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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

猛烈感動

崩落によってほぼ一段滝となってしまった大山滝に、いささか失望してしまっていたわたくし。

俺:「ふおおお。これ、めちゃくちゃ良滝やんけ!」

観瀑台から眺める鱒返しの滝の予想以上の美しさに、猛烈感動!

俺:「もう百選滝、こちらに差し替えでいいと思う!」

鱒返しの滝_その1
鱒返しの滝(落差47m)・本瀑】(鳥取県琴浦町山川 『一枚岩渓谷』

この鱒返しの滝は、本瀑の上流に3mの小滝、
本瀑のすぐ下流に二段の小滝と、下の滝13mを従えています。

俺:「落差47mってのは本瀑だけの落差やな」
子:「つまり、全部で70m位になるワケか!」
俺:「せや」
妻:「結構デカイわね」
娘:「じゃあ、鱒返しの滝、ホントは大山滝の倍近くあるんだね」

大山滝鱒返しの滝との決定的な違いは、
あちらがズドーンと直瀑で来るのに対し、
こちらは中ほどでフワッとふくらむ分岐瀑っぽい感じなのです。

子:「昔の直瀑二連発な大山滝なら、確かに強烈なインパクトだっただろ」
娘:「鱒返しの滝は優しい感じだよね」
妻:「その印象の差が、百選の分かれ目だったんじゃない?」

崩落前の大山滝が落差43m。
鱒返しの滝本瀑が落差47m。

俺:「だよな。見かけの落差がほぼ同じなら、ま、迫力のある方を選ぶだろ」
娘:「でも今の大山滝、魅力も迫力も半減してるじゃん」
俺:「それや」
子:「だからだろ。親父が、百選鱒返しの滝に差し替えろって吠えてるのは」
俺:「あ…いや…」

別に吠えてはいないです。

鱒返しの滝_その2
【鱒返しの滝・本瀑落口】

観瀑当日は、とにかくセミの鳴き声で滝の音がかき消されてしまうくらいの感じでした。

子:「まさに夏真っ盛り」

観瀑台のテラスは振動に弱く、撮影中、わたくしがちょこっと姿勢を変えるだけで、画像がブレブレになってしまいます。

俺:「かと言って、他に撮影できるスポットは無かったし」

観瀑台から滝まで割と距離があったので、ちょっとした揺れでも、ダイレクトに映像に出てしまうのです。

子:「これだけセミの声が入っていると、滝なのに、暑苦しく感じられるねえ」
娘:「言えてる」
妻:「まるでセミのせいで、映像がブレてるみたいじゃない?」


間。


子&娘:「「ホントだ!!」」

鱒返しの滝_その3
【鱒返しの滝・本瀑滝壺】

俺:「そして下の滝13mは、なんと裏見ができるらしいのだ」
子:「おお!」
俺:「時間が足りなくて行かなかったけど」
子:「おお……」
娘:「最近、いつもじゃん」
俺:「すまない」

でも、この鱒返しの滝
上流の一枚岩渓谷とか、下流のゴルジュ裏見の滝とかがあって、
PR次第では、大山滝より、遥かに魅力的になると思います。

俺:「だから鱒返しの滝こそ、今、伯耆大山山系のナンバー・ワン滝なのだ!」
子:「ま、そうだろうねえ」
妻:「下剋上っぽいわね」
娘:「あれだよ、お父さんが猛烈感動したってのは、伝わってきたから!」




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杉の古木たち

俺:「どうしよう。行くべきか、退くべきか……」

時計を見ると16時を回ったところ。

俺:「最悪、復路で真っ暗になるよな、これは」

しかし、ターゲットは広島県No.2の高瀑。
ここで見逃す手はありません。

俺:「ウ~ム」

仕方がありません。
覚悟を決めたわたくし、熊鈴を2個に増やすと、
ヘルメットにヘッドランプを取り付けます。

俺:「よし!いざ、トワイライト・ハイキング!

那智の滝_その1
那智の滝(落差78m)・概観】(広島県庄原市西城町熊野)

なんとか撮影が可能な陽光が差し込んでいる内に
那智の滝に辿り着くことができました。

娘:「へえ、那智だなんて三大瀑布と同じ名前じゃんか」
俺:「そうなのよ、神社の名前が熊野だし、川の名前も熊野川だし…」
妻:「あら」

そうなのです。
位置関係としては、竜王山の麓に熊野神社
その神域の那智の滝といったところ。

俺:「だから、三大瀑布とも歴史的なつながりがあると思われるぞ?」
子:「なんで疑問形?」

それが、境内入口の看板には、
紀伊の熊野大社との繋がりを示す記述が一切ありませんでした。

子:「はあ?嘘だろ、こんなにあからさまなのに」

那智の滝_その2
【那智の滝・上段部アップ】

そして!

恐らくは、那智の滝一帯を包み込むように神域が広がっているのでしょう。
入り口から続く、手入れの行き届いた杉の古木が立ち並ぶ森林。

俺:「超太い杉の古木があれだけ密集していると、凄い迫力があるぞ」
妻:「歴史を偲びながらのハイキングなんて、イイじゃない」
俺:「うむ、昼間ならね」

夕刻に足を踏み入れたわたくしは、歴史を偲ぶどころか、
むしろ熊の気配に怯え、古木の醸し出す圧倒的な宵闇のプレッシャーに、
胸を押し潰されそうな感覚でした。

俺:「あの、ヘッドランプの心許ないこと!」

それは、幽霊なんかのおどろおどろした雰囲気とは真逆の意味で、
非人間的な、人智を超えた何かを感じさせてくれるのです。

俺:「言ってみりゃ、杉の古木が最大のクライマックスだったかも知んないわ」

那智の滝_その3
【那智の滝・中段部アップ】

子:「滝自体は美瀑に入るな、コレ」
娘:「うん、キレイ」
妻:「遥か奥の方から落ちてくるスケール感が凄い」
俺:「ああ」

当日は大雨後ということもあって、
結構、滝の水量が多かったようです。

子:「僕としては、上段部のトイ状ゴルジュがポイントだな」
俺:「そうだな」
妻:「滝の凄みが、それで随分プラスされる感じね」
子:「ウムウム」
娘:「あたしは、中段部のヒョングリがいい」

那智の滝
色々な意味で名瀑でした。




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参られよ

俺:「せっかくここまで来たのになあ。どうしよ」

朝一番で滝に乗り込もうと、
遊歩道の入り口に着いたら……

俺:「このテープがよ」

大雨による土砂崩れがあったようで、
「KEEP OUT」の黄色いテープが道を塞いでいました。

行:「おはよう」
俺:「っ! お、おはようございます…?」

そこへやってこられた、白装束に身を包んだ
滝行者と思われる年配の一人の男性の方。

行:「よっこらしょっと」
俺:(へ?)

わたくしの目の前で、易々と黄色のテープを掻い潜られてゆく。

行:「参られよ」
俺:「……は、はい」

白糸の滝@呉_その1
白糸の滝(落差38m)・全景】(広島県呉市広町)

俺:「こうしてオレは、白糸の滝観瀑の関所を乗り越えたのだ」
娘:「ふうん、滝行者様々だ」
兄:「実際にいるんだな」
子:「信仰の滝だと、時々見かけるぜ?」

確かに、米子大瀑布とか、
滝行者さんの多い滝って、幾つか思い浮かびますな。

俺:「あとは、駐車場所で随分と迷ったことかなあ」

白糸の滝に行くためには、
黒瀬川にかかるつり橋を渡らなければならないのですが、
橋の手前に、車を置けるような明確な駐車場がないのです。

娘:「じゃあ、車はどうしたの?」

結局、土手道下の、ご近所迷惑にならないだろうと思われる空きスペースに
車をとめさせて頂きました。

俺:「地元では有名な滝のハズなのに、そういうインフラが無いんだよ」
妻:「行者さんからして、地元の方が歩いて通うような滝なのかしら」
俺:「おう、きっとそんな感じなんだろう」

白糸の滝@呉_その2
【白糸の滝・落口】

その、わたくしを誘って下さった滝行者さんですが、
歩くのが速い速い。
遊歩道の上の倒木を、ひょいひょいと跨いで行かれます。

そして暫く行くと、滝の手前の古木に生えていた粘菌を
じっと見つめ出されました。

そしてわたくしが追いつくと…

行:「それでは、上の滝に参る」

本瀑上流に、落差7mの滝があるそうで、
そちらに向かって去っていかれたのです。

俺:「俺のために、譲ってくれたのかしら……」

白糸の滝@呉_その3
【白糸の滝・滝壺付近】

俺:「滝そのものは、見ての通り、超がつく美瀑だ」
子:「納得だね」
娘:「キレイな直瀑だしね」
俺:「しかし、滝行者さんのインパクトが凄かった」
兄:「まあ、わかる」
妻:「古風な喋り方がね」

子&娘&兄:「「「それ!」」」

娘:「だって、参られよ!」




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ダブル・ミーニング

ナビによれば、すぐ側まで来ているハズなのです。

俺:「しかし、う~む。滝への入り口がわからん」

仕方が無いので、近くのお寺の駐車スペースに車を停めさせて頂くと、
丁度YMCAコンフォレスト湯来から出てこられた
管理人風のおじさんに聞いてみました。

管:「ああ、遊歩道の入り口なら、あの空き地の奥にあります」
俺:「そうでしたか。助かりました」
管:「実は昨日、遊歩道の整備をし終えたばかりなので、超ラッキーですよ」
俺:「おおお、それはありがたいです」

なんでも、YMCAの皆さんが
ボランティアで滝見道の整備をして下さっているそうです。

管:「ところで、車で来られました?」
俺:「ええ、まあ」
管:「今、車はどちらに?」
俺:「あちらのお寺にちょこっと…」
管:「ああ、それはいけませんな。当YMCAの駐車場をお使い下さい」
俺:「…いいんですか?」
管:「もちろんです」

どうやら、観光客と近隣住民とのトラブルを避けたい意向があるようです。

管:「帰りにジュースでも買って下さると、とても嬉しかったりします」
俺:「…それはぜひ」
管:「マムシには気を付けて下さいね」

とっても親切なお方でした。

多羅多羅の滝_その1
多羅多羅の滝(落差58m)・概観】(広島県広島市佐伯区湯来町大字和田)

多羅多羅の滝は、全部で三段の段瀑です。
ただ、遊歩道で近づけるのは下の二段だけ。
最上段は遠望するしか手がないらしい。

俺:「こりゃ、中段部が主瀑布だろうよ」

しかも、下から見上げると、中段部がでかい。
下段部と比べて、かなりの規模の差があります。

俺:「中段部に迫って初めて、多羅多羅の滝を観たことになるんだな」

ただ、この中段部に近づくためには、鎖場を越えなければなりません。

俺:「うわ、ツルツルやし…」

そう。
岩が濡れ濡れで、気を付けないとスリップ転落しそう。
今年初めての鎖場に、ちょっと緊張するわたくし。

俺:「でも!行くぜ!!」

多羅多羅の滝_その2
【多羅多羅の滝・中段部アップ】

娘:「ふああ、いい滝だ」
子:「良瀑だぜ」

写真で見ても、動画で見ても、
やっぱり圧巻な中段部。

妻:「これ、名前と違って、随分と濠瀑じゃないの」
娘:「え?名前って?」

この滝、普段は水量が乏しいらしく、
赤い岩肌を、水がたらたらと滴れていくので、この名がついたのだとか。

娘:「なるほど、そゆこと」
兄:「大雨様々だな」
子:「な~んだ。じゃ、多羅は当て字なのか」
娘:「え?当て字?」
子:「僕、お坊さんがいっぱいって意味かと思ってたから」

多・・・いっぱい
羅・・・羅漢=お坊さん


ほほう。
有り得る推理ですな。

多羅多羅の滝_その3
【多羅多羅の滝・下段部落口】

俺:「確かに、昔は修行場でもあったらしい」
娘:「てことは…」
妻:「急に説得力が出てきたわね」
兄:「これはきっとあれじゃね?」
娘:「なに?」

兄:「ダブル・ミーニング!」




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帰りにジュースを買いました…
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ベターショット

さて、今回、岡山県の滝を訪問するにあたり、
事前に、予定瀑布の選定をしました。

子&俺:「これ、絶対行かなきゃダメだろ!」

その際、次男君とわたくしの意見がピタリ一致した滝が、幾つかあります。

妻:「それが、この滝ね」
子:「そ。至孝滝!」

いつもの滝本を広げながら、
わたくしの訪瀑計画を、一緒に考えてくれる家族たち。

妻:「これはキレイな一条瀑だわ」
兄:「美瀑だな」
娘:「緑にあふれてるし」
子:「フフフ!」

ところが!

至孝滝_その1
至孝滝(落差25m)・全景】  (岡山県真庭市山久世 『至孝川』

俺:「あるれぇ~?」

そう!
実際に至孝滝に行ってみたら、
これが、思ったほどには直瀑じゃないのです。

子:「いや、直瀑だろ!
娘:「でも、なんか、滝の上部が微妙に斜瀑だよ?」
兄:「ありていに言うと、上部が渓流瀑で、下部が直瀑」
妻:「それは言い過ぎでしょう」
兄:「渓流瀑じゃないにしても、斜めなのは事実」
子:「うむむ」

滝本の写真と、わたくしの映像を比べながら、家族で喧々諤々。

兄:「ま、少なくとも、この写真の滝と、滝本の滝とは、まったくの別物だな」
俺:「……」
子:(越えられないプロの壁……)

それは言わない約束だろ!

兄:「でさ、おやじの撮ってきた映像は、これで全部なん?」
俺:「ほい」

至孝滝_その3
【至孝滝・滝壺アップ】

娘:「あははは、滝壺だ!」
兄:「……」

実際の撮影条件を考えてみると、
いつもの滝本では、盛夏の、晴天時の午後にシャッターを切っているのに対し、
わたくしはのそれは、梅雨明け直前の、曇天時の早朝です。

娘:「そっか。水量も、お父さんの方が少ないしね」
子:「だな」
妻:「条件が違えば、見栄えも、こんなに変わるワケね」

至孝滝_その2
【至孝滝・上部アップ】

ところで、至孝滝への道程ですが、
渓流沿いにある観瀑道と言うか、山道と言うか、参道と言うべきか、表現に迷いますが、
結構草に覆われた道を、30分ほど歩いていきます。

妻:「参道?」
俺:「滝の下流右岸テラスに、密乗寺の奥の院があるからな」
子:「ほほう。信仰の滝とな」

草が雨滴で濡れていたので、沢靴で行って正解でした。

兄:「では、俺様が、今回の結論をまとめてみる」
妻:「どうぞ」
兄:「滝本の写真はベストショット。おやじのはベターショットってね」
娘:「そっか!」
妻:「なるほどね」

おお?
ベターショットだなんて、
なんだかわたくし、若干持ち上げられてます?

子:「じゃ、僕もまとめてみる」
妻:「どうぞ」

子:「それでも至孝滝は美しい」

俺:「うむ……」
兄:「確かに」
妻:「そうね」
娘:「そうじゃんね」




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