したたかに体を打ちつけてしまう!

俺:「ゴルラァッ!!!」

次男君に吠えつく黒犬に、飛びかかりながら一喝!
もし、次の瞬間も、この黒犬が攻撃するなら、わたくし、本気で刺し違えるつもりでした。

しかし、私の気迫が勝ったのか、なんとなく引いてゆく黒犬。

最速で次男君を抱き起こします。

俺:「大丈夫か!」
子:「うん。ヘルメットしてたから、大丈夫」

しかし、震えている上に、すり切れて手が血でにじんでいます。
わたくしを心配させまいとしているのか、無理やり笑う次男君。

…。

そして、そのままUターンして帰ろうとするわたくしを引き留めて、どうしても滝を観ると言うじゃないですか。

いや、君の熱意には負けた。

このあと仙娥滝を撮影しました。

「それでも、滝は美しかった」



仙娥滝(落差30m)・全景】
  (山梨県甲府市猪狩町 『昇仙峡』

帰路です。
さすがに猟犬たちも、もう崖下には降りてきませんが、相変わらず吠え立てています。

これが、日本の“誇る”観光地…

このあと予定していたハイキングは中止。

昇仙峡
よ、さようなら。




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ひとまず


ひとまず、次男君が退院することになりました。

ほんとうに、おめでとう!

長く長く感じられた1ヶ月間でした。

ドクター:「投薬による免疫力低下のため、さらに半月は、自宅にて療養に専念し、人ごみは避けるようにしてください」

どうもインフルエンザとかに罹ると、ヤバイそうなのです。

ドクター:「ただ、普段の生活も、回復途上の本人にとっては未体験の事ばかりで、ストレスがたまると思いますから、リハビリ、気晴らし、体力回復を兼ねたウォーキングは、強く推奨します」

それってつまり、「人のいないタイミングを見計らって、滝に行くように!」ということですな。

妻:「…」
俺:「なによ?」
妻:「…」
俺:「反対しないだろ?」
妻:「…そうね」

確かに、お爺ちゃん・お婆ちゃんとの間に微妙な空気が生まれてしまったこの家に、ずっとこもっているのもつらいでしょう。

でもなあ。次男君、歩くとフラフラするので、危ないとこは行きたくないしなあ。

しかし、彼の笑顔は見たいのです。


【渓谷の秋】


妻:「いっそ、どこか100m滝チャレンジしてみたら」
俺:「へ?」
妻:「あなたが、そんな弱腰で、どうするのよ(笑)」

そっか。「明るい未来を信じて、前に進む」んだったっけ。

そうだよな。
ジュニアハーネスとヘルメット、お助け紐があれば、多少の難道くらい、なんとかなるだろう。

よおし! いってみようぜ!




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チュウ!


七味大滝
で、すっかり気を良くした娘とわたくし。
その勢いでもって、志賀高原にある澗満滝まで寄っていくことにしました。

しかし、凄いカメラマンの数です。

湿原やら草原やら、見晴らしのよい処には、必ず人がいるぞ。

初めは、車窓から見えるカメラマンを楽しそうに数えていた娘も、30を過ぎたあたりから、すっかりいい加減。

俺:「いま、カメラマン、何人?」
娘:「1億人を突破中~」

澗満滝
を遠望できる観瀑台の駐車場に到着すると…

お! チャンス!
車がほとんど止まっていない!

澗満滝
は、直瀑としては長野県で最大級の落差を誇っていて、なんと107mもあります。

100mを超えている…

フハハハハ! こりゃあ、次男君が喜びそうだ。




澗満滝(落差107m)・遠望】
  (長野県下高井郡山ノ内町平穏 『角間川』

いそいそと三脚を立てて、さっそく、写真を撮ろうとすると…

なんですか!
指を突き出してみたり、三脚を揺らしてみたり、構図にイチャモン付けてみたり。

もう、娘が邪魔しまくり。


【澗満滝・全景】


俺:「おまえなあ、写真撮ってるんだから、ちったあ、大人しくしててくれよ!」
娘:「おしっこしたいよ~
俺:「なんですと?」

よみがえる「悪夢」!


俺:「そういうことは、もっと早く言ってくれ~」

澗満滝_その3
【澗満滝・落口】

慌てて機材をたたみ込むと、車でダッシュ!
こういう時に限って、すぐにトイレが見つからないんだ、これが。

俺:「あああ! ない!ない!ない! まだ、ガマンできる?」
娘:「…引っ込んじゃった」
俺:「は?」

はは~ん。
お嬢さん、あなた、次男君にやきもちやきましたね?

わたくし、車を寄せて、停車させます。

俺:「…ウソついた人は、おしおきだべ~」
娘:「キャー!」

いやがる
娘を羽交い絞めにして、お口にチュウ!

しかし、わたくし、
娘に嫉妬させてしまうほど、そんなにあからさまな態度だったかしら?




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笑顔


袋田の滝
を少し遡ったところに、「生瀬滝」があります。

「せっかくだから、次男君に自慢してみたい」というコトで、寄ってみることにしました。
袋田の滝
の下流側から、「月居山ハイキングコース」に入ると、すぐに鉄製の階段が始まるのですが…

えんえんと続くぞ。長すぎるだろ、コレ。

階段を登り切ったあとも、さらに続く急登。
でも、左側を眺めると、ずっと袋田の滝の上部が続いて見えています。

これは癒される


【袋田の滝・上部の流れ】


俺:「今のお婆ちゃんって、少し前までの俺にそっくりじゃん?」
妻:「そうかも…」

実はわたくし、人生廃業寸前のミスをしでかして、お先真っ暗「生涯最大の危機」を迎えていたコトがあります。

その時、自分のダメさ加減を、イヤというほど思い知ったワケですが、今のお婆ちゃんの姿が、「原点ここにあり!」っていう感じで、当時の自分の姿とダブってダブって仕方がないのです。

この、なんとういか、
老いだけでは説明のつかない
心の深層では、結局、自分のことしか考えてないだろ
というヤツが…

しかし。

あの悲しみを透過したからこそ、今日の次男君の苦しみが見えるワケで、
今にして思えば、それはまさに、「自分にとって、魂の転機であった」と思えるのです。

妻:「あ、滝だわ」

観瀑台で、しばしボーッとする妻とわたくし。


【生瀬滝・遠景】


俺:「もう、ジタバタ悩むのは止めて、神様からのプレゼントだと思って、素直に受け止める

そうやって頑張っていれば、必ず、今は見えていない神様の御意図が現れてきて、道が拓けてくると思うのです。

そんな風にして、わたくしが人生の危機を乗り越えてきたのを、妻も知っています。

妻:「でも、今の自分は、そんな風には受け止められないの」
俺:「うん」
妻:「でも、いつかは夜が明けると信じて、頑張ってみる」
俺:「うん。独りじゃないんだし」


生瀬滝(落差10m)・全景】
  (茨城県久慈郡大子町小生瀬 『滝川』

妻に、少し笑顔が戻ってきたようです。

妻:「言ってたわよ。病気が治ったら、お父さんとに行きまくるんだって」(笑)
俺:「ふふふ。まかせなさい




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