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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

鎖に届け!

ドームシェルターを設置すると、
そこからちょっと離れた場所に焚き火を起こします。

俺:「ハフハフ」

焚き火の側で、ジェットボイルでお湯を沸かして「白ご飯」に注ぎ込み、
そこにカリーキットを混ぜ合わせて……

俺:「うめー!!」

ああ、これぞまさに至福!

一石の滝_その1
一石の滝(落差28m)・下部三段】(長野県飯田市千代 『馬小屋沢』

わたくし、夕飯の前に、
翌日の行動計画を立てるため、ちょこっとルートの下見へ。

俺:「ふむ。ここから登ればいいんだな」

馬小屋沢にかかる一石の滝(いっこくのたき)」は、全部で七段の段瀑。
滝に向かって右側(いわゆる左岸側)を見上げると、古い鎖があります。
弱点を丁寧に拾いつつ登ってゆけば、何とか手が届きそうです。

俺:「他に、巻き道とかないんか?」

一石の滝下流の左岸側には、大量の砂礫を伴った沢型の地形。
そこを少し奥に入った所で、
右岸側にぶら下がる古いトラロープを発見しました!

俺:「おお、これが巻き道か。登ってみるか」

スリングを取り出すと、古いトラロープをプルージックで登っていきます。
すると行き着いた先は……

俺:「うわ、崖が崩れてら」

わたくしが登ってきた部分のみが針の尖塔ように取り残され、
そこから上流側に続く尾根道は、左右共に崩壊。
ナイフエッジのような砂の吊り尾根が、40m余りに亘って続いていました。

俺:「この尖塔も、近いうちに崩壊するやろうな」

かつての巻き道は、キケンな廃道と化していました。

一石の滝_その3
【一石の滝と最初の鎖】

さて、翌朝になると、一転して重たい曇り空。

俺:「それこそ、今にも大雨になりそうな感じやったで」

わたくし、雨が降る前になんとか林道にたどり着くべく、
滝上段部の撮影予定など全てすっ飛ばして、遡行に専念することに。

俺:「とにかく、最初の鎖に届くまでが一苦労!」
娘:「どうやって登ったの?」

下見時には登れそうに見えた、この鎖までの最初の取り付き。
ところが、いざ登ろうとすると、大した手掛かりもなくて、とても怖いのです。

俺:「結局、ロープの先にハンマーを付けて放り投げた」
子:「なんと」
俺:「そしたら、ちょうど鎖のところに引っ掛かってね」
兄:「ほう」
俺:「空身で鎖まで登って支点を取ったあと、荷物を背負って登り直し」
娘:「うわあ」
子:「おやじ、なんか凄くプロっぽいゼ!」
俺:(ムフ)

馬小屋沢は、敢えて言えば、この取り付き部分が核心でしょう。

俺:「あとは、車までひたすら駆け抜けたわ!」

一石の滝_その2
【一石の滝・滝壺アップ】

子:「いやあ、沢登りって、こうやって話を聞くだけでも冒険だねえ」

ひとしきり話を聞き終わって、感慨に耽る次男君。

娘:「あたし、実際に登ってみたい!」
兄:「やめとけ。お前にはキケン過ぎる」
妻:「わたしも話を聞くだけで、お腹いっぱい」
俺:「フフフ」

わたくしの初の沢泊物語ここに完!




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それが正解

七ツ釜を出発すると、
わたくし、すぐ下流の馬小屋沢を検分遡行します。

俺:「今夜の寝床を確保せんとな」

万古渓谷は、前不動滝から二軒屋キャンプ場の間、谷が険しくてテントを張れる場所が殆どありません。
なのでわたくし、地形図から、馬小屋沢なら泊まれるのではないかと推測。

俺:「なんちゅう気持ちの良い沢や」

そしたら、20分ほど遡行した所に極上のテン場を発見しました!
一安心したら、急にヤル気がムクムク!

俺:「よおし!今日はこのまま魚止の滝まで攻略や!」

魚止の滝_その1
魚止の滝(落差10m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

馬小屋沢の出会いから魚止の滝まで、およそ40分。
敢えて難所と言えば、最後の魚止の滝の高巻きでしょうか。

俺:「実を言うとだな…」
娘:「うん」
俺:「この先、魚止の滝から二軒屋キャンプ場までが、最も万古渓谷らしい美観エリアなんだって」
娘:「へえ」

実際、泰阜村のホームページを覗くと、魚止の滝から下流には、

《万古渓谷の名所》

梅五郎の滝(支流滝)
万華岩
蛙淵
箱淵
おしどり淵
猿淵
一ヶ瀬戸
セッコク岩
千本桂
猿岩
三浦氏隠れ岩
関小屋の滝(支流滝)


急に名前の付いた名所だらけになります。

娘:「行けばよかったのに」
俺:「う~む」

子:「泰阜村のエリアになるんだっけ」
俺:「そう」

兄:「それって、村の観光対策なんじゃ?」
子:「そこは言わない約束」

しかし今回は、馬小屋沢から林道に戻るルートなので、
体力的にも時間的にも、
魚止の滝から下流に続く、これらの美景を拝むことができなかったワケです。

娘:「そゆことか」
俺:「で、ちなみに!だけど…」
子:「うん」
俺:「出発地点の唐沢の滝に戻るのも、最寄りの駅まで出るのも…」
子:「うん」
俺:「二軒屋キャンプ場からだと、なんとタクシーで\15,000-は掛か…」

妻:「馬小屋沢ルートで正解ね!」




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最狭急流部

万古渓谷の最狭部であり、
且つ、全部で四段の段瀑である「七ツ釜」

ドゴゴゴゴ!(低い地響き)

その一段一段は大した落差じゃないのですが、
全体の急流感がスゴイ。

俺:「…やりおる」

七ツ釜_その1
七ツ釜(落差7m)・下部概観】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

この七ツ釜、怒涛の瀑水が流れ落ちる激流ではあるのですが、
右岸にしっかりとした巻道がついています。

俺:「この鎖がありがてえ」

このくらい確かな手掛かりがあると、
万古不動滝の時みたいな恐怖を感じなくてすみます。

俺:「この様子だと、不動滝までは、結構釣り師が入ってるんだろう」

問題は、滝全体を見渡せるポイントがないことですな。

俺:「七ツ釜って、どう見ても四ツ釜だろうに」

流れが途中でググーッとカーブしているので、
滝の見た目が上下に分断されてしまうのです。

俺:「ま、多段の段瀑ってことは分かるからな」

想像するに、落口から眺め下ろして二段、滝壺から見上げて二段、見えないところに三段、みたいな命名だったのではないでしょうか。

七ツ釜_その2
【七ツ釜・滝壺ゴルジュより】

娘:「うわ、揺れた!」

七ツ釜を滝壺から撮影した動画を見ていたお嬢さん。

兄:「これ、ビビるわ~」
俺:「滝下の巻き込み水流ギリギリまで近づいたからな」
子:「相当な水圧だっただろ」
妻:「よく流されなかったわね」
俺:「いんや。この辺りまでなら、せいぜい胸下までの水深だし、なんら問題なかったぞ」
兄:「いや、オヤジめっちゃ揺れてるから!」

まあ、動画を見てると、時折り水塊がぶつかってきてカメラが揺れる様子が、手に取るように分かりますからな。

俺:「ま、さらに滝壺に近づくとか、滝の直登を試みる場合は、ライフ・ジャケットが要るだろうけど」
子:「……これ、登れんの?」
俺:「ムリ」


沈黙。






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滝壺ダイブ

俺:「とおっ!」

ドボーン!

わが決死の滝壺ダイブ!

前不動滝_その2
前不動滝(落差8m)・全景】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

万古不動滝を出発して割とスグに、前不動滝に到着しました。

俺:「おお、30分で着いた着いた!」

例の二人組みの釣師さんたちは、わたくしより遅れて万古不動滝を出発し、
途中、アッと言う間にわたくしを追い抜いて行ってしまいました。
恐らくは10分程度で前不動滝を通過しているのではないでしょうか。

俺:「速ええ!走っても追いつけないし!」

ひるがえってゆったりペースなわたくし。
前不動滝の落口で、がっつり標高を計測すると、
落口左岸の樹木にザックをロープで垂らして引っ掛けておきます。

俺:「ウヒヒヒ!これで準備はオッケー!」

いちいち前不動滝を高巻くのも面倒ですし、
せっかくのジャンピング・スポットなので、わたくし、飛び込みチャレンジ!
で、ダイブした後で、滝下から荷物を回収できるようにしておくワケです。

俺:「よおし!」


ドドドド!


俺:「……」

水量は多くはないのですが、水は若干の笹濁り。
もちろん、滝壺近辺は深いので、何の問題もありません。
しかし……

俺:「結構、怖いやん…」

前不動滝_その1
【前不動滝・遠景】

俺:「ま、こうして俺は滝壺ダイブを堪能したのでした!」
子:「で、ビデオは?」

は?

俺:「いやいや、飛び込みを自写って、単独だからムリだろう?」
娘:「犬返しのときも思ったけど、ビデオはとらなきゃ!」
子:「だよねえ」
兄:「まあ、オレらを代表して飛び込んでるワケだし」

あ、いや、
コレって、そういう話なの?

妻:「キャニオンニングのハイライトだから、ダイブ、みんな観たいのよ」

そ、そりゃそうか。
しかし、う~む……。




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スペクタクル

万古渓谷キャニオンニング最大の難所は、
金森淵から万古不動滝までの間と言ってよいと思います。

まずは、金森淵を過ぎた最初の急流域を、
踏み跡を辿って左岸から巻くのですが…

俺:「げげ。崖が崩れてる」

踏み跡がスパッと途切れると、15m程の崖。
崩れたのは随分と昔のことのようなのですが、
砂崖っぽいので、現在もポロポロと細かく崩落し続けているようです。

それでも途中までは、昔張られたロープが生き残っているので、
それを使ってトラバースできます。
しかし、最後の5mだけは、どう見てもズリ落ちるしかない。

俺:「ついに懸垂下降が来たか」

わたくし、この時、
自分の「キャニオンニング」の判断が正しかったことを痛感しました。
もし遡行だったら、自分の技量では、この大した手がかりもない砂崖を、
安全に登り切ることは難しかったと思われます。

俺:「ふう……」

そうして一旦川床に降りると、すぐに次の急流域。
ここは対岸に渡って、右岸からの高巻き。

俺:「なんちゅう凄惨なゴルジュ

側壁が高くせり上がって陽が当たりにくいので、薄ら寒い印象があります。
岩も黒めなので余計に重苦しく、
あの明るい金森淵のすぐ下流とは思えない世界。

俺:「天国から、いきなり変わり過ぎだろ…」

かつての名残の残骸ロープを見つけると、
そのロープを目印に、溝っぽい巻き道をゆっくり登っていきます。
こちら側は基本的に岩場なので、先程の砂崖よりは支点が取り易いです。

それでも、気をつけないと、アッと言うまに滑落しますな。

再び川床に戻ると、いよいよ万古不動滝の落口。
簡易高度計で、しっかり落口の標高を測ります。

俺:「やっぱり、さっきの天国滝は、不動滝とは別口やったか」

そして最後は、もう一度左岸からの高巻き。
これがシビアな土崖で、巻き道が崩壊気味のため、
メチャメチャ怖い!

俺:「な、なんとか無事やった……」

万古不動滝の高巻きを終えた時、
わたくし、思わず河原にヘタリ込んでしまいました。

万古不動滝_その1
万古不動滝(落差18m)・概観】(長野県飯田市千代 『万古渓谷』

俺:「いやあ、怖かったぜ……」

万古不動滝を前に、座り込んで休憩すること約20分。
ようやく心身共に回復してきたので、
そろそろカメラを設置して、撮影を始めようと思っていたところでした。

誰:「よう、こんにちは」
連:「こんにちは」
俺:「へ?あ、こんにちは」

急に現れた、釣竿を持った男性二人組みのパーティー。

聞けば、今朝、下流の二軒屋キャンプ場を出発し、
途中で釣竿を出しながら、万古不動滝まで遡行してこられたとのこと。

誰:「上流から降りてきたんかな?」
俺:「はい、そうです」
誰:「実は俺らも、昨日、唐沢の滝から下降したんだが…」
俺:「はい」
誰:「地図上の不動滝…というか、まあ、小滝を見て引き返したんだ」
俺:「ああ、なるほど」
誰:「こっちが、本物の不動滝でいいんだよな?」
俺:「ええ、間違いないと思います」

なんと!

ここにも、わたくしと同じく、
国土地理院の地形図に惑わされた方がおられました!

誰:「でさ、これ、落差30mもあるかあ?」
俺:「いや、ないと思いますが」
誰:「詐欺だよなあ」
連:「あっても、せいぜい20mってところだろう」

あれれ?
お二人の話の前提が「滝の落差は30m」なのですが、
だけど、そんな事前情報、あったっけ……。

誰:「この上は、例の小滝になるんだろう?」
俺:「あ、そうですね」
誰:「行ってみるか?」
連:「そんだけの価値があるかだな」

わたくしが見たところ、このお二人組み、荷物をどこかにデポして、
釣具だけで、ここまで登ってこられたものと思われます。

俺:(ロープの類も無しに、あのゴルジュは…)

二人して不動滝の巻き道を見上げながら、
あーだこーだと検討しておられたので、

俺:「ロープも使いましたし、自分としてはおススメしませんよ?」


間。


誰:「そうか」
連:「じゃ、止めとこうや」

万古不動滝_その2
【万古不動滝・落口アップ】

万古不動滝が鮮烈なのは、
なんと言っても、岩に隠れた部分にある独特のヒョングリ。

俺:「水流が複雑や」

まず、落口で水流が少しクロスした感じになって、
岩に隠れて見えない上段部の滝壺に向かって落ちていきます。

この滝壺に落ちる寸前、
レードルのように浸食された部分で、瀑水がドドッと横へ吐き出されます。
こう、滝前に立つと、わたくしが少し見上げるくらいのところを、
怒涛の瀑水が、いきなり真横に飛んで行くのです。

そして上段滝壺の側壁で跳ね返った瀑水が、
最後に、大迫力の下段部となって飛び出してくる。
文字通り大自然のスペクタクル!

俺:「これが、万古不動滝渓谷白眉の大瀑とされる理由かあ」

で、肝心の落差なのですが、
「しかし」と言うべきか、「やはり」と言うべきか。
わたくしの目測と簡易高度計とでは、大きく食い違っていました。

わたくしの目測落差 8m
簡易高度計での落差 18m


俺:「う~む。どう見ても10m以上あるようには見えんのだがなあ」

でも、先程の二人組みパーティーの方々も「落差は20m程度」みたいなことを仰っておられましたし。

ましてや大自然の前では、人間の感覚って、得てして狂うモノですし、
大渓谷のど真ん中という特殊な環境なので、
それはやはり、計器の方が正確なのでしょう…

俺:「…けど、凄い違和感が残るなあ」

万古不動滝_その3
【万古不動滝・下部ヒョングリ】

妻:「滝姿が傑出してるし、落差なんて大した問題じゃないわ」
俺:「え~?そうかあ?」
娘:「でもでも、万古大滝って言われる程じゃないのは分かる」
俺:「ま、実際、支流の唐沢の滝より低いもんな」
子:「そりゃ万古渓谷大滝認定されるなら、落差40mは要るだろ」

う~む、なるほど。
その感じ、なんとなく分かる気がするぞ。

兄:「ああもう、こまけぇこたぁいいんだよ!!」
子:「はあ?落差こそ滝の命だろ?」
兄:「落差だけが滝の本質じゃねえし」
俺:「フム。他に何があるんだい?」
兄:「これ!」

バシッとビデオ映像を指差す長男君。

兄:「スペクタクルだね!!」




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う~む、なるほど……
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