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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

滝じゃねえ!

娘:「え? これちょっと酷くない?」
俺:「やっぱ、そうなるか」
娘:「観光対策にしたって、節操無さ過ぎじゃないの?」
俺:「うむむ。そこまで言いたくはないが……」

昇竜の滝@竜吟_その1
昇竜の滝(落差3m)・概観】(岐阜県瑞浪市釜戸町 『竜吟峡』

そう。
それは、昇竜の滝とは名ばかりの、なんというか急流っぽい流れ。

子:「市街地に近いと、カスにも名前が付いちゃうの法則か!」
娘:「それだ!」

いや、カスって、それどうなの?

俺:「これでもマシなほうだぞ。何故なら、これはまだ滝らしいのだ」
娘:「は?」
子:「まだ、だと?」

あんまの滝@竜吟_その1
あんま滝(落差1m)・概観】(岐阜県瑞浪市釜戸町 『竜吟峡』

娘:「うわあ……」
俺:「だろう?」
子:「ここまで開き直られると、いっそ清々しいわ」


間。


娘:「……滝じゃないよね、コレ」
子:「どう見ても滝じゃねえな」

まあ、否定はしません。

娘:「ねね、名付けの犯人って、地元の観光協会なの?」
子:「いや……。それ、ひょっとしたら、国土地理院かも知れんぞ?」
娘:「どゆこと?」

ササッとスマホで「ウォッちず」を検索していた次男君。

子:「ほら、見てみ?」

国土地理院地図より竜吟峡
【国土地理院地図上・竜吟峡】

娘:「ホントだ。全部に立派な滝マークが付いてるじゃん」
子:「むしろ、地元は胸張って『滝だ!』とか言ってるんじゃね?」
娘:「お上のお墨付きだから?」
子:「フハハハ!」

う~む。どういう基準で滝認定されたのでしょうか、これは。

娘:「地元の人が国土地理院に勤めてた……とか?」
俺:「……」
子:「ま、いずれにしても、僕らの感覚からは程遠いや」




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入口だけ

俺:「どうも、行く季節を間違えたらしいんだ」

わたくし、乙女の滝を観瀑後、
以前に見損ねていた塩原渓谷の滝たちを訪問することにしたのでした。

回顧の滝_その1
回顧の滝(落差40m)・全景】(栃木県那須塩原市 『塩原渓谷』

娘:「そう?」
子:「きれいな直瀑だと思うけど?」

滝だけアップすると、そう見えるんですけどね。

俺:「だけど、滝壺の辺りを注目して欲しい」
娘:「フム。滝壺なんかないけど?」
俺:「そこが問題なんだ」
子:「あっ、そうじゃん、そうだったわ!」
娘:「なにが?」

ここで、回顧の滝を、遠景で撮影した画像を見せるわたくし。

回顧の滝_その2
【回顧の滝と塩原ダム湖】

子:「いつもの滝図鑑だと、ダム湖に直接落ちてるんだよ、この滝」

そうなのです。
塩原ダム湖の水量が、かなり減っていたのです。

娘:「干上がってるね。ということは……」
子:「梅雨時とか、滝も、もっと立派な可能性が高いな」
俺:「そういうことだ」

しかも、それだけではありません。

俺:「この看板を見て欲しい」

塩原渓谷看板_その1
【塩原渓谷看板】

子:「存外、滝が多いねえ」
娘:「コレ、竜化の滝って、前に行ったとこじゃん!」
子:「そうだねえ」
俺:「で、これらの滝が、全部、水量不足でショボかったら、どう?」
子:「……すげえイヤだ」
俺:「だろ?」
娘:「それは確かに、雨季とかに行くべき」

滝を廻る渓谷道も、結構、険しかったりして、
そうそう何度も行きたくなる感じではありませんでした。

俺:「だからさ、入口の回顧の滝だけ見て、帰ってきたワケ」
子:「ま、そう遠くないし、またリベンジすればいいんじゃね?」
娘:「いいね!その時は、あたしも連れてってよね」




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それは、今後の宿題ってことで…
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は?

俺:「名前が良い感じだろう?」
娘:「そうだね。お父さんが、お母さんを大好きってのは分かってるから」
俺:「いや、そういう話をしてんじゃねえよ」

乙女の滝@那須_その1
乙女の滝(落差10m)・全景】(栃木県那須塩原市板室『沢名川』

那須の観光名所の一つである乙女の滝
観光対策だろうな、とは思いつつも、
その名前に魅かれて、ちょこっと観瀑して来ました。

俺:「こう、落水する水の帯が、乙女の髪を思わせるからじゃないか?」
子:「でも、乙女にしては髪が薄いねえ」
娘:「分かる。歳を取ると、女子でもハゲるらしいし」
子:「マジ?」
娘:「うん。薬局行くと、女性用の養毛シャンプーとかあるよ」
子:「まじか~」

いや、お前ら、何の話をしてんだよ。

娘:「でも、おばあちゃんを乙女って呼ばないよね」
子:「場合によっては、強烈なイヤミになるな」
娘:「そう。すっごい失礼」
子:「では、この滝の真名は『姥ヶ滝』ってことで、どう?」

それ、石川県の百選滝だろ。

娘:「いいね。白い水を白髪に見立てるんだ」
子:「コンセプトは白髪三千丈!
娘:「でも、ホントは10mなんだけど~」

だから、高齢者の話から離れろや!

乙女の滝@那須_その2
【乙女の滝・滝壺アップ】

俺:「だいたい滝の水量が少ないのは、そういう季節だからだろ」
娘:「だって『乙女』とか、結局、お父さんのノロケ話になるじゃん?」
俺:「は?」
子:「やってらんねーよな」

いや、ちょっと待てよ!

娘:「リア充自慢もいいけど、外でやってよね」
俺:「いやいや、だから、俺は滝について語りたいんだが?」
子:「で、結論はノロケ話になる」
俺:「あ、いや……」
娘:「あ~あ。あたし、彼氏作ろうかなあ」
子:「やめとけ。これ以上、不幸な犠牲者を生み出す必要は無い」
娘:「は?」


……。





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第一の滝

幻の滝。

そう。
那須の御用邸の敷地内にかかっていた、
一般の目にはなかなか触れることのなかった駒止の滝

それが、2011年に今上陛下の御意向を受けて
「那須平成の森」として観瀑台が整備されると、
この名瀑を、誰もがお手軽に観瀑できるようになったのです。

駒止の滝
駒止の滝(落差20m)・全景】(栃木県那須町大島 『余笹川』

子:「おやじ、これ、駒ヶ滝の間違いじゃね?」

実は、次男君の愛読書によると、
「駒ヶ滝」が本名で、「駒止の滝」は別名になっているのです。

俺:「しかし、今や駒止の名こそ、今上陛下の御意向を受けての正式名称やな」
妻:「そういうことなんじゃない?」
娘:「しかもほら、写真集の方は1998年の撮影になってるから」
子:「あり? ホントだ」

恐らく駒止の滝という名は、
「那須平成の森」がオープンしてから周知されたものではないでしょうか。

兄:「要は、那須の御用邸には、敷地内に落差20mの美瀑がかかっていたと」
俺:「そや」
兄:「それを一般に公開したと」
俺:「そや」
兄:「ウ~ム。なんかスケール感が違うわ~」

しきりに感心している長男君。

娘:「ウチじゃ、絶対ムリだよね~」

娘よ。
我が家のいったいどこに滝がかかる要素があるというのだ……。

子:「しかも、ただの美瀑じゃないんだゼ」
兄:「ほう?」
子:「さらなる二つ名は『那須第一の滝』!」


間。


兄:「……それで?」




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蛍を越える

俺:「あれれ。水が、思ったよりもキレイじゃない」

わたくし、新潟県ナンバー・ワンの美瀑と謳われることの多い
大尾不動滝を訪瀑したのです。

俺:「滝壺の流木も汚い感じやし……」

ところが、思ったよりも水が濁っているし、
滝壺には朽ちかけた流木やら何やらで、
期待していたような“美瀑”とは、かなり違っていました。

俺:「う~む。来る季節を間違えたのか……」

大尾不動滝_その1
大尾不動滝(落差20m)・全景】(新潟県阿賀町七名)

妻:「写真映りは問題ないわよ」
娘:「ウン、キレイだよ~」
兄:「まあ雨天だったようだし、水が濁るのは当たり前じゃね?」
俺:「いや、そういう濁り方じゃなかったんだよ」

あれですね、こう、川面がプクプクと泡立って、
群馬の熊川にかかる魚止めの滝を彷彿とさせる感じだったのです。

妻:「近くで見たら、汚れが目立ったってパターン?」
俺:「そうね」
娘:「臭いは?」
俺:「若干ね」
兄:「……」
子:「原因はコレだろ!」

いきなりビシッと指差す次男君。

子:「ほら、地図だと、すぐ上流に湿地帯があるから」
娘:「うわ、ホントだ」

大尾不動滝_その2
【大尾不動滝・上段部】

国土地理院の地形図を覗き込む次男君のもとへ集まってくる我が家。

兄:「確かに、沼とかなら水が濁り易いかもな」
娘:「よどんだ水に、プランクトンが大繁殖!」
妻:「そこは藻とかじゃないの?」
子:「プランクトンって、まるで赤潮みたいに聞こえるわ!」

そう。
なんと大尾不動滝のすぐ上流には「たきがしら湿原」というのがあったのです。

妻:「しかもこの湿原、人工だって!」
子:「は? なんだとう?」

早速スマホで検索した妻から驚きの声。

兄:「うわあ、結構な観光地でやんの」
娘:「けどホタルの名所だってよ」
妻:「道路だって、ずっと川沿いに走ってるじゃない」
子:「う~ん。こんだけ開発されてたら、下流に清流は望めないわ」

あれ?
でもホタルって、清流にしか棲めないんじゃなかったけ?

子:「滝好きの求めるレベルは、ホタルを越えるんだよ」


……。


大尾不動滝_その3
【大尾不動滝・落口】

妻:「写真だと美しいのにね」
娘:「ビデオでもキレイだよ」
俺:「そりゃ、そうは言っても穴場の美瀑だからな」

いつもの写真集にも、非常に美しい若葉の頃の滝姿が載っています。

兄:「ズバリ、映像で愛でる滝」
子:「ウ~ム。兄貴の意見に賛成だわ」




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