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Waterfalls in Japan

夏休みの自由研究から始まった、滝をめぐる家族の冒険譚!

魅力だらけ!

ブォー、バタン!(車が停まって、ドアを開閉する音)

客男:「ウォー、スゲーな!」
客女:「いいじゃないの!」

俺:(…ゆっくり動画も撮影できやしねえ)

平日の午前中にもかかわらず、次々とやってくる訪瀑客たち。

ブォー、バタン!

客爺:「おお、これは!」
客婆:「やっぱり凄いわねえ!」

俺:(あああああ!)

不動七重の滝_その1
不動七重滝(落差100m)遠望】(奈良県下北山村上池原 『前鬼川』

奈良県の大峰山系最大の名瀑とされる不動七重滝
人気の滝と聞いていたので、できるだけ朝早く着くように狙って行ったのです。

俺:「しかし! 地元民は、もっと上を行っていた!」

中には、遊歩道の入り口から「既に、滝を堪能してきました」みたいな、
沢装備の戻り遡行者まで!

子:「まるで華厳の滝みたいな人気ぶりだねえ」
娘:「つまり、全国規模の名瀑って?」
俺:「いやいや。むしろコアで熱烈なファンが、近隣からいっぱい来てたわ」

華厳の滝ほどの全国知名度は無いけれど、
地元の関西圏では超人気って感じでしょうか。

妻:「何がそんなに人を惹き付けるんだと思う?」

つまり、不動七重滝の魅力とは?ってコトですな!

不動七重の滝_その2
【不動七重滝・上部アップ】

子:「総落差100mの巨大瀑布であること!」
妻&俺:「うんうん」
娘:「透明なエメラルドグリーンの滝壺!
妻:「そうね」

いわゆる前鬼ブルーってヤツですな!

子:「あと、滝を取り囲む、そそりたつ岸壁とか」
俺:「せやなあ」

地図によれば、滝の左手側(右岸側)に見える岩峰は、標高632m。
対して、映像で見えるている一番上の滝の落口は、標高454m。

その差は、なんと178m!

俺:「200m近い垂直な岩壁とか、やっぱり迫力あるわ」
娘:「日本の景色じゃないみたい!
妻:「それ、凄く言えてる!」

そう!
本当に、スケールが色々と日本離れしているのです。

不動七重の滝_その3
【不動七重滝・下部アップ】

子:「奈良県ってさ、新潟県と並んで巨大瀑布が多いんだ」
娘:「そうなんだ」
妻:「双門の滝といい、険しい谷が多そう」

確かに、いつもの写真集を見ても、
奈良県の頁だけは、なんか妙に迫力があります。

娘:「雨が多いから、浸食が激しいんじゃない?」
俺:「それもあるだろうな」
子:「う~む。そうやって考えると不動七重滝って魅力だらけなんじゃね?」




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ナベの耳

双門大滝から河原小屋跡までの道程は、中々しんどいものがありました。

俺:「寧ろ、垂直ハシゴ連続の方が、なんぼか安心かも知れない」

ただ、途中で眼下に、何度も滝らしきものが見えたりして、
景色としては飽きることがありません。

双門・三蛄滝_その2
双門・三鈷滝(落差15m)・遠望】(奈良県天川村大字北角 弥山川

河原小屋跡の手前まで来ると、
対岸にお目当ての赤テープが吊るされた木を探します。

俺:「おお、あったあった。これやな」

ここが、ショートカットのためのバリエーション・ルートの入り口になります。
試しに少し登ってみると、極上のテン場がありました。

俺:「おお、結構安全そうな場所やんけ」

古く割れた酒瓶とかがあったので、
昔から使われている、知る人ぞ知る“穴場の”テン場なのかも知れません。

俺:「万一の時は、ここでビバークできるのか。使わんけど」

双門・目印_その1
【河原小屋跡下流左岸の赤テープ(下流から)】

当初、計画の段階では、弥山川左岸に合流する谷型地形を少し遡って、1543mの鞍部に抜ける予定でした。
ところが実際に来てみると、この谷型地形が想像していたよりも険しく感じられ、ヤル気がかなり萎えてしまいました。

俺:「これは、身の危険を感じさせる嫌な登りや」

そこで、以前に登られていたとされる旧登山道と同様のコースを辿ることに変更。
傾斜こそ急ですが、普通に登ってゆける斜面でした。
その斜面を登ること約20分。下草だけのテラスみたいな場所に辿り着きます。

俺:「この辺りから、トラバースが始まる筈なんだが…」

少し休憩を取って水分を補給すると、
ちょっと上がった所に、昔の登山道の名残と思われるロープの残骸を発見。
そうして途切れ途切れのロープを目印に、トラバースを続けること10分ほど。

俺:「おお。なんかアッという間じゃんか」

遂に、ナベの耳に辿り着くことができたのです。

双門バリエーション・ルート
【実際のルート(実線)と、計画ルート(破線)】

俺:「そういうワケで、河原小屋跡からナベの耳に抜けるルートが、予想を遥かに超えた安定ルートだったのだ!」
娘:「ナベの耳?」
兄:「鍋の取っ手みたいな地形があるんじゃね?」
妻:「あるの?」
子:「地図上では、判読不能だねえ」

いや、だから、ナベの耳なんかどうでもよくて、
わたくしの選択がドンピシャだったことを自慢したいんだが…

妻:「こんな感じのゆったり尾根なら、私でも歩けそうね」
子:「うん。実際に、美しい森林浴コースとして紹介されているよ」
娘:「この尾根ルートからなら、あたしでも双門の滝に行けそう?」
兄:「無理なんじゃね?」
子:「あの親父が疲弊したって言ってるし、厳しいと思うよ」
妻:「そうね。ナベの耳までで我慢しておきなさい」
娘:「だよね~」

だから、わたくしのドンピシャな判断力を……

兄:「それにしても、なんでナベの耳とか言うワケ?」




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最難関へ

弥山川コース登りだけの一歩通行
引き返すのは禁止されています。

俺:「コースの難易度が高過ぎて、危険だからな」

そうかと言って、脚力の衰えを感じている今のわたくしには、
日帰りで、狼平まで上がって、そこから下山用の尾根ルートを下るとか、
とてもムリだと思われます。

俺:「そこで、ショートカットすることにした」

つまり、土石流で流されてしまった河原小屋跡付近から、登山道の対岸に渡り、下りの尾根ルートに合流するバリエーション・コースを行くことにしました。

双門の滝_その3
双門大滝(落差70m)・概観】(奈良県天川村大字北角 『弥山川』

子:「やっぱスゲえ」
妻:「左岸の側壁が、恐ろしいくらい垂直ね」
娘:「どうやったらこんな崖ができるワケ?」
俺:「知らんがな」
兄:「なんで、こんなところに登山コース設ける気になったし」
子:「世にも稀な名瀑があるからだろ
兄:「……」
妻:「誰か、凄く情熱的な人が居たんでしょ」

一の滝・二の滝から双門大滝までは、垂直に水平に斜めに、ただひたすらにハシゴが続きます。

俺:「それだけじゃないぞ。すんげえ痩せ尾根とか…」
みんな:「「うんうん」」
俺:「鎖しかない垂直な岩場とかあるんだ」
娘:「うわ~」

見下ろせば、確実に「滑落=死」な高さ。

子:「さすがは百選の滝・最難関だねえ」
娘:「ねね、岩場、怖かった?」
俺:「むう。どうだろう」

ただ、鎖などの補助具が、よく考えられた場所にあるので、
「岩場の基本・三点支持」が出来ていれば、何も恐れる必要はありません。

俺:「むしろ、木の根で覆われた痩せ尾根の方が怖かったな」
兄:「わかる。木の根って、滑るからな」

双門の滝_その4
【双門大滝・落口アップ】

そういう難コースにもかかわらず、
当日は、何組もの登山者と出会いました。

俺:「最初の若者パーティーは、途中で川に降りて、水着になってウォーター・スポーツしてた」
兄:「ほう」
娘:「えーっと、なにそれ」

難コースな上に、
大概の方は、狼平まで上がるか、
“下り禁止にもかかわらず”、双門大滝で引き返すからでしょう。

俺:「まさか、あんな隠れスポットへ水泳&BBQに来るとか、相当の策略家だ」
子:「静かな大自然を独占…… いいなそれ」
俺:「ああ。透明なエメラルド色の川を独り占め」
妻:「凄い贅沢ね」
兄:「新しいアウトドア・スタイルなのか、それとも変人か」
娘:「ちょっとウラヤマシイ」
子:「…変人が?」
娘:「ちがう!」

あと、わたくしを追い越して、狼平まで登るパーティーが一組。
その他の三組は、双門大滝で引き返して行きました。

双門の滝_その5
【双門大滝・下部アップ】

双門大滝の観瀑テラスで英気を養うこと、約1時間。
そのあと、ショートカット・ルートを目指して、河原小屋跡へ向かいます。

俺:「でな、河原小屋跡までが、これまた結構な難ルートなんだ」

流石に、垂直や水平なハシゴこそ無くなりましたが、
引き続き、緊張を強いられるような道が続きます。

俺:「精神的には、双門大滝までの行きルートと同じくらい疲弊した」
妻:「だから、双門大滝で引き返す人がいるんだ」
俺:「そうだと思う」
子:「なるほどねえ」

ただ、わたくしとしては、滑落リスクを極力減らしたいので、
粛々と河原小屋跡へ向かいます。

俺:「結局、それで大正解だったんだな、これが」
子:「ほう」
兄:「ほう」
娘:「ねね、そこんとこ詳しく!」




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はああ?

事前調査では、「一の滝」「二の滝」までの道程も、相当厳しいだろうと予想していました。
しかし、実際にわたくしが登った感想は、

「岩場の基本『三点支持』ができていれば、心配することは何もない」

というのが、率直なところです。

あと、フェルト底の沢靴が絶大なる効果を発揮しました。

双門・一&二の滝_その1
【双門・一の滝&二の滝・概観】(奈良県天川村大字北角 『弥山川』

子:「まるで、写真集のような写真が撮れたな」
娘:「なんか威圧的じゃない?」
妻:「そう? 凄くキレイじゃない」
兄:「上部の明るい箇所は、ひょっとして朝陽か?」
俺:「そうや」
娘:「陽が昇り切るまで待てば、もっと美しい映像が撮れたってこと?」
俺:「いや、それはダメだろう。微妙な陰影が、全部白く飛んでしまうからな」
兄:「しかしこれ、圧倒的じゃね?」
子:「本命・双門大滝が無ければ、これが百選滝だったろ」
俺:「ウム。誠に」

やはり、この二滝だけでも、百選滝の風格のようなものが充分に感じられます。

双門・一の滝_その1
【双門・一の滝(落差30m)・概観】

当日は、登り始めこそヘッピリ腰でしたが、
フェルト底の沢靴の実力を実感する程に、登りに安定感が出てきたと思われます。

俺:「濡れた岩場もしっかりグリップしてくれて、沢靴で本当によかったわ」

手近な木に荷物をビレイすると、
カメラと三脚を持って、岩場の上をスタコラ移動。

僅か三十分程でしたが、双門の二滝を、心行くまで堪能しました。

150824_双門・二の滝_その1
【双門・二の滝(落差20m)・概観】

俺:「そうしてここから、かの有名な地獄の梯子が始まるのさ」
娘:「あの、ハシゴが延々と続くヤツだね」
兄:「全部で幾つあったんだっけ?」
俺:「数えてね~や」

後でネットで調べたら、「83箇所」という数字が上がっていました。

子:「で、三の滝は?」
俺:「スマン。パスした」
子:「は?」
俺:「時間が無くてな」
子:「はああ?」




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そういうワケで

俺:「そういうワケで、行ってみようと思う」
娘:「ワケ分かんないし。説明を先にして?」

近頃、とみに肉体の衰えを感じるようになったわたくし。
色々と後回しにしていた百選の滝・最難関と云われる「双門の滝」に、そろそろ挑戦しなければいけないと考えました。

俺:「今のうちに行っておかないと、本当に行けないまま終わってしまいそうだ」
妻:「でも、危険なんでしょう?」

滑落や遭難による死者を、毎年出しているらしい超・難コース。
上級者向けであることは間違いありません。

俺:「しかし、登山地図にもちゃんと出ているんだ」
兄:「ああ、間違いなく載ってるね」

そうは言っても、キチンと整備された登山道ですし、
毎年、かなりの数の登山者が、ここを登っています。

そう、
ちょっと前までの御来光の滝コースとはワケが違う。
あそこは、一時期、廃道扱いになっていましたから。

俺:「既に、三点支持の基本はマスターした」
子:「岩場の基本ね」
俺:「これまでに、数々の難滝をクリアしてきた」
娘:「九階滝とかあったよね」
俺:「山岳保険にも加入したぞ」
兄:「それは当たり前」
俺:「そういうワケで、双門の滝にチャレンジしてみたいと思うのです」


沈黙。


妻:「分かったわ。気を付けて行ってきて」

双門・釜滝_その1
釜滝(落差6m)・概観】(奈良県天川村大字北角 『弥山川』

そういうワケで、わたくし、いよいよ「双門の滝」に挑戦することになりました。
まだ朝暗いうちから白川八丁を抜けると、
最初の滝である「釜滝」に到着。

俺:「水がチョロチョロじゃねえか」

すぐ上流にある取水口の影響で、大概はこんな感じのショボ滝になっているらしい。

俺:「よし。休憩やね」

林道入口から約1時間。
ここからが、いよいよ本格的な弥山ルートの始まりです。




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