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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

哀しいね

俺:「金引の滝に行ってみて、もう一つガッカリしたことがある」
娘:「何?」
俺:「さらに二つの衛星滝が、『観光』の犠牲になってるんだな」
子:「あ~、そういうことかあ」

白竜の滝_その1
白竜の滝(落差5m)・全景】(京都府宮津市字滝馬)

俺:「まず、この白竜の滝金引の滝の直ぐ手前にあるんだけど…」
みんな:「「うん」」
俺:「すぐ横が遊歩道なんだ」
みんな:「「あ~……」」

白竜の滝の直ぐ側には「北向地蔵尊」の小さな祠があって、
滝前にはベンチまで置かれているのですが……。

妻:「落口の向こうに遊歩道が見えちゃってるじゃない」
俺:「そうなのよ」
子:「ベンチに座る意味、無くね?」
娘:「見事に、滝がやられちゃってる」

臥龍の滝_その1
臥龍の滝(落差5m)・概観】(京都府宮津市字滝馬)

こちらの臥龍の滝は、右岸側壁上がそのまま遊歩道。

妻:「で、遊歩道から撮影したってワケ?」
俺:「そや」
子:「ゴルジュっぽい、いい感じなのに」
娘:「ねね、滝下から撮影できなかったの?」

遊歩道を下ったところから渓流に入れば、
恐らく簡単に撮影できるものと思われます。

俺:「だがな、そのためだけに靴を濡らす必要性を感じなかったのさ」
妻:「え? あなた、沢靴履いてたんじゃないの?」

それはもちろん、履いてました。

俺:「沢靴って言ったって、濡れれば気持ち悪いのは同じだから」
妻:「あ~……」
娘:「つまり、その程度の価値も感じなかった…」
俺:「そうや」

しかも、本来、本瀑の金引、衛星瀑の白竜臥龍の三滝をまとめたものを「金引の滝」と総称するのだそうです。

妻:「言われないと、誰も、そうは思わないんじゃない?」
娘:「だよね」
子:「哀しいね」
俺:「ああ」




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これもか!

関西圏の百選滝ながら、長らく“放置”したままだった
京都府にある金引の滝

娘:「なんで行ってなかったの?」

それは、わたくし自身が、金引の滝にあまり魅力を感じていなかったというのが、最大の理由でしょう。

妻:「具体的に言うと?」
俺:「そうやなあ……」

第一に、滝の魅力と言うよりは、天橋立観光の一環としての位置づけの方が、大きく感じられること。

子:「あれか!木曽の男滝女滝みたいな感じか!」
俺:「そうそう。滝はオマケや」
妻:「確か、馬籠宿と妻籠宿を結ぶ、中山道観光の一環だった滝ね」
俺:「その通り」
娘:「ナルホド、思い出しました」

第二に、「日本を代表する観光地には、必ず、百選滝があるべき」みたいな、選考上の(我が家にとってはどうでもいい)基準が見え隠れすること。

俺:「あれだよ。『富士山白糸の滝あり!』みたいな」
子:「ああ、あのトイレ臭漂う滝!」
俺:「それそれ」
娘:「ゲンナリだったよね」
妻:「滝自体は凄いのに」

こう、
「観光」という美名の下、滝の存在感がスポイルされている感じですね。

子:「ふむ。で、実際の金引の滝の映像は?」
俺:「これだ」

金引の滝_その1
金引の滝(落差40m)・概観】(京都府宮津市滝馬)

妻:「悪くはないわ」
娘:「キレイだとは思うよ」

金引の滝_その3
【金引の滝・右岸側から】

娘:「でもなあ……」
子:「何かもの足りない」

皆:「「だね~」」

俺:「そこでだ」
皆:「「うん」」
俺:「主役、天橋立要素が登場するのさ!」
皆:「「おお!!」」
子:「これも、『合わせ技、一本!』だったか!」




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体験派

俺:「そういうワケで、本瀑下流の渓流瀑群も、写真を撮ってきたぞ」
子:「ほほう」
妻:「これは楽しみ」
娘:「ここは超・どアップで!」

ジャーン!!

笹の滝_渓流2
笹の滝・本瀑下流の渓流瀑群その1】(奈良県十津川村内原 『滝川』

妻:「……普通の渓流?」
子:「キレイな滑状ではあるねえ」
娘:「でも、この黒い斑点が汚く感じない?」
子&妻:「「う~ん」」

どうでしょう。
撮影時刻が夕方だったというのも、大きく影響してると思いますけど。

子:「ナルホド。全体的に陰ってるワケだ」
妻:「さらに、黒い部分が全体の印象を暗くしてるのね」

笹の滝_渓流1
笹の滝・本瀑下流の渓流瀑群その2】

娘:「水はキレイなエメラルド・グリーン!」
子:「紀伊半島て、こういう感じ、多いねえ」

そう言えば、不動七重滝がそうでしたっけ。

娘:「あと、清納の滝もね」
妻:「これ、大峰ブルーって言うんだっけ?」
子:「いや、むしろ紀伊ブルー?」

わたくしとしては、栃木とも長野とも違う、
奈良ブルーって感じですが。

娘:「うん。それは何か勘違いしてるだけだと思う」

笹の滝_渓流3
笹の滝・本瀑下流の渓流瀑群その3】

妻:「微妙な……」
子:「だな。少なくとも、映像からは、その素晴らしさが伝わってこないねえ」

ま、人・人・人で大人気でしたから、
その場に行って、実際に触れてみないとダメな滝なのでしょう。

娘:「笹の滝って体験派なんだ」




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合わせ技

娘:「また有名どころの滝だ」
俺:「まあね。今回のツアーは百選滝優先だったからな」

笹の滝_その1
笹の滝(落差30m)・概観】(奈良県十津川村内原 『滝川』

奈良県には四つの百選滝があります。

双門の滝
不動七重滝
中の滝

笹の滝

その中で、最も落差が無く、且つ、最も人が多かったのが、
この「笹の滝」でした。

俺:「夕方近くに行ったのに、もうね、人だらけ」
子:「なんでだろ」
娘:「落差、低いのにね」
妻:「美瀑だから?」
子:「でも、この程度の美瀑なら、奈良県には山ほどあるんだけど」

確かに、奈良県には落差のある巨瀑や美瀑がひしめいています。
“ただの美瀑なだけ”だったら、ここまで人は来ないでしょう。

娘:「ねね、どんな観光客が多かった?」
子:「そりゃ、みんな観瀑に決まってるし」
娘:「だからそうじゃなくて! 水着の人とか、カメラマンとか…」
妻:「バーベキューの人とか?」
娘:「それそれ! 来てる人を見たら、その秘密が分かるんじゃない?」
俺:「フム……」

それなら、
カメラを抱えた観瀑客と、子連れファミリーが多かったでしょうかね。

子:「おお、ナルホド!」
娘:「なんか分かった?」
子:「……よく分からんということが、分かった」

笹の滝_その2
【笹の滝・本瀑アップ】

娘:「キレイで深そうな滝壺」
子:「まあ、本瀑の滝姿が、バランス取れているのは認めざるを得んな」
妻:「ああ、それじゃない?」
俺:「どれだよ」
妻:「だから、まわりの景観、アプローチのし易さ、美しさ…」
娘:「ああ」
妻:「そういったトータルのバランスが取れてるのよ」
子:「それだ!」
俺:「むう」

ちなみに次男君のバイブルをひも解くと、
とりわけ本瀑下流の渓流の評価が高くなっていました。

娘:「あれだ。よくある合わせ技ってヤツ?」
俺:「だからそれが、トータル・バランスな」
子:「おお、まさに合わせ技で一本!
俺:「だから…」
娘:「ねね、来たでしょ!」

やいのやいのと盛り上がる子供達。

妻:「でもね、一番の要因は、百選に選定されたことだと思うの」


……。





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スピード感

俺:「むう。どうするか……」

滝は一期一会。
この機会を逃せば、今度、いつ訪瀑できるのか見当もつきません。
しかし、天気予報を見れば、午後から辺り一帯は雷雨の予報。

俺:「雷雨は嫌だしなあ……」

以前、阿多野郷川東谷大滝で、嫌と言うほど体験した雷雨の怖さ。
あの再現だけは避けたいのです。

俺:「仕方ない。午前中の晴れ間に賭けてみるか!」

逡巡すること1時間。
結局、わたくし、
荷物を極限まで切り詰めて、晴れ間のスピード勝負に出ることにしたのでした。

中の滝_その1
中の滝(落差250m)上部遠望】(奈良県上北山村小橡 『東ノ川渓谷』

子:「うおっしゃあ、来た来た、中の滝だ!」
妻:「う~ん。これ、上半分しか写ってないわよ?」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから、
いつものような、ベスト・ポジションを探してとか、ベスト・タイミングを待ってとか、そんなのは一切端折りました。
仕方がありません。

俺:「中の滝が見えたら、即行で三脚を立てて、撮影を開始したからな」
子:「やっぱ中の滝はスゲえな!」
娘:「なんか、もったいなくない?」
妻:「百選滝のクライマックスの一つなんだし、もうちょっと何とかならなかったの?」
俺:「そうやなあ……」

一応、下部も撮影を試みはしましたよ。

娘:「どれ?」
俺:「ホレ!」

中の滝_その2
【中の滝・下部遠望】

娘:「なんだ、木が邪魔してるじゃん」
子:「それでも、やっぱり凄いぞ!」
妻:「しかも、録音の質が悪いわ」

そりゃまあ、スピード勝負でしたから。

俺:「いつものバイノーラル録音だって、パスしたに決まってるだろう」
娘:「やっぱり、メッチャもったいない」
子:「いんや。そんこと、どうでもいいね!」
娘:「は? どうでもよくないことなんて、ないでしょ!」
子:「まずは、この日本離れしたスケール感を感じ取ろうゼ!」


間。


妻:「あなただけ、異様にテンションが高いわね」
娘:「あんたのお気に入りの滝だったっけ?」
子:「フ……」

わざとらしく前髪を掻き上げる次男君。

子:「オヤジ。この哀れな迷い人たちに、全体が分かる映像を見せてやって」
俺:「了解です」

中の滝&西の滝_その1
【中の滝(右)と西の滝(左)】

妻:「……」
娘:「ビミョ~」


間。


子:「なんか、スピード感溢れる写真だ……」






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