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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

全然違う

以前から、その特異な沢名が気になって仕方がなかった「ボンクラ沢」

子:「不動滝があるところだったっけ」
俺:「そうや」

三遠南信道の鳳来峡I.C.から、佐久間湖に沿って走る極細の県道1号線を走行すること約2時間半。
途中、このすれ違い不可能な狭小路で、何度も対向ダンプカーと遭遇しました。

俺:「まったく死ぬ思いをしたわ」
妻:「なんで、そんなにダンプが走ってるの。砂防工事?」

地図上では新豊根発電所と記されている所から、引っ切り無しに土砂をたっぷり積んだダンプが出入りしているのです。

子:「ダムに堆積した土砂を運び出しているんじゃね?」
俺:「う~む」

それでなくても、富山(とみやま)地区から降りてくる車があって、全く気を抜けない県道1号線。
ようやくボンクラ沢上に架かる不動橋に到着した時、わたくし、既にグッタリしていました。

水神滝_その1
水神滝(落差65m)・概観】(愛知県豊根村富山 『ボンクラ沢』

娘:「うわ、キレイな滝じゃん」
妻:「でも、映像のコントラストがキツイ?」
子:「上部がよく見えないし。ちょっとアップしよう」

水神滝_その3
【水神滝・上部アップ】

子:「おお。落差だけじゃなくて、意外と奥行きもあるじゃんか」
娘:「デカイし」

完全沢装備で不動橋から入渓し、ゆっくり遡行すること約30分。
右岸から大岩が迫っている箇所を抜けると、一気に眼前が開け、ドーンと水神滝が目に飛び込んで来ます。

俺:「滝前が開けていて、直射日光が差し込むもんだから、どうしてもコントラストが強くなってしまうんや」

水神滝_その2
【水神滝・二段目アップ】

みんな:「「おお!!」」

娘:「これは凄いヒョングリ!」
妻:「キレイに跳ねてる」
娘:「ココが、この滝のハイライト!」

二段目のヒョングリを見た途端、ワッと盛り上がる我が家。

子:「全然ボンクラじゃないねえ


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その時…

目的の「熊川不動滝」は、釜ヶ滝のすぐ下流にかかっています。

俺:「しかし、う~む。これは無理かなあ」

実は、ものの本『ぐんま滝めぐり90選』には、ロープ無しでも、何とか滝前に辿り着けそうな紹介文が載っていたのです。

俺:「滝前までのクライムダウンはいいとしても…」

釜ヶ滝から熊川左岸沿いに、傾斜の緩い箇所が続いています。
そこを辿れば、確かに、何とか行けないことも無さそうなのです。

俺:「でも、今日はロープとか置いてきたからなあ」

しかし、この緩傾斜面、最後の7~8mくらいが、ストーンと垂直に落ち込んでいて、ここの登り返しには、どう見ても30mロープが必要でしょう。
迂闊に行って、帰ってこれなくなったりしたら、それこそ大変。

俺:「仕方がない。とりあえず、近づけるだけ近づいてみるか」

熊川不動滝_その1
熊川不動滝(落差30m)・上段】(群馬県吾妻郡長野原町応桑 『熊川』

そうして撮影したのが、上の写真です。

子:「だが、上段しか写ってないってどうよ」

熊川不動滝は、途中、流身が「くの字」に折れ曲がっています。
今回、撮影できたのは、その折れ曲がる前の上段部分のみ。

俺:「仕方ねえだろ。ロープも無い、ハーネスも無いじゃ、危険は犯せん」
娘:「でも、もうちょっとくらい、滝壺を覗けなかったの?」
俺:「いやいや、コレでも、結構無理してるの!」
娘:「え~?証拠は?」
俺:「見よ。これが普通に撮った写真である!」

熊川不動滝_その2
【熊川不動滝・落口付近】

娘:「あ~」
子:「こりゃ、紛うことなきスマホ写真だ」
妻:「でも、この崖っぷち振りじゃ、スマホでも仕方がないわよ」

ですよね。
三脚を立てて…とか、まず不可能でしたから。

子:「まあ、却って秘境の滝っぽく写ってるんで、これもアリ?」
妻:「そうねえ」
俺:「だがな、いつか滝前に立つことがあれば、その時はちゃんとカメラを使ってやるぜ」
娘:「ねね、その時って、いつ?」


うむ……




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スマホの効用

地図上、熊川には下流にも、結構、滝がかかっているようです。
件の『ぐんま滝めぐり90選』の写真を眺めていると、
その中でも、特に「熊川不動滝」というのが気になりました。

俺:「いかにも秘瀑っぽいじゃないか」

国土地理院地形図で確認すると、「熊川不動滝」には名前が入っていません。
むしろ、そのすぐ下流にある滝に「千ヶ滝」と名前が入っていて、
こちらが主役っぽい。

俺:「連瀑帯やな」

早速、地形図を頼りに熊川左岸の廃道を進むと、
川床が見える、傾斜の緩くなった沢型を下って、熊川に降りました。

そしたら!

俺:「おお、地図に無い滝を発見!」

釜ヶ滝@熊川_その1
釜ヶ滝(落差4m)・全景】(群馬県吾妻郡長野原町応桑 『熊川』

娘:「写真が粗くない?」

わたくし、この滝を見つけた時、
当然の如く無名滝だと思っていました。

俺:「なので、手持ちのスマホでササッと撮ってオシマイ」
娘:「だからか」

ところが、家に帰ってきてから色々と調べてみると、
熊川が結構有名な「滝どころ」であり、
この滝にも、「釜ヶ滝」という立派な名があることがわかったのです。

子:「もったいないねえ」
俺:「仕方ない。所詮、記録用のスマホだし」
妻:「でも、予め分かってたら、ちゃんとカメラで撮影したでしょう?」
俺:「まあな」
子:「結局、事前調査不足だろ」
俺:「まあ…」
娘:「ていうか、『ぐんま滝めぐり90選』って、絶対ガイド本じゃないよね」
子:「目安本だろ、どう見ても」
俺:「………」

釜ヶ滝@熊川_その2
【釜ヶ滝・遠景】

最近のわたくし、カメラを取り出して設置して、満足できる構図とシャッターチャンスを追い求める、という撮影スタイルだけでは物足りなくなってきました。

俺:「とにかくスピードが求められる時に不便なんや」

なので、雑魚滝などは手持ちのスマホで記録するに留める、いわゆる「スマホ撮影」併用するスタイルに変化してきています。

俺:「やっぱり、オレのスマホはいいぜ?」
娘:「ただのスマホ自慢だし」
俺:「ちゃうわい!」

妻や長男君は流行りのアイフォンなのに対し、
わたくしだけ、海でも大丈夫な耐水スマホ。

これが、最近の観瀑で大活躍なのです!

俺:「見ろ。いつもならスルーする滝が、ちゃんと映像で観れるじゃないか」
娘:「いや、いいんだけどね~」
子:「映像が粗いのがなあ……」




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怖い滝

俺:「怖えー!!」

魚沼市の守門川上流、守門岳中腹にかかる「布引の滝」を目指しているのですが…

なんか登山道が色々と壊れていたり、劣化していたり、流されていたりして、
ちょっとでも油断したら、アッと言う間に足下の谷底に滑落しそうで、無茶苦茶怖い!

俺:「マジで、子どもたちを連れて来なくてよかったぜ…」

布引滝_その1
布引の滝(落差40m)・概観】  (新潟県魚沼市 『大雲沢』

冷や汗をダラダラ流しながら滝見テラスに到着すると…

俺:「ひえ~高い!」

今度は、50m以上はあると思われる断崖絶壁の上から、滝を覗き込むという、このスリル!
滝の落差は40mほどと聞いていましたが、もっとあるように見えます。

俺:「落差100mとか言われても、信じてしまうわ」

しかも、谷が余りにも垂直に切れ込んでいるため、谷底が見えません。
崖縁に近付いたが最後、アリ地獄のようにズルズルと引き込まれて、間違いなく転落しそう。

一応、丈夫そうな木々同士をトラロープで繋げてあって、
「これ以上は近づかないでください」みたいな感じにはなっています。

いますが…

俺:「意味があるのか? これ…」

布引滝_その2
【布引の滝・下部アップ】

俺:「そういうワケで、お前らを連れていく気が失せる、非常に怖い滝でした!」

ビデオ映像を前に、感想を加えるわたくし。

子:「この滝下部の黒くなっているところ!」
兄:「凄みがある」
娘:「続きを見たいってところで、ちょうど見えなくなるし!」
妻:「沢床までは見えないのね」

何というか、滝そのものが、
いかにも、峡谷の暗闇に吸い込まれてゆきますみたいな、独特の色具合。

子:「滝下から見上げたら、どんな風に見えるんだろう」
娘:「きっと圧倒的な滝シャワー!」
俺:「いやいや、谷が狭くて切り立っているから、見えるのは下段部だけ」
子:「ナルホド。滝の全体像が見えなくなるワケか…」

辺りの地形からも見ても、
この観瀑テラスから見下ろすのが、ベスト・ポジションだと思われます。

布引滝_その3
【布引の滝・落口アップ】

子:「逆に、落口の水量がショボ過ぎだねえ」
俺:「時期的には、こんなもんだろ」
妻:「上段よりも、下段の方が主役の滝ね」
娘:「あたし、上段と下段の間に、滝壺があると思うよ」

間。

兄:「それ!」
子:「それ、あるかも!」
娘:「なんとか確かめられない?」

一斉にわたくしに集まる家族の視線。

俺:「ムリムリムリ!」

画像では、充分には伝わらないかも知れませんが、渓谷の掘削ぶりは、半端じゃありません。
大雲沢を遡行するのも、わたくしの技量ではムリ。
ましてや、滝を登るなんてあり得ない!

俺:「とにかく、怖い滝ってことで諦めてくれ!」




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未知への憧れ


娘:「なんか汚い…」

県道のガードレールの切れ目から、いよいよ、谷底に向かって慎重に降ってゆきます。
その、少しキツめの斜面には、泥にまみれた空き缶やらビニールゴミやらがチラホラ。

俺:「これ、道路から投げ捨てられたんかな」
娘:「はあ? 許可されたバスしか通れない道なんでしょ」
俺:「そうです」
娘:「わざわざ窓を開けて、ポイする人なんかいるの?」

うむ…
いないですよね。

俺:「じゃあ、誰が捨てるんだろうな」
娘:「はあ~~~!」

これ見よがしに嘆息する嬢さん。

俺:「なんだ、その溜息は」
娘:「さっき、あたしたちが通って来た所って、なに?」
俺:「あっ!」

そうでした!
この県道って、乗鞍高原温泉スキー場のゲレンデを横切っているんだった。

娘:「この辺りも、きっと、冬はスキーヤーだらけだよ」

ふうむ。
なんか説得力がありますけど…

ほんとか?


三本滝の頭・連瀑帯最下段部(落差5m)・概観】  (長野県松本市安曇 『小大野川』

斜面には、ところどころ雪が残っていて、
気を付けないと、ズボッと踏み抜いてハマってしまいます。
一歩一歩足元を確かめ、沢靴(ピンソール付き)を雪に突き刺しながら、しっかり安全を期します。

娘:「ねね、川の水より、雪の方が冷たくないね」
俺:「フム…」

雪だと、すぐには水が滲みて来ないので、
沢靴&ネオプレンソックスのコンボが、より威力を発揮しているようですな。

そして、連瀑帯の最下段部から、さらに下流に向かって続く壮大な渓流瀑
…というか、ナメ床

娘:「ふわあ。イイね、ここ
俺:「沢床が赤っぽいのが独特だな」
娘:「なんで赤いの?」
俺:「温泉成分が付着するんだろ、きっと」
娘:「ふ~ん。ここも温泉滝なんだ」

いやいや、お嬢さん、何か勘違いしてませんか?
温泉成分が溶け込んだ水が落ちている滝と、温泉滝とは、まったく別モノなんですが。

三本滝ノ頭_その3
三本滝の頭・さらに下流の渓流瀑(落差7m)】

水勢が強く流れが早いので、
ナメ床を歩くのは避けて、岸伝いに、さらにさらに下流へと向かいます。

すると…

娘:「お父さん、あれ見て!
俺:「ふおおお!」

眼前で、突然、渓流瀑がスパッと途切れ、沢水がゴルジュへと吸い込まれてゆく!


ミニゴルジュへと落ちてゆく無名滝(落差15m)・落口】

娘:「ゴルジュ…」
俺:「なんちゅう景色じゃ」
娘:「これ以上は無理じゃん」
俺:「ああ、無理だ」


沈黙。


娘:「戻る?」
俺:「そうだな」

どことなく残念そうな娘。

娘:「この先、どんな景色が広がっているんだろう…」




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