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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

マスター?

人だらけの雲井の滝をちょっとだけ観瀑すると、直ぐに双竜の滝への巻き道を探し始めます。

俺:「確か、雲井の滝の下流左岸にあったハズだよな」

お気軽な服装の観光客に混じって、わたくし一人だけ、本気モードのアウトドア・スタイル。
滅茶苦茶浮きまくりですが、松見の滝・観瀑から戻ってきたばかりで、着替える気力も時間もないですし、腹を括るしかありません。

俺:「あれあれ? 双竜の滝へ行くのは俺だけ?」

「一人だけ、アウトドア・スタイル!」の功徳でしょうか。
団体観光客だらけの雲井の滝と違って、急に人気(ひとけ)が無くなりました。

双竜の滝_その1
双竜の滝(落差30m)全景】(青森県十和田市『奥入瀬川支流・養老沢』


子:「ほう。なかなか好い滝じゃないか」
俺:「そうだろう」

柱状節理が剥き出しになった断崖を、滝壺まで一切壁に触れることなく落水する、いわゆる「完璧な直瀑」です。

子:「美しいぜ。百四丈の滝を彷彿とさせるねえ」
娘:「でも、百四丈の滝と違って、滝姿がカーテン状に広がってくじゃん」
俺:「まあな」
妻:「そこら辺が、双竜のネーミングの由縁じゃない?」
子&娘:「「あ~」」
妻:「きっとあれよ。水量が少なくなると、完璧な双竜の姿になるのよ」

う~む。どうなんでしょう。
こればっかりは、減水期に来てみないと何とも言えません。

娘:「じゃあ、冬が近づいたらさ…」
妻&俺:「「それは絶対ムリ!」だから!」

双竜の滝_その2
【双竜の滝・アップ】

俺:「個人的には、この双竜の滝こそ、奥入瀬川渓流の白眉だと思う」
娘:「じゃあ、なんで人が来てなかったの?」

それは、雲井の滝から双竜の滝への巻き道が本格的にヤバいからです。

妻:「ヤバいって?」
俺:「まず、巻き道の出だしが、国道102号線の20mほど上を歩く落石厳禁地帯だからだ」

落石なんか起こしたら、あっと言う間に刑事事件でしょう。
「双竜の滝・巻き道」などの表示が一切無いのは、その為かも知れません。

俺:「さらに、巻き道が本格的に荒れていて、山慣れない人や素人さんは谷底に滑落しかねない」

巻き道が国道から離れて養老沢沿いになると、今度は、倒木やら斜面の崩れやらで道が荒れていて、フッと気を抜くと、足下30mの谷底へ滑落してしまいます。

子:「あ~、クロックスなんか履いた観光客にはムリだ」
俺:「そうなのよ」
娘:「でもさ…」
俺:「何だよ」
娘:「やっぱり、お父さんの本格アウトドア・スタイルが、全てだと思うよ」

なんだそりゃ?

子:「あ~、分かるわ。あの余人を寄せ付けない感じ」
妻:「何も考えずに跡をついていったら、大変なことになるオーラがムンムン」
娘:「でしょ! そう考えると、お父さんってプロじゃない?」
俺:「はあ?」
子:「確かに、アマチュアからは逸脱してるねえ」
娘:「なんか、マスター?って感じ」




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日本離れ

俺:「スゲー! 日本離れしてら」

わたくし、遂に東北の難関「百選の滝」、『松見の滝』前に立ったのでした。

松見の滝_その2
松見の滝(落差90m)概観】(青森県十和田『黄瀬川』

支流・黄瀬川が奥入瀬川に流入する辺りに、松見の滝・観瀑者向けと思われる駐車スペースがあります。

俺:「朝早いのに、地元の軽トラが止まってるな……」

そこに駐車すると、いよいよ片道4時間近い林道歩き。
熊対策として撃退用スプレーと熊鈴2個をセットすると、ゲート脇をすり抜けて林道に入ります。

俺:「あれ? なんでこんなところに自転車が?」

途中、いかにもママチャリといった感じの自転車が、川辺に止めてありました。
よく見ると、色々と釣り関係の道具が積んであるようです。
恐らくは、先ほどの軽トラ持ち主さんではないでしょうか。

俺:「釣り師か。こんな早朝から、こんな奥地まで自転車持ち込みなんて、スゲー執念やな」

松見の滝_その3
【松見の滝・アップ】

子:「いやいや、釣り師から見たら、親父こそストーカーだから!」
俺:「は?」
娘:「わざわざ重い撮影機材背負ってるしね」
妻:「でも、ストーカーとかは酷いんじゃないの?」
娘:「せめて滝狂いだよね」
妻:「もっと酷いじゃない……」

久々にバイノーラル録音にて長時間動画を撮影したので、その映像を皆で楽しみながら、わたくしが折々に解説を入れて行きます。

俺:「あと、途中で民間会社の私有地を通らせて頂くんだけどな」
みんな:「「うん」」
俺:「管理人と思われる人が、猟犬を2匹連れて見回りしてたのには驚いた」
娘:「猟犬?」
俺:「おう。でっかいオオカミみたいでビビるで!」
子:「熊か。 熊対策なんだろ?」

道中、2回熊と接近遭遇しましたので、確かに熊対策というのはあるでしょう。

俺:「でも、こちらの担いでいた三脚をジーッと見てたから、違法な釣りや採取を取り締まってたんだと思うぞ」
妻:「釣具かどうか、見られてたってコト?」
俺:「そう。威圧感が半端なかったぜ」
子:「国立公園だからねえ」

でもまあ、見れば滝見に来たことがすぐに分かる格好でしたから。

妻:「いえいえ。沢靴に渓流用スパッツにヘルメット。これでカメラと三脚がなければ、間違いなく釣り師ね」
子:「言われてみれば、オヤジみたいな本格的滝見って、釣り師と区別が付かねえ」
娘:「ホントだ」


……。


松見の滝_その4
【松見の滝・アップ】

俺:「滝もスゲえんだが、周りの景観に圧倒されたね」
子:「火山性の渓谷だっけ」
俺:「そうや」
娘:「柱状節理?」
俺:「そうや」

わたくしが見たのは滝周りの景観だけですが、
実は、滝の下流からずっと、見事な柱状節理の断崖が続くのだそうです。

俺:「あまりに周りが凄いので、最初、滝の落差が60m位に見えたんだけどな」
みんな:「「うん」」
俺:「滝に近づいたら、全てが日本離れしたスケールだったことに気がついた」
妻:「なんか凄いわね」

近づけば近づくほどに、自分の小ささが実感されます。

娘:「ねえ、なんかそれ、どっかで聞いたことある」
子:「三重の大杉谷と似てね?」
娘:「それだ!」




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大いなる神秘

中の滝と並ぶ巨瀑の「西の滝」

俺:「西の滝は、通常、落差200mとされている」
娘:「うん」
妻:「え? それって、中の滝とは50mだけしか差がないってこと?」
俺:「そうや」
妻:「それにしては、西の滝が低く見えるんだけど…」
俺:「そこなんだよ」
娘:「ホントだ……。100mくらいに見えるかも?」
子:「う~む。言われてみれば……」

西の滝_その1
西の滝(落差200m)・概観】(奈良県上北山村小橡 『東ノ川渓谷』

西の滝は、全部で6段あるとされています。

俺:「しかし、よく見えるのが、下の5段目と6段目だけなんだな」
妻:「これね」

実は、上部の1段目から4段目まではゴルジュ帯となっていて、
プロの沢クライマーしか拝むことができないらしいのです。

子:「確かに、上の狭隘なゴルジュに滝があるのが分かるわ」

西の滝_その2
【西の滝・上部】

完全に岩間に隠れた4段目が、およそ落差45m。
しっかりした滝壺を持っているらしい3段目が、落差25m。
もはや写真ではよく分からない2段目が、落差30m。
そして、最上の1段目が落差20mとのこと。

娘:「おお、見えないとこだけで、120mもあるじゃん!」
俺:「そうなのよ」
子:「半分以上が見えてないのか!」
妻:「中の滝以上の秘瀑じゃないの」

一説には、中の滝と同じ、落差250mあるとも云われており、
滝上部の余りのゴルジュっぷりに、未だに正確な落差が測られたことが無いようなのです。

子:「う~む。これは、大いなる神秘ロマンを感じさせるねえ」

西の滝_その3
【西の滝・最下段6段目】

俺:「しかも、今では、許可が無いと立ち入れない保護区域になってしまった」
娘:「プロじゃないんだから、どっちみち、行けない事に変わりはない」
俺:「やかましいわ!」

そして、この写真を撮影していた辺りから、急に空が曇り始めました。

俺:「もうね、三脚畳んだら、速攻で歩き出したね」

大台ヶ原ビジター・センターに着いて暫くすると、
一気にとんでもない雷雨に。

俺:「そういうワケで、道なき尾根を最短で踏破しました」
子:「それ、なんか嫌な予感がするんだが…」
俺:「はい。東の滝はパスしました~」
子:「またか! またそのパターンなのか!」

すみません。




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スピード感

俺:「むう。どうするか……」

滝は一期一会。
この機会を逃せば、今度、いつ訪瀑できるのか見当もつきません。
しかし、天気予報を見れば、午後から辺り一帯は雷雨の予報。

俺:「雷雨は嫌だしなあ……」

以前、阿多野郷川東谷大滝で、嫌と言うほど体験した雷雨の怖さ。
あの再現だけは避けたいのです。

俺:「仕方ない。午前中の晴れ間に賭けてみるか!」

逡巡すること1時間。
結局、わたくし、
荷物を極限まで切り詰めて、晴れ間のスピード勝負に出ることにしたのでした。

中の滝_その1
中の滝(落差250m)上部遠望】(奈良県上北山村小橡 『東ノ川渓谷』

子:「うおっしゃあ、来た来た、中の滝だ!」
妻:「う~ん。これ、上半分しか写ってないわよ?」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから、
いつものような、ベスト・ポジションを探してとか、ベスト・タイミングを待ってとか、そんなのは一切端折りました。
仕方がありません。

俺:「中の滝が見えたら、即行で三脚を立てて、撮影を開始したからな」
子:「やっぱ中の滝はスゲえな!」
娘:「なんか、もったいなくない?」
妻:「百選滝のクライマックスの一つなんだし、もうちょっと何とかならなかったの?」
俺:「そうやなあ……」

一応、下部も撮影を試みはしましたよ。

娘:「どれ?」
俺:「ホレ!」

中の滝_その2
【中の滝・下部遠望】

娘:「なんだ、木が邪魔してるじゃん」
子:「それでも、やっぱり凄いぞ!」
妻:「しかも、録音の質が悪いわ」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから。

俺:「いつものバイノーラル録音だって、パスしたに決まってるだろう」
娘:「やっぱり、メッチャもったいない」
子:「いんや。そんこと、どうでもいいね!」
娘:「は? どうでもよくないことなんて、ないでしょ!」
子:「まずは、この日本離れしたスケール感を感じ取ろうゼ!」


間。


妻:「あなただけ、異様にテンションが高いわね」
娘:「あんたのお気に入りの滝だったっけ?」
子:「フ……」

わざとらしく前髪を掻き上げる次男君。

子:「オヤジ。この哀れな迷い人たちに、全体が分かる映像を見せてやって」
俺:「了解です」

中の滝&西の滝_その1
【中の滝(右)と西の滝(左)】

妻:「……」
娘:「ビミョ~」


間。


子:「なんか、スピード感溢れる写真だ……」






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ナベの耳

双門大滝から河原小屋跡までの道程は、中々しんどいものがありました。

俺:「寧ろ、垂直ハシゴ連続の方が、なんぼか安心かも知れない」

ただ、途中で眼下に、何度も滝らしきものが見えたりして、
景色としては飽きることがありません。

双門・三蛄滝_その2
双門・三鈷滝(落差15m)・遠望】(奈良県天川村大字北角 弥山川

河原小屋跡の手前まで来ると、
対岸にお目当ての赤テープが吊るされた木を探します。

俺:「おお、あったあった。これやな」

ここが、ショートカットのためのバリエーション・ルートの入り口になります。
試しに少し登ってみると、極上のテン場がありました。

俺:「おお、結構安全そうな場所やんけ」

古く割れた酒瓶とかがあったので、
昔から使われている、知る人ぞ知る“穴場の”テン場なのかも知れません。

俺:「万一の時は、ここでビバークできるのか。使わんけど」

双門・目印_その1
【河原小屋跡下流左岸の赤テープ(下流から)】

当初、計画の段階では、弥山川左岸に合流する谷型地形を少し遡って、1543mの鞍部に抜ける予定でした。
ところが実際に来てみると、この谷型地形が想像していたよりも険しく感じられ、ヤル気がかなり萎えてしまいました。

俺:「これは、身の危険を感じさせる嫌な登りや」

そこで、以前に登られていたとされる旧登山道と同様のコースを辿ることに変更。
傾斜こそ急ですが、普通に登ってゆける斜面でした。
その斜面を登ること約20分。下草だけのテラスみたいな場所に辿り着きます。

俺:「この辺りから、トラバースが始まる筈なんだが…」

少し休憩を取って水分を補給すると、
ちょっと上がった所に、昔の登山道の名残と思われるロープの残骸を発見。
そうして途切れ途切れのロープを目印に、トラバースを続けること10分ほど。

俺:「おお。なんかアッという間じゃんか」

遂に、ナベの耳に辿り着くことができたのです。

双門バリエーション・ルート
【実際のルート(実線)と、計画ルート(破線)】

俺:「そういうワケで、河原小屋跡からナベの耳に抜けるルートが、予想を遥かに超えた安定ルートだったのだ!」
娘:「ナベの耳?」
兄:「鍋の取っ手みたいな地形があるんじゃね?」
妻:「あるの?」
子:「地図上では、判読不能だねえ」

いや、だから、ナベの耳なんかどうでもよくて、
わたくしの選択がドンピシャだったことを自慢したいんだが…

妻:「こんな感じのゆったり尾根なら、私でも歩けそうね」
子:「うん。実際に、美しい森林浴コースとして紹介されているよ」
娘:「この尾根ルートからなら、あたしでも双門の滝に行けそう?」
兄:「無理なんじゃね?」
子:「あの親父が疲弊したって言ってるし、厳しいと思うよ」
妻:「そうね。ナベの耳までで我慢しておきなさい」
娘:「だよね~」

だから、わたくしのドンピシャな判断力を……

兄:「それにしても、なんでナベの耳とか言うワケ?」




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