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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

毒トク!

滝付近の崖が崩落し、長らく観瀑道が閉鎖されたままの「常布の滝」

当初は、観瀑道の入口に「立入禁止」の看板が掛かっていたのですが、
最近になって、この「立入禁止」の看板が裏返され、観瀑道そのものが無かったモノ扱いされ始めたらしい。

子:「親父、これはもう、行っとかないとヤバイんじゃね?」
俺:「せやな」
娘:「なになに、冒険するの?」
俺:「う~む。冒険と言うよりは、秘瀑探訪になるんだろうよ」
兄:「だが、百選の滝なら、いつかは行かねばなるまいて」
子:「うん、必然だ」
妻:「なら、準備をしっかりね」
俺:「了解ッス」
娘:「ねね、あたしじゃ行けなさそう?」
俺:「それは…ムムム」
妻:「今回は止めときなさい」
娘:「は~い」

と言うワケで、遂に、単独にて「常布の滝」に行って参りました!

常布の滝_その1
常布の滝(落差40m)・全景】(群馬県吾妻郡草津町草津白根国有林内)

常布の滝へのルートは、ポイントが3箇所あります。

第一に、沢型に沿って笹薮を降り、左側の崖下目掛けて左折するところ。

第二に、川沿いルート途上で、左側斜面を直上気味に方向転換するところ。

第三に、滝手前の崩落箇所で、下方のロープ残骸に惑わされず、対岸のルート道へたどり着くところ。


特に、最初のポイントである笹藪地獄で迷ってしまうと、
高確率で敗退するか遭難するらしいのです。

俺:「当然、俺は迷わなかったがな」
兄:「自慢するなし」
娘:「滝怪獣にはうってつけだったんでしょ」
妻:「滝怪獣って……また懐かしいフレーズ」
子:「もはや死語」

最近、観瀑の難易度レベルがだんだんと上がって来ているわたくし。
当初は、そんな滝へ行くと、妻をヤキモキさせたらしいのですが、
今では、ロック・クライミングがなければ、全く問題なし。

子:「親父のルート・ファインディング力も上がってると思うゼ」
兄:「一緒に行ってる奴が言うと、説得力が増すな」

まあまあ、そんなに誉められると照れちゃうじゃないですか。

妻:「慢心厳禁!
俺:「…ハイ」

常布の滝_その2
【常布の滝・落口】

当日は、滝前テラスにサンサンと陽が差し込む初夏の陽気。
滝前で、静寂な大自然の息吹を堪能させて頂きました。

兄:「いやコレ、映像だと轟瀑なんだが…」
俺:「フフフ。まさに動の中の静」
子:「わかる! 現地に行った者のみに許される至高の境地だよね!」
妻:「あら」
娘:「いいな~」

滝前には2時間くらい居たでしょうか。
バイノーラル録画を始めたお陰で、わたくし、美滝の滞在時間がドンドン長くなる傾向にあります。

兄:「ま、昼寝よりは意義があるんじゃね?」
俺:「はあ? 昼寝なんかしてないぞ?」
子:「親父、よく滝前で寝てたじゃん」
娘:「滝前瞑想と言う名の昼寝~」

うん、まずその誤解だらけなの、何とかしようか。

常布の滝_その3
【常布の滝・滝壺】

子:「ああ、これで関東の百選はコンプリートだね」
兄:「取りに相応しい名瀑だな」
娘:「でもあたし、この毒々しい崖が苦手かも」
子:「何言ってんだ。この染み出す温泉成分こそ、常布の滝のハイライトだろ」
妻:「ほんと、独特ね」
娘:「そ。毒トク!

毒トク……。




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マイナー大滝

さて、熊川不動滝のすぐ下流には、千ヶ滝の落口が見えていました。

俺:「だが、ロープもない状況だから、千ヶ滝前まで下降するのは無理なワケ」
娘:「じゃあ、どうしたの?」

わたくし、じっくりと地形図を睨み込むと、
千ヶ滝の下流右岸から流入する赤宿沢を降って行けば、
何とかなるのではないかと推測。

俺:「そこで、車で大回りして、赤宿沢沿いに降ってみたんだ」

地図上には、途中、堰堤っぽいマークが3箇所ありました。
でも堰堤ならば、所詮は人の手が入ったモノですから、
さほど心配していませんでした。

ところが!

赤宿沢大滝_その1
赤宿沢大滝(目測落差40m)・上部概観】(群馬県吾妻郡長野原町応桑 『赤宿沢』

俺:「三つ目の堰堤マークが、実は、めっちゃ落差のある滝だったのだ!」
娘:「えええ? 地図まで当てにならないの?」
子:「いや、そういう問題じゃないし」

その昔、滝の上を、対岸に渡る橋でも架かっていたのでしょうか。
沢の左岸崖上、朽木に食い込んでいる、太い鉄線の残骸。

俺:「そういう意味では、確かに人の手が入っていた形跡はあったわ」
娘:「でもそれ、ぜんぜん堰堤関係ないじゃん」
俺:「そやな」

そして、ようよう近くの若木に抱き付いて川底を覗き込むと、
明らかに30mロープでは足らない高さ。

妻:「映像でも、滝壺が見えてないわね」
子:「そもそも、こんな水量じゃ、滝壺なんて無いし」
娘:「いやだから、問題は滝壺の有無じゃないでしょ」
子:「アレ? 水量の話だっけ?」
娘:「ちっがーう。お母さんは、滝壺が見えない位、落差があるねって言ってるの」
子:「それな」

赤宿沢看板
【赤宿沢・看板】

俺:「な? 見るからに藪沢なんだよ」
娘:「分かる分かる」
俺:「地図上、等高線も混んでないから、行けると思うじゃん」
子:「まあ、そうだろうねえ」
俺:「ところが、熊川は、右岸の方が弱点が無かったのだよ」

そうなのです。上流から下流まで、延々と続く土崖。
これなら、最初から50mロープを2本用意して、熊川不動滝から千ヶ滝まで、熊川左岸の緩傾斜を突いて下降するのが正解だったでしょうか。

俺:「結局、この大滝を降りることができず、千ヶ滝には行けなかったのだ」

赤宿沢大滝_その2
【赤宿沢大滝・落口付近】

子:「この滝、せめて、水流がわかる程度くらいは水量がないとねえ」
娘:「大雨降らないとダメでしょ」
妻:「大雨にそんな危険を犯すのは、絶対に許しません」
俺:「いや、行かね~から」

でも、こんなマイナーな大滝
間違いなく、まだ誰も、滝前に立ったことはないでしょうな。

俺:「そう思うと、ちょっとね」
子:「おや、若干の誘惑心?」
娘:「ナイナイ」




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伝説の検証

俺:「見よ。この勝利の証を!」

ようやく手に入れることができた『ぐんま滝めぐり90選』
絶版になって久しく、古本でしか手に入らない状態が続いていたのですが、
先日、遂に、某書店さんの店頭で新品を発見したのでした。

娘:「え?黄ばんでるよ?」
俺:「お宝となって、長らく棚に埋もれてたからや」

出版されたのが2000年ですから、もう16年も前の本になります。
なので、新品であっても、多少の劣化は仕方がないのではないでしょうか。

俺:「しかし、群馬の滝巡りには欠かすことができないバイブルなのだよ」

そしてこの『ぐんま滝めぐり90選』には、ひとつの“伝説”がありました。

娘:「伝説?」
俺:「ああ。何でも、このガイドブックだけでは、滝に辿り着けないらしい」
娘:「はあ?その本、意味あんの?」

この、何と言いますか、
掲載地図がシンプルにデフォルメされ過ぎていて、
かえって使えないそうなのです。

俺:「と言うワケで」
娘:「……」
俺:「ジャーン!今回の遠征では、この“伝説”を検証してみました!」

不動の滝_その1
川原湯不動の滝(落差100m)中下段概観】(群馬県吾妻郡長野原町川原湯)

まず目指したのが、落差100mの高瀑「川原湯不動の滝」

妻:「で、どうだったの?」

『ぐんま滝めぐり90選』によると、
川原湯神社に車をとめて、徒歩で5分とのことだったのですが……

俺:「大きな新しい橋が出来てて、そこから観瀑できるようになってたわ」
妻:「ああ、八ツ場(やんば)ダムが出来るんだっけ」
俺:「おう、それ」

いずれ、ダム湖をまたぐことになるだろう、この不動大橋
橋の歩道には真新しい滝の看板が、橋の脇には新築の御堂が建っていました。

娘:「古いのはダムに沈んじゃうんだ」
俺:「せやな」
妻:「滝も水没するのかしら……」
俺:「まあ、下段部はダメなんじゃないかなあ」

不動の滝@群馬_看板
【川原湯不動の滝・橋上に新設された看板】

俺:「でも、メリットもあるんだぜ?」
娘:「何?」

以前の古い観瀑台から見ることができたのは、下段部40mのみ。
それが、不動大橋の新設によって、
中段部のほぼ全景が観瀑できるようになったのです。

俺:「『ぐんま滝めぐり90選』によると、中段部の落差は20mなんだが…」
娘:「もっとあるよ、コレ」
俺:「そうなのよ」

以前は、危険すぎて近づくことができなかった中段部。
落差も、おおよその推測値だったのでしょう。
ところが、全景が見渡せるようになると、より正確な落差が分かってくる……。

妻:「恐らく40~50mにはなるわね」
俺:「国土地理院地図でも、全部で100m以上になるから、妥当なところだな」
娘:「ねね、アップにして?」
俺:「まかせなさい」

不動の滝_その2
【川原湯不動の滝・中段部の直瀑部分】

娘:「悪くないじゃん」
妻:「これは、ダムの功罪、相半ばする感じね」
俺:「欲を言えば、もうちょい水量が多いと良かったんだけどね」

結局、「伝説の検証」第一弾川原湯不動の滝は、

行けることは行けた。
しかし、地図そのものは、古過ぎて使い物にならなかった。

というのが結論でございました。

娘:「なんか先が不安……」




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