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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

体感

当初、根尾の滝観瀑は、険しい道程のために、結構、手こずるのではないかと思っていました。

ネットで情報を検索してみて、だいたい共通して出てくるのが、
登ったり降りたりの急斜面と、片道1時間以上かかる観瀑路。

俺:「ところがだ。実際に行ってみたら、思ったほどキツくなかったんだよ」

間。

子:「そりゃあ」
娘:「お父さん」
兄:「滝怪獣だし!」

やかましいわ!

根尾の滝_その4
根尾の滝(落差63m)・全景】  (岐阜県下呂市小坂町落合 『濁河渓谷』

ところで、
根尾の滝の公称落差は63mですが、世間一般には、40m程度だろうと言われています。

兄:「いやいや、これ、40m以上は、余裕であるだろ!」
子:「うん、あるよ、コレ!」

それに真っ向から対立する子供たち。

どういうことかというと、
以前に行ったことのある秋田県の泊滝の落差が、確か20m。

その泊滝と、根尾の滝を映像で見比べいるのですが、
この根尾の滝、どう贔屓目に見ても、泊滝の倍以上あります。

兄:「だろ!」
娘:「きっと、両方とも、サバ読んでるんじゃない?」
妻:「そうかもよ。ほら、滝好きって、落差を高めに見積もる傾向があるじゃない?」

みんな:「「!」」

兄:「あるわ~それ」
子:「ボク、思いっきし思い当たる」
娘:「だって、苦労して行ったらショボ滝だった!って、許せないじゃんね」
兄:「あ~、それ分かるぅ~!」
子:「やっぱ、自分の苦労に見合う成果が欲しくなるし!」

ウム、落差を高めに見積もる傾向ってのは、確かに、あるかも知れません

が…

俺:「結局、お前ら的に、根尾の滝は何メートルになるのよ?」
娘&兄:「「はい?」」
子:「あ~……」

根尾の滝_その2
【根尾の滝・落口】

深まりゆく秋の気配に、吐く息が白くなる渓谷の空気。
紅葉のピークから少し外れているからか、観瀑客は、わたくしただ一人。

俺:「ウハハハ!この贅沢な景色を独占!」

ただ、渓谷の水はすっかり冷え切っていて、
ネオプレンソックスを履いていても、完全に水ボチャするのは躊躇われます。

なので、当初予定していた滝壺見学は取りやめ。

娘:「うわあ、もったいない」
俺:「風邪ひきたくなかったんだもん!」

代わりに、薄暗い渓谷を、写真やらビデオやら、あらゆる角度から撮影してきました。

俺:「なんだか、映像を撮り過ぎちまったよ」

もともと、わたくしのポリシーは、写真も映像も、必要最小限あればOK。
まあ、写真技術を向上させるなら、もっと貪欲になった方がよいのでしょう。
しかしそれは、わたくしにとっては、滝を満喫するという、観瀑の一手段にしか過ぎないワケです。

子:「ま、それだけ根尾の滝が美しかったということで」

根尾の滝_その3
【根尾の滝・遠景】

子:「やっぱ、その人の体感によって、滝って、いろいろと変わるんだと思うよ」

体感ねえ…

娘:「どゆこと?」
子:「ほら、お父さんだから、滝までの道が簡単に感じられた」
娘:「あ~」
子:「ボクら、泊滝を知ってるから、根尾の滝がでかく感じられる」
娘:「そだね」
兄:「人が変われば、また違った感想になるだろうし」
娘:「うん」
子:「つまり!」

子:「根尾の滝は、ボクらの体感を揺さぶらずにはいられない名瀑ってことだ!」




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『田立大瀑布』

【田立の滝 その5】

娘:「感動的~!」

さすがは田立の滝群の盟主。その存在感は、明らかに、他の滝とは一線を画しています。


天河滝(落差45m)・滝下から】 (娘撮影)  (長野県木曽郡南木曽町田立 『大滝川渓谷』

霧ヶ滝でさんざん盛り上がったわたくしたちでしたが、いざ、「天河滝」まで来てみると、その美しさと迫力に、圧倒されてしまったのでした。

娘:「違うね」
俺:「違うな」
子:「違うわ」

「天河滝」が、これだけ頭抜けていると、霧ヶ滝天河滝を、別々に捉えるのも分かる気がします。

子:「確かになあ。昔の人だって、理由なく別々の滝名を付けたワケじゃないだろうし」


【天河滝・全景】

ひとしきり滝下で撮影をしていた娘が、次男君と一緒に、わたくしの所へ戻ってきました。

娘:「ねね、お父さん。わたし、やっぱりこの滝、二つで一つの滝だって気がする」
俺:「なんで?」
娘:「だって、ほら」

娘が指さす方を見ると…


【霧ヶ滝・落口】 (次男君撮影)

すぐ眼の前で、ストーンと落ちてゆく、霧ヶ滝の瀑水。

俺:「そうかあ」
子:「そうだろ」
娘:「そうでしょ」

「天河滝」の滝壺から、流路幾ばくもなく、直ぐに霧ヶ滝となっていく水の流れ。
実際に眼の前にあるので、説得力も大きいですな。

子:「ここはやっぱり、『田立大瀑布』ということで」
娘:「…もう少し、恰好いい呼び方ない?」

ふむ。
頭で「た行」の音が続き過ぎて、言葉の歯切れが悪くなっているか。

俺:「じゃあ、田立“不動”大瀑布ってのは?」
娘:「長いよ」
子:「じゃあ、木曽大瀑布!」
俺:「おまえ、他の木曽の滝はどうすんの? クレーム来るよ?」
子:「じゃあ、木曽グレート・フォールズ
娘:「なんで英語?」

子:「文句ばっか言ってないで、お前もなにか案を出せ」
娘:「え~?」

娘:「じゃあ、『田立大瀑布』でいい」




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ズコー………。
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一つの滝

【田立の滝 その4】

子:「これ、どう見たって、一つの滝だろ!」

滝前で叫ぶ次男君。


霧ヶ滝(落差30m)と天河滝の上部】  (長野県木曽郡南木曽町田立 『大滝川渓谷』

そうなのです。
確かに、どう見ても何度見ても、霧ヶ滝の直ぐ奥に、天河滝が懸かっていますな。

子:「こんなの絶対おかしいよ!」
俺:「う~ん」
子:「霧ヶ滝天河滝が一つの滝じゃないって言うんなら、称名滝だって、日本一の滝じゃないや!」
俺:「う~ん」
子:「長野県って、なんで三本滝の愚を犯すの? なんでわざわざ滝を分けて、落差を低く見積もるの? なんでだよ」
俺:「そんなの、長野の人に聞いてくれ」


【霧ヶ滝・全景】

つまり、次男君が言わんとしている事は、

例えば…

「三本滝」の場合なら、小大野川本流には、通称「本沢の滝」(落差40m)の他に、すぐ下流の「白滝」(落差20m)、すぐ上流の大滝(落差40m)が懸かっていて(本沢の滝の奥に透けて見える)、さらに、この三つの主瀑布に加えて、幾つかの小滝があります。
そして、これらをすべて合わせると、「三本滝」は、なんと総落差200m近くの大瀑布となるのです。

ところが、実際は、観光滝として「本沢の滝」に焦点が当たるのみで、この、総落差200mにも及ぶ「三本滝」の本当の姿は、まったくと言っていいほど知られていません。

例えば…

日本一の落差360mを誇る「称名滝」ですが、実は、二段目の滝(落差58m)と、三段目の滝(落差96m)の間にはかなりの距離があって、普通に川原があったりします。

ですから、霧ヶ滝天河滝が別の滝だ、と言うのならば、「称名滝」など、余裕で、バラバラな滝の集合体になってしまう、というワケです。

霧ヶ滝@田立渓谷
【霧ヶ滝・観瀑道から俯瞰】

娘:「そう言えば、この間の楊梅の滝も、三つの滝で出来てたんだっけ」
子:「その通り。だからこそ、総落差76mの大滝として、滋賀県No.1に君臨できているんだ」

まあ、次男君の言いたいことは分かります。

子:「くそう。ボクなら、天河滝と霧ヶ滝を一つに合わせて、落差100mの大瀑布として売り出すのに」
俺:「正確には、75mだけどな」
子:「百選滝には、落差100mなんて幾つもないから、これだけで、田立の滝の知名度は百倍増し!」
娘:「ひ、百倍?」
子:「そう。名前は、『田立大瀑布』とかにすればいい!」
娘:「米子大瀑布みたいだね」
俺:「じゃあ、『三本大瀑布』ってのも要るな?」
子:「それだ! 長野の百選滝は、全部、『大瀑布』って付けちゃえ!!」

いやあ、次男君が熱い熱い。

子:「ふう。滝のそばで、クールダウンしてくる」




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次男君の落差至上主義、炸裂!
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予算の問題

【田立の滝 その3】

春の「大滝川渓谷」は、陽が差し込まないうちは、まだまだ肌寒く感じられます。
観瀑道の途上に木製ベンチもどきがあったので、そこで暖を取ることにしました。

俺:「ほれ、あったかい紅茶だ」
娘:「うわ~、ありがと」
俺:「カイロもあるぞ」
子:「ありがてえ」

そしてベンチに腰かけると…

子:「うわ、前見ろ、前!」

不動岩
不動岩  (長野県木曽郡南木曽町田立 『大滝川渓谷』

娘:「すごい岩山」
子:「こういうのを『屹立する』って言うんだ」
娘:「うわ出た、兄辞書!」

は…?

俺:「あに自称?」
娘:「違う! あ・に・辞・書!」
子:「フ。つまり、オイラが賢いってことさ」 (変なポーズ)

娘&俺:「…」


無名滝(目測落差50m)・樹木の間から】

「大滝川渓谷」には、先ほどの螺旋滝・下流左岸の無名滝のような、名もない支流滝が、あちこちに懸かっているようです。

子:「ほんと。あちこちにあるね」

ただ残念ながら、ここでは、本流滝以外は観光対象にはならないらしく、支流滝のどれもが、こんもり生い茂った樹林の間からチラ見するしか手がありません。

俺:「細かい支流滝まで、いちいち観瀑道なんか整備できんだろうしな」
子:「南木曽町の予算の問題?
俺:「たぶんね」
娘:「え~、さっきの環境整備費200円じゃ足りないの?」
子&俺:「足りるか!」

洗心滝
洗心滝(落差6m)・全景】

俺:「一応、名前の付いている滝だけど。川原まで降りてみる?」
子:「いらね」
娘:「寒いからいい」

そして、「洗心滝」から歩くこと10分。
いよいよ「田立の滝群」核心部です。

子:「うおおぉぉぉおお!!」
娘:「うわあぁぁぁああ!!」




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緊迫の次回! (嘘)
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いまひとつ

【田立の滝 その2】

「田立の滝」入山にあたっては、まず、粒栗駐車場で、無人集金ポストに「環境整備費」なるものを入れて行きます。

娘:「一人200円だって」
子:「こういう募金ポストって、結構、多くないか」
娘:「そう?」
子:「ほら、丸神の滝とかにもあったじゃん」
娘:「あ~、そう言えば…」

暫く歩くと、最初の観瀑ポイントである「螺旋滝」への分岐。
その昔、スーツで来た時は、大変な藪に覆われて観瀑できなかった「螺旋滝」ですが、昨年終わった工事のお陰で道がしっかり整備され、すっかり生まれ変わっていました。

俺:「お~、キレイになっとる」
娘:「いちいち谷底に降りるのが面倒でイヤ~」
俺:「そう言うな。道があること自体、ありがたいだろ」

分岐からは、ものの10分も歩かないうちに、「螺旋滝」前に到着です。

螺旋滝
螺旋滝(田立の滝群)(落差25m)・全景】  (長野県木曽郡南木曽町田立 「大滝川渓谷」

俺:「で、どうや!」
子&娘:「ふ~ん」

あれ?
いまいちな反応。

娘:「だって、鬱蒼としてるし」
子:「この無駄にジメッとしてるの、嫌いだし」

そう?
なかなかの造形美だと思うけどな。

俺:「こう、左岸上からドーンと覆いかぶさってくるような感じや、滝前右岸の苔むした岩屋や………」

…確かに、スカッと突きぬけるような爽やかさは、無いようでございます。


【螺旋滝下流左岸・無名滝(目測落差40m)・概観】

そして、滝の下流左岸には、恐らく大雨後にのみ現れるだろう無名滝の滴れ。

俺:「こりゃあ、落差40m~50mくらいはあるかな?」
子:「うん。割とどうでもいい…」
俺:「は? 大雨後には大スペクタクルになるだろ?」
娘:「だからどうでもいい。大雨後なんて、どうせ来れないし」
俺:「…」

…お前ら、テンション低すぎ。


【螺旋滝・アップ】

子:「…うるう滝と比べて、いまひとつピンと来ない」
娘:「だね。うるう滝良滝に見えるよ」
子:「は? あれは、初めから良滝だろ!」

むう。

「螺旋滝」は、神秘というにはあまりにも開けており、
かと言って、観光の主目的としては物足りない、というこの微妙さが、
子供たちには受けなかったということでしょうか。

子:「あ、でも、歩く運動にはなったかもねえ」




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