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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

入口だけ

俺:「どうも、行く季節を間違えたらしいんだ」

わたくし、乙女の滝を観瀑後、
以前に見損ねていた塩原渓谷の滝たちを訪問することにしたのでした。

回顧の滝_その1
回顧の滝(落差40m)・全景】(栃木県那須塩原市 『塩原渓谷』

娘:「そう?」
子:「きれいな直瀑だと思うけど?」

滝だけアップすると、そう見えるんですけどね。

俺:「だけど、滝壺の辺りを注目して欲しい」
娘:「フム。滝壺なんかないけど?」
俺:「そこが問題なんだ」
子:「あっ、そうじゃん、そうだったわ!」
娘:「なにが?」

ここで、回顧の滝を、遠景で撮影した画像を見せるわたくし。

回顧の滝_その2
【回顧の滝と塩原ダム湖】

子:「いつもの滝図鑑だと、ダム湖に直接落ちてるんだよ、この滝」

そうなのです。
塩原ダム湖の水量が、かなり減っていたのです。

娘:「干上がってるね。ということは……」
子:「梅雨時とか、滝も、もっと立派な可能性が高いな」
俺:「そういうことだ」

しかも、それだけではありません。

俺:「この看板を見て欲しい」

塩原渓谷看板_その1
【塩原渓谷看板】

子:「存外、滝が多いねえ」
娘:「コレ、竜化の滝って、前に行ったとこじゃん!」
子:「そうだねえ」
俺:「で、これらの滝が、全部、水量不足でショボかったら、どう?」
子:「……すげえイヤだ」
俺:「だろ?」
娘:「それは確かに、雨季とかに行くべき」

滝を廻る渓谷道も、結構、険しかったりして、
そうそう何度も行きたくなる感じではありませんでした。

俺:「だからさ、入口の回顧の滝だけ見て、帰ってきたワケ」
子:「ま、そう遠くないし、またリベンジすればいいんじゃね?」
娘:「いいね!その時は、あたしも連れてってよね」




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それは、今後の宿題ってことで…
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マイナー大滝

さて、熊川不動滝のすぐ下流には、千ヶ滝の落口が見えていました。

俺:「だが、ロープもない状況だから、千ヶ滝前まで下降するのは無理なワケ」
娘:「じゃあ、どうしたの?」

わたくし、じっくりと地形図を睨み込むと、
千ヶ滝の下流右岸から流入する赤宿沢を降って行けば、
何とかなるのではないかと推測。

俺:「そこで、車で大回りして、赤宿沢沿いに降ってみたんだ」

地図上には、途中、堰堤っぽいマークが3箇所ありました。
でも堰堤ならば、所詮は人の手が入ったモノですから、
さほど心配していませんでした。

ところが!

赤宿沢大滝_その1
赤宿沢大滝(目測落差40m)・上部概観】(群馬県吾妻郡長野原町応桑 『赤宿沢』

俺:「三つ目の堰堤マークが、実は、めっちゃ落差のある滝だったのだ!」
娘:「えええ? 地図まで当てにならないの?」
子:「いや、そういう問題じゃないし」

その昔、滝の上を、対岸に渡る橋でも架かっていたのでしょうか。
沢の左岸崖上、朽木に食い込んでいる、太い鉄線の残骸。

俺:「そういう意味では、確かに人の手が入っていた形跡はあったわ」
娘:「でもそれ、ぜんぜん堰堤関係ないじゃん」
俺:「そやな」

そして、ようよう近くの若木に抱き付いて川底を覗き込むと、
明らかに30mロープでは足らない高さ。

妻:「映像でも、滝壺が見えてないわね」
子:「そもそも、こんな水量じゃ、滝壺なんて無いし」
娘:「いやだから、問題は滝壺の有無じゃないでしょ」
子:「アレ? 水量の話だっけ?」
娘:「ちっがーう。お母さんは、滝壺が見えない位、落差があるねって言ってるの」
子:「それな」

赤宿沢看板
【赤宿沢・看板】

俺:「な? 見るからに藪沢なんだよ」
娘:「分かる分かる」
俺:「地図上、等高線も混んでないから、行けると思うじゃん」
子:「まあ、そうだろうねえ」
俺:「ところが、熊川は、右岸の方が弱点が無かったのだよ」

そうなのです。上流から下流まで、延々と続く土崖。
これなら、最初から50mロープを2本用意して、熊川不動滝から千ヶ滝まで、熊川左岸の緩傾斜を突いて下降するのが正解だったでしょうか。

俺:「結局、この大滝を降りることができず、千ヶ滝には行けなかったのだ」

赤宿沢大滝_その2
【赤宿沢大滝・落口付近】

子:「この滝、せめて、水流がわかる程度くらいは水量がないとねえ」
娘:「大雨降らないとダメでしょ」
妻:「大雨にそんな危険を犯すのは、絶対に許しません」
俺:「いや、行かね~から」

でも、こんなマイナーな大滝
間違いなく、まだ誰も、滝前に立ったことはないでしょうな。

俺:「そう思うと、ちょっとね」
子:「おや、若干の誘惑心?」
娘:「ナイナイ」




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魔法が醒める

浅間大滝から駐車場へ戻ると、今度は下流に向かって歩いて行きます。

子:「浅間大滝とセットの魚止めの滝!」
俺:「それや」
娘:「ねね、どうだった?」
俺:「それなりに美しい滝ではあった」
妻:「あら、おざなりな感想」

魚止めの滝@熊川_その1
魚止めの滝(落差10m)・概観】(群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢 『熊川』)

浅間大滝は、滝そのものが樹木に包まれていて、
「爽やかな木陰と、透明な水」って感じだったのです。

俺:「だが、魚止めの滝は明るく開けていたんだ」
娘:「問題ないじゃん」
俺:「そうして目に付く滝壺の泡の吹きだまり」
娘:「アワ?」
俺:「そう。川の汚れを連想させるアレな」
子:「へ?でも、透明な水なんだろ?」
俺:「木陰で見るとね」

そうなのです。

明るく開けた魚止めの滝まで来ると、何もかもがよく見え過ぎるせいか、
却って水の濁りが気になって、仕方がなくなってしまったのです。

子:「う~む、そうなのか……」

そうなると、わたくし、
さっき浅間大滝で感動した色々が、急に色褪せてきてしまったのでした。

魚止めの滝@熊川_その2
【魚止めの滝・上部アップ】

妻:「地図だと、上流にゴルフ場や住宅地があるわ」
娘:「あ~、悪い方にアタリだ」
子:「なんて残念」

あれですね、
浅間大滝だけ観瀑して、とっとと帰って来た方が良かったのかも知れません。

俺:「そして美しく感じたのは、もはや新緑だけだった」
妻:「……」
子:「なんだろ、浅間大滝で掛けられた魔法が、急激に醒めたみたいな……」
娘:「悲しいね」




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伝説の検証

俺:「見よ。この勝利の証を!」

ようやく手に入れることができた『ぐんま滝めぐり90選』
絶版になって久しく、古本でしか手に入らない状態が続いていたのですが、
先日、遂に、某書店さんの店頭で新品を発見したのでした。

娘:「え?黄ばんでるよ?」
俺:「お宝となって、長らく棚に埋もれてたからや」

出版されたのが2000年ですから、もう16年も前の本になります。
なので、新品であっても、多少の劣化は仕方がないのではないでしょうか。

俺:「しかし、群馬の滝巡りには欠かすことができないバイブルなのだよ」

そしてこの『ぐんま滝めぐり90選』には、ひとつの“伝説”がありました。

娘:「伝説?」
俺:「ああ。何でも、このガイドブックだけでは、滝に辿り着けないらしい」
娘:「はあ?その本、意味あんの?」

この、何と言いますか、
掲載地図がシンプルにデフォルメされ過ぎていて、
かえって使えないそうなのです。

俺:「と言うワケで」
娘:「……」
俺:「ジャーン!今回の遠征では、この“伝説”を検証してみました!」

不動の滝_その1
川原湯不動の滝(落差100m)中下段概観】(群馬県吾妻郡長野原町川原湯)

まず目指したのが、落差100mの高瀑「川原湯不動の滝」

妻:「で、どうだったの?」

『ぐんま滝めぐり90選』によると、
川原湯神社に車をとめて、徒歩で5分とのことだったのですが……

俺:「大きな新しい橋が出来てて、そこから観瀑できるようになってたわ」
妻:「ああ、八ツ場(やんば)ダムが出来るんだっけ」
俺:「おう、それ」

いずれ、ダム湖をまたぐことになるだろう、この不動大橋
橋の歩道には真新しい滝の看板が、橋の脇には新築の御堂が建っていました。

娘:「古いのはダムに沈んじゃうんだ」
俺:「せやな」
妻:「滝も水没するのかしら……」
俺:「まあ、下段部はダメなんじゃないかなあ」

不動の滝@群馬_看板
【川原湯不動の滝・橋上に新設された看板】

俺:「でも、メリットもあるんだぜ?」
娘:「何?」

以前の古い観瀑台から見ることができたのは、下段部40mのみ。
それが、不動大橋の新設によって、
中段部のほぼ全景が観瀑できるようになったのです。

俺:「『ぐんま滝めぐり90選』によると、中段部の落差は20mなんだが…」
娘:「もっとあるよ、コレ」
俺:「そうなのよ」

以前は、危険すぎて近づくことができなかった中段部。
落差も、おおよその推測値だったのでしょう。
ところが、全景が見渡せるようになると、より正確な落差が分かってくる……。

妻:「恐らく40~50mにはなるわね」
俺:「国土地理院地図でも、全部で100m以上になるから、妥当なところだな」
娘:「ねね、アップにして?」
俺:「まかせなさい」

不動の滝_その2
【川原湯不動の滝・中段部の直瀑部分】

娘:「悪くないじゃん」
妻:「これは、ダムの功罪、相半ばする感じね」
俺:「欲を言えば、もうちょい水量が多いと良かったんだけどね」

結局、「伝説の検証」第一弾川原湯不動の滝は、

行けることは行けた。
しかし、地図そのものは、古過ぎて使い物にならなかった。

というのが結論でございました。

娘:「なんか先が不安……」




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やっぱり

子:「南牧三名瀑は、やっぱり名瀑だった」

熊倉不動滝_その1
熊倉不動滝(落差30m)・上段部概観】(群馬県甘楽郡南牧村熊倉 『熊倉川』

この熊倉不動滝
象ヶ滝のすぐ下流にあるということで、
帰りに寄ってみたのですが……

妻:「民家の横を流れているのね」
俺:「滝は流れるじゃなくて、かかるじゃねえのか?」
子:「どう見ても、流れるだろコレ」

滝の左岸に、民家なのか知りませんが、崖に貼り付くように建っていて、
その脇を熊倉不動滝が落ちていきます。

うむ…
見ようによっては、流れているの方が相応しいかも知れない……。

娘:「ねね、この家、土石流とか大丈夫なの?」
子:「だよな。大水で流出しそうだ」
俺:「年季を感じさせる建物だったから、案外、大丈夫なんじゃないか」
妻:「上流にしっかり堰堤があるんでしょう」

そう言えば…

俺:「確かに、象ヶ滝手前に、土砂崩れを堰き止めてるデカイのがあったわ」

熊倉不動滝_その3
【熊倉不動滝・下段部アップ】

俺:「滝の形は、まあ、複雑だったんだよ」
子:「でも、わざわざ川床から見上げるまでもない」
娘:「民家が写り込むし、かえって全景写真とかいらないじゃん」
妻:「三名瀑とのギャップが激し過ぎるわ」

みんな:「「う~ん」」

子:「南牧三名瀑は、やっぱり名瀑だったということだ」
娘:「だね」



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