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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

大いなる神秘

中の滝と並ぶ巨瀑の「西の滝」

俺:「西の滝は、通常、落差200mとされている」
娘:「うん」
妻:「え? それって、中の滝とは50mだけしか差がないってこと?」
俺:「そうや」
妻:「それにしては、西の滝が低く見えるんだけど…」
俺:「そこなんだよ」
娘:「ホントだ……。100mくらいに見えるかも?」
子:「う~む。言われてみれば……」

西の滝_その1
西の滝(落差200m)・概観】(奈良県上北山村小橡 『東ノ川渓谷』

西の滝は、全部で6段あるとされています。

俺:「しかし、よく見えるのが、下の5段目と6段目だけなんだな」
妻:「これね」

実は、上部の1段目から4段目まではゴルジュ帯となっていて、
プロの沢クライマーしか拝むことができないらしいのです。

子:「確かに、上の狭隘なゴルジュに滝があるのが分かるわ」

西の滝_その2
【西の滝・上部】

完全に岩間に隠れた4段目が、およそ落差45m。
しっかりした滝壺を持っているらしい3段目が、落差25m。
もはや写真ではよく分からない2段目が、落差30m。
そして、最上の1段目が落差20mとのこと。

娘:「おお、見えないとこだけで、120mもあるじゃん!」
俺:「そうなのよ」
子:「半分以上が見えてないのか!」
妻:「中の滝以上の秘瀑じゃないの」

一説には、中の滝と同じ、落差250mあるとも云われており、
滝上部の余りのゴルジュっぷりに、未だに正確な落差が測られたことが無いようなのです。

子:「う~む。これは、大いなる神秘ロマンを感じさせるねえ」

西の滝_その3
【西の滝・最下段6段目】

俺:「しかも、今では、許可が無いと立ち入れない保護区域になってしまった」
娘:「プロじゃないんだから、どっちみち、行けない事に変わりはない」
俺:「やかましいわ!」

そして、この写真を撮影していた辺りから、急に空が曇り始めました。

俺:「もうね、三脚畳んだら、速攻で歩き出したね」

大台ヶ原ビジター・センターに着いて暫くすると、
一気にとんでもない雷雨に。

俺:「そういうワケで、道なき尾根を最短で踏破しました」
子:「それ、なんか嫌な予感がするんだが…」
俺:「はい。東の滝はパスしました~」
子:「またか! またそのパターンなのか!」

すみません。




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スピード感

俺:「むう。どうするか……」

滝は一期一会。
この機会を逃せば、今度、いつ訪瀑できるのか見当もつきません。
しかし、天気予報を見れば、午後から辺り一帯は雷雨の予報。

俺:「雷雨は嫌だしなあ……」

以前、阿多野郷川東谷大滝で、嫌と言うほど体験した雷雨の怖さ。
あの再現だけは避けたいのです。

俺:「仕方ない。午前中の晴れ間に賭けてみるか!」

逡巡すること1時間。
結局、わたくし、
荷物を極限まで切り詰めて、晴れ間のスピード勝負に出ることにしたのでした。

中の滝_その1
中の滝(落差250m)上部遠望】(奈良県上北山村小橡 『東ノ川渓谷』

子:「うおっしゃあ、来た来た、中の滝だ!」
妻:「う~ん。これ、上半分しか写ってないわよ?」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから、
いつものような、ベスト・ポジションを探してとか、ベスト・タイミングを待ってとか、そんなのは一切端折りました。
仕方がありません。

俺:「中の滝が見えたら、即行で三脚を立てて、撮影を開始したからな」
子:「やっぱ中の滝はスゲえな!」
娘:「なんか、もったいなくない?」
妻:「百選滝のクライマックスの一つなんだし、もうちょっと何とかならなかったの?」
俺:「そうやなあ……」

一応、下部も撮影を試みはしましたよ。

娘:「どれ?」
俺:「ホレ!」

中の滝_その2
【中の滝・下部遠望】

娘:「なんだ、木が邪魔してるじゃん」
子:「それでも、やっぱり凄いぞ!」
妻:「しかも、録音の質が悪いわ」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから。

俺:「いつものバイノーラル録音だって、パスしたに決まってるだろう」
娘:「やっぱり、メッチャもったいない」
子:「いんや。そんこと、どうでもいいね!」
娘:「は? どうでもよくないことなんて、ないでしょ!」
子:「まずは、この日本離れしたスケール感を感じ取ろうゼ!」


間。


妻:「あなただけ、異様にテンションが高いわね」
娘:「あんたのお気に入りの滝だったっけ?」
子:「フ……」

わざとらしく前髪を掻き上げる次男君。

子:「オヤジ。この哀れな迷い人たちに、全体が分かる映像を見せてやって」
俺:「了解です」

中の滝&西の滝_その1
【中の滝(右)と西の滝(左)】

妻:「……」
娘:「ビミョ~」


間。


子:「なんか、スピード感溢れる写真だ……」






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最難関へ

弥山川コース登りだけの一歩通行
引き返すのは禁止されています。

俺:「コースの難易度が高過ぎて、危険だからな」

そうかと言って、脚力の衰えを感じている今のわたくしには、
日帰りで、狼平まで上がって、そこから下山用の尾根ルートを下るとか、
とてもムリだと思われます。

俺:「そこで、ショートカットすることにした」

つまり、土石流で流されてしまった河原小屋跡付近から、登山道の対岸に渡り、下りの尾根ルートに合流するバリエーション・コースを行くことにしました。

双門の滝_その3
双門大滝(落差70m)・概観】(奈良県天川村大字北角 『弥山川』

子:「やっぱスゲえ」
妻:「左岸の側壁が、恐ろしいくらい垂直ね」
娘:「どうやったらこんな崖ができるワケ?」
俺:「知らんがな」
兄:「なんで、こんなところに登山コース設ける気になったし」
子:「世にも稀な名瀑があるからだろ
兄:「……」
妻:「誰か、凄く情熱的な人が居たんでしょ」

一の滝・二の滝から双門大滝までは、垂直に水平に斜めに、ただひたすらにハシゴが続きます。

俺:「それだけじゃないぞ。すんげえ痩せ尾根とか…」
みんな:「「うんうん」」
俺:「鎖しかない垂直な岩場とかあるんだ」
娘:「うわ~」

見下ろせば、確実に「滑落=死」な高さ。

子:「さすがは百選の滝・最難関だねえ」
娘:「ねね、岩場、怖かった?」
俺:「むう。どうだろう」

ただ、鎖などの補助具が、よく考えられた場所にあるので、
「岩場の基本・三点支持」が出来ていれば、何も恐れる必要はありません。

俺:「むしろ、木の根で覆われた痩せ尾根の方が怖かったな」
兄:「わかる。木の根って、滑るからな」

双門の滝_その4
【双門大滝・落口アップ】

そういう難コースにもかかわらず、
当日は、何組もの登山者と出会いました。

俺:「最初の若者パーティーは、途中で川に降りて、水着になってウォーター・スポーツしてた」
兄:「ほう」
娘:「えーっと、なにそれ」

難コースな上に、
大概の方は、狼平まで上がるか、
“下り禁止にもかかわらず”、双門大滝で引き返すからでしょう。

俺:「まさか、あんな隠れスポットへ水泳&BBQに来るとか、相当の策略家だ」
子:「静かな大自然を独占…… いいなそれ」
俺:「ああ。透明なエメラルド色の川を独り占め」
妻:「凄い贅沢ね」
兄:「新しいアウトドア・スタイルなのか、それとも変人か」
娘:「ちょっとウラヤマシイ」
子:「…変人が?」
娘:「ちがう!」

あと、わたくしを追い越して、狼平まで登るパーティーが一組。
その他の三組は、双門大滝で引き返して行きました。

双門の滝_その5
【双門大滝・下部アップ】

双門大滝の観瀑テラスで英気を養うこと、約1時間。
そのあと、ショートカット・ルートを目指して、河原小屋跡へ向かいます。

俺:「でな、河原小屋跡までが、これまた結構な難ルートなんだ」

流石に、垂直や水平なハシゴこそ無くなりましたが、
引き続き、緊張を強いられるような道が続きます。

俺:「精神的には、双門大滝までの行きルートと同じくらい疲弊した」
妻:「だから、双門大滝で引き返す人がいるんだ」
俺:「そうだと思う」
子:「なるほどねえ」

ただ、わたくしとしては、滑落リスクを極力減らしたいので、
粛々と河原小屋跡へ向かいます。

俺:「結局、それで大正解だったんだな、これが」
子:「ほう」
兄:「ほう」
娘:「ねね、そこんとこ詳しく!」




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はああ?

事前調査では、「一の滝」「二の滝」までの道程も、相当厳しいだろうと予想していました。
しかし、実際にわたくしが登った感想は、

「岩場の基本『三点支持』ができていれば、心配することは何もない」

というのが、率直なところです。

あと、フェルト底の沢靴が絶大なる効果を発揮しました。

双門・一&二の滝_その1
【双門・一の滝&二の滝・概観】(奈良県天川村大字北角 『弥山川』

子:「まるで、写真集のような写真が撮れたな」
娘:「なんか威圧的じゃない?」
妻:「そう? 凄くキレイじゃない」
兄:「上部の明るい箇所は、ひょっとして朝陽か?」
俺:「そうや」
娘:「陽が昇り切るまで待てば、もっと美しい映像が撮れたってこと?」
俺:「いや、それはダメだろう。微妙な陰影が、全部白く飛んでしまうからな」
兄:「しかしこれ、圧倒的じゃね?」
子:「本命・双門大滝が無ければ、これが百選滝だったろ」
俺:「ウム。誠に」

やはり、この二滝だけでも、百選滝の風格のようなものが充分に感じられます。

双門・一の滝_その1
【双門・一の滝(落差30m)・概観】

当日は、登り始めこそヘッピリ腰でしたが、
フェルト底の沢靴の実力を実感する程に、登りに安定感が出てきたと思われます。

俺:「濡れた岩場もしっかりグリップしてくれて、沢靴で本当によかったわ」

手近な木に荷物をビレイすると、
カメラと三脚を持って、岩場の上をスタコラ移動。

僅か三十分程でしたが、双門の二滝を、心行くまで堪能しました。

150824_双門・二の滝_その1
【双門・二の滝(落差20m)・概観】

俺:「そうしてここから、かの有名な地獄の梯子が始まるのさ」
娘:「あの、ハシゴが延々と続くヤツだね」
兄:「全部で幾つあったんだっけ?」
俺:「数えてね~や」

後でネットで調べたら、「83箇所」という数字が上がっていました。

子:「で、三の滝は?」
俺:「スマン。パスした」
子:「は?」
俺:「時間が無くてな」
子:「はああ?」




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日本No.1

いわゆる「滝屋」と呼ばれる方々の間で、しばしば「日本No.1」に挙げられる
白山系の秘境の滝、「百四丈の滝」

わたくし、当初は滝壺にビバークして、その日本一であるところの所以を、全身全霊で体感してこようという計画を立てていました。

俺:「しかし、甘かったのだ!」
子:「は?」
娘:「まさか滝壺に泊まれなかったの?」
俺:「ああ」
子:「ええーっ!」
妻:「でも、あなた、『これで完璧だ!』とか言って、色々パッキングしてたでしょう」
俺:「ああ」

何というか、滝壺に辿り着く前に、色々力尽きたという感じでしょうか。

俺:「でもな、そのお陰で、美しい滝の全景を堪能することができたのだ!」
子:「……」
娘:「負け惜しみ?」
俺:「断じて違う!」

百四丈の滝_その3
百四丈の滝(落差90m)・全景】(石川県白山市尾添 『丸石谷』

子:「うおおっー!!」
妻:「これは……」
娘:「なんか圧倒的じゃない?」

そうなのです!
一言で言うと、ズバリ「完璧な直瀑」

子:「この、落口から滝壺まで何物にも触れることのない瀑水よ!」
娘:「それ!」
妻:「ちょっと、滝の王道を極めてない?」
娘:「それそれ!!」

しかも今回は、滝見場で3時間余りを過ごして、ガッツリ長時間「バイノーラル録画」をして来ました。

娘:「ねね、動画の迫力がスゴイんだけど…」
俺:「フフフ。まかせろや!」
子:「う~むスゲー」

百四丈の滝_その5
【百四丈の滝・滝壺アップ】

当初、わたくしが選んだのは、白山一里野温泉スキー場から加賀禅定道に入り、奥長倉避難小屋を経て、美女坂から天池へ到る二泊三日の登山道コースでした。

俺:「で、なんで滝壺まで行けなかったかと言うとだな……」

◆加賀禅定道が長すぎた
◆水場がゼロ
◆標高が上がって気温が下がるまでが長く、暑さでバテバテ
◆天池から百四丈の滝へ下るルートの登り返しが、現装備ではムリだと判断
◆急に予報が変わり、三日目の天候が崩れることに


妻:「つまり、色々と足りなかったのね」
俺:「すまない」

まず、初日に熱射病寸前となって、正午には、奥長倉避難小屋で体調回復のために、早々と宿泊モード。

俺:「ホントは、初日の内に滝壺まで降りる予定だったんだけど……」

次に、翌日の天池から百四丈の滝へ向かって下るバリエーション・ルートで、現状の沢靴とピンソールではスムーズな登り返しができず、途中で体力が尽きると判断。

俺:「30分ほど降ったところで、早々に諦めて登り返したんだがな…」
娘:「うん」
俺:「笹で滑って滑って、1時間半かかりました」
娘:「うわあ……」

もし、仮に百四丈の滝へ挑戦し直すなら、

●滝壺には泊まらず奥長倉小屋で二泊とし、テントの類を無くす
●水は4L持ち、うち2Lを奥長倉小屋にデポする
●ピンソールではなく、アイゼンを携行する


こんな感じにすると思います。

娘:「水不足はどうしたの?」
俺:「天池の水を煮沸して、冷ましてからペットボトルに詰めたわ」
妻:「そんなの飲んで大丈夫なの?」

登山地図では、一応「煮沸飲料可」とはなっていましたが……

俺:「煮沸してる間、お湯の中を赤色のヒモ状ものが駆け回るんだよ」
娘:「ちょっと!」
俺:「冷ますと消えるんだけどね」

できれば、あまり飲みたくなかったです。

百四丈の滝_その4
【百四丈の滝・落口アップ】

俺:「でも、滝見場からの景色は素晴らしかったぜ!」
子:「まあ、一部分をド迫力アップよりは、美しい全景が先なのは認める」
娘:「それはそうだ」
妻:「ま、そうよね」

うむ、
我が家の総意は、やはり、「まず全景を!」。

俺:「そういうワケで、今回、百四丈の滝壺は俺の力量を超えていたということで、勘弁して欲しい」
妻:「大丈夫。これだけで充分に日本ナンバー・ワンだって伝わってくるから」

おお、妻が優しい!

子:「そりゃ日本一は、どこから見ても日本一だしな!」
娘:「そうだ。お父さん頑張った!」

おおお!!




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